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B級グルメ道119 どっさりのあんこが香ばしい 鯛焼き「わかば」

2012年06月30日 18時31分24秒 | Weblog

 今日は、四谷近辺に用事があったので、以前から気になる鯛焼き屋「わかば」に行ってみた。四谷の鯛焼き「わかば」は、東京の三大鯛焼き(その他は、人形町の「柳屋」、麻布十番の「浪花屋総本店」を指す)のひとつである。鯛焼きは、和菓子のご贈答としても喜ばれる庶民の食べ物なのである。3大どらやきや羊羹と同様、鯛焼きの人気は陰る事がない。美味しい鯛焼きは、いつも多くのお客さんでいっぱいなのである。今回は、行列に並ぶのは勘弁なので、早朝からやって来た。早朝といっても、「わかば」開店は9:00からであるので、開店後直ぐという時間帯の9:15に行ったのである。この時間なのに、狭い店の中は5~6人が、座敷風の椅子に座って待っていた。「ちょっとお時間がかかります」という店主。厨房を見て驚いた。型に生地を流し込み、あんこを入れる人、焼きだけの人、羽(鯛焼きの型からはみ出した生地の部分)を切る専門の人、箱や袋に詰め込み、お勘定をする人(これは店主の仕事のようだ)と、実に分担された分業体制ができている。予約をこなしながら、店頭のお客さんの鯛焼きを詰め込んでいく店主。「おいくつですか?」と聞かれた。やっと私の順番となったのである。9:45を時計は指していた。「10個お願いします」と私。「箱に入れますか、紙でいいですか?手提げ入りますか?」と店主。「箱を手提げに入れてください」と私。こんなやりとりの合間にも、どんどんとお客はやってくる。
        たいやき わかば - 料理写真:『わかば』の鯛焼き
 この「わかば」の鯛焼きは、「天然物」と言うらしい。焼き型が、1つずつ分かれたもので、職人がひとつずつ焼き加減を注意しながら焼いていくので、こう呼ばれる。複数の型が固定されたもので大量に焼くものを「養殖物」と言うようで、その対語が「天然物」ということなのである。この1つずつ分かれているものは、大量に同時に焼くものよりも、職人的な技量が必要なのである。ボケーとしていれば、焦がしてしまい、鯛焼きが台無しになってしまうのである。焼いている人は、若そうに見えるのであるが、まあ熟練の人なのであろう。
            たいやき わかば - 料理写真:
 出来上がった鯛焼きを受け取る。1個140円なり。箱を包む包装紙に、何やら書いてある。「鯛焼きのしっぽには、いつもあんこがあるように、それが世の中を明るくするように ー安藤鶴夫ー」。鯛焼きの尻尾まであんこがぎっしり入っていれば、本当に幸せ感がいっぱいとなる。そんな様子を、直木賞作家で落語・歌舞伎の評論もする安藤鶴夫は、ことばとして表したのだろうと思う。中々、庶民の気持ちをうまく詠んだ句ではないだろうか。また、別冊で自由に頂ける書き紙には、たいやきの召し上がり方色々という能書きに、「殿方は頭から、ご婦人は尻尾から、召し上がっておられます」と表記されている。私の場合、常に鯛焼きはしっぽから食べる癖がある。しっぽのあんこの量で、鯛焼きの善し悪しを決めるためである。この食べ方は、間違っていたのだろうか?まあ、そんな食べ方も良いではないか!!食べてみると、ぱりっと薄い生地ではあるが、香ばしく美味しい。そして、あんこがずっしりと入っている。「うまい!」と唸ってしまった。さすが、3大鯛焼きのひとつである。ちょっとあんこが甘すぎる感じはするが、しかし、大変美味な鯛焼きである。焼きたてなので、あんこがアツアツ。あまり、欲張って大口でかぶりつくと、舌が大やけどを負いそうになってしまう。しかし、本当にホクホクしてうまい、絶品である。こんな鯛焼きなら、絶対に贈答品として受け取りたいものである。能書きには、保存方法や暖め直し方も記されているので、良心的である。暖め直し方は、「とろ火で焼いて頂くか、電子レンジで少し暖めた後オーブントースターで焼いてください、香ばしく美味しく召し上がれます」と記されていた。
 下町にこそ、天下に通じるうまいものがあるのである。
         たいやき わかば - 料理写真:小豆を味わえる優しい餡子がタップリ


