現在の教育の目的は、受験に合格することになっています。以前は、それでもよかったでしょう。学歴社会が厳然と存在していました。もちろん、今でも学歴社会は残っています。有名大学を出れば、その人物の保証書となります。しかし、現在では、その保証書はただの紙切れであり、以前ような人生そのものの保証書とはなりえない状態です。 ということは、よい学校に入ることの意味は、単なるスタート地点に着くことでしかなくなりま . . . 本文を読む
公立中高一貫校の入試で、なぜ作文試験が行われているのでしょうか。その理由は、公立なので、受験勉強をあおるような入試はできないというところにあります。そこで、知識を問うような普通のテストのほかに、作文試験が課されるのです。 少し話しは脱線しますが、現在の公立小中学校の学習の範囲は、やさしすぎます。基本をしっかり身につけることは大切ですが、教科書の中にレベルの高い問題がないと、物足りなさを感じる生徒も . . . 本文を読む
ジュリアン・ジェインズの「神々の沈黙」は、意識と言語の起源について、心理学、生理学、歴史学、哲学、文学を駆使して大胆な仮説を立てた著作です。この中で、著者は、比喩は言語の本質であり、ひいては意識の本質であると述べています。 これは、私たちが考えても、確かに納得できるところがあります。
初めて声を発することができるようになった原始時代の私たちの先祖は、大きいトラが「ウォー」を吠えるのを見て、その大 . . . 本文を読む
300字の暗唱を小学校低学年から続けていれば、その子の読解力、表現力は確実についてきます。読解力がなぜつくのかというと、ある文章をしみじみと深く味わって読む力がつくからです。国語の問題文を読む場合、同じ文章を読み同じように理解したつもりになっていても、読む人の読解力によってその深さが違ってきます。深く読む力があると、その問題文に書かれている情景や心情の細部まで読み取ることができます。深く読む力がな . . . 本文を読む
以前、『暗唱の意義』について述べました。今回は、『暗唱の効用』について書き添えたいと思います。保護者の方からこういう話を聞いたことがあります。 「音読の練習はやるが、暗唱の練習は嫌がる」 それを聞いて、私はこれまで音読の練習も実はできていなかったではないかと思いました。これまで毎日音読をしていた子は、その延長で暗唱もできるはずです。音読の勉強を自分の勉強部屋でやっていたとすると、実際に確実に音読が . . . 本文を読む