ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

安心院橋の雨・その一

2011年01月28日 | 中学受験 行雲流水録
一昨日から降り出した雨は両岸の土手を洗い、川並の柳は今にも川面に届きそうにしている。その篠突く雨を縫うように一艘の小舟が水嵩の増えた子安川を遡っていた。雨影にけむる鞆では一人の男が慣れた手捌きで流れ来る速さを増した 川水をいなすように櫓を操っている。 「お初に悪いことしちまった。」三五郎は一人ごちた。一仕事終えた高ぶりと充足感が今の三五郎を満たしている。 「早く帰ってやらねえとな&hellip . . . 本文を読む

率先垂範

2011年01月19日 | 中学受験 合格力随想
人間が大きく成長するには、生涯の一時期読書に没頭するような日々を送ることが必要なようです。勝海舟は自伝の中で、数年間閉門を命ぜられときに、多くの本を読んだと述懐しています。 私立中学合格時、いったん教室を退会し、ある程度の期間を経て再開する子がいます。ここでよく見ていると、その再開したときに学年相応に考えが深くなっている子と、身体や知識だけが成長している子の二通りがあるようです。 この差がどこか . . . 本文を読む

記憶力と記憶術

2011年01月15日 | 中学受験 合格力随想
学習の第一過程は暗記です。暗記するためには記憶する力が必要となります。したがって、記憶力の養成を目的として暗唱などの作業に取り組むわけですが、ここに問題点があります。この作業を記憶術を使って処理してしまうことがあるということです。記憶術というのは、記憶することがらをイメージ化したり語呂合わせにしたりして自分のよく知っているものに関連づけて覚える技術です。 記憶術を使うということは、真の記憶力を育て . . . 本文を読む

『剛毅木訥近仁』

2011年01月03日 | 中学受験 行雲流水録
私は『論語』の中でこの一節が一番好きだ。 『剛毅木訥、仁に近し。「論語」子路篇』……「剛毅で飾らぬ人間は、完成した徳である仁をそなえたものに近い」と孔子は言う。また…、 『巧言令色、鮮なし仁。(巧言令色鮮矣仁)「論語」学而篇』……「言葉巧みで顔つきもにこやかな人物にかぎって、徳の少ないことが、おうおうにしてある」とも述べる。 . . . 本文を読む