B級グルメ道118 旨さが光る鳥料理「八重洲夢とり」

2012年06月29日 22時16分32秒 | Weblog

 今日は、会社帰りに、例の肝臓の悪い友人と食べて帰ることにした。あまりいつも行っているところではつまらないということで一致し、ちょっと変わった居酒屋に入った。そこは、「八重洲夢とり」と屋号が掲げられていた。鳥料理の専門店らしく、紀州備長炭を使って焼き上げる店である。もちろん、なんの事前の知識なく入った店であるが、これがまた、最高に素晴らしい焼き鳥を食べさせてくれる店だったのである。
 最近よく行った銀だこハイボールの店の角を曲がった奥に、この店はある。地階のため、階段を下りていくと、こじんまりした店が出現。いかめしいマスター風の男と、厨房にはスキンヘッドのごつい職人風のいかつい男と、ちょっと色男風の焼き専門の男3人で運営されている店だった。「二人です」というと、「カウンターでお願いします」と言われ、カンター席に座る。もうこのカウンターは、厨房が目の前の場所で、6~8人程度が着席できる広さ。後方はテーブル席で、4人掛けが四脚ある。25人も入れば、超満員という、本当に狭い店である。メニューを見ると、焼き物等はほとんど鳥料理である。そのメニューには、厳選された新鮮な「つくば茜鶏」を使用していますと書いてあった。あまり聞かない鳥の名前である。比内鶏等なら、高級な鳥とすぐ分かるが、「つくば茜鶏」とはどんな鳥なのだろうか?しかし、店内は香ばしい焼いた鳥の良い匂いが充満している。「ハイボールとウーロン茶をお願いします」と注文。相変わらず、私の場合はウーロン茶である。居酒屋でウーロン茶、何という組み合わせか!もうそろそろ、禁酒解禁は近いのでは?と自分なりに思っているのである。
      

 メニューから、焼き鳥の塩で二本づつ、もも・かわ・レバー・ネギ間・ぼんじり・手羽先を注文。その他は、だし巻き玉子、鳥の唐揚げ、しめさば。まずは、飲み物で乾杯。そして、付き出しのさつま揚げ等の煮物を口に運ぶ。「うまい!」。付き出しの和風のだしに、実に良く浸っている野菜たちが、見事な味なのである。普通、付き出しは、メインが来るまでのつなぎ的な料理であるので、大したものはない。それが、付き出しでこの旨さ。驚きである。何の知識もなく飛び込みで入った店なのであるが、実に良い味である。付き出しのおかわりを注文したくなったのであるが、恥ずかしいので止めにした。そんな中、焼き鳥が到着。実に美味しそうに焼けた鳥串である。まずは、もも串をいただく。「うまい!!」、この旨さは何んなのだろうか?鳥の芳醇な味と焼き加減がベストである。実にうまい。うますぎる。レバーは、とろけるようにまったりとした味、ぼんじりは弾力がありふくよかな味わい。ネギ間も実にうまい。手羽先は、脂の乗りと肉の柔らかさが、すこぶる良い。すべて塩焼きにして良かった。鳥の本来の旨さが十分に堪能できるのである。大正解であった。また、だし巻き玉子も、とりだしが浸っており、実にうまい。こんなだし巻き玉子は久々に食べる。鳥の唐揚げも、実に香ばしく揚げられている。この店は、すこぶる良好な鳥料理店である。唯一の魚料理であるしめサバも、サバ本来の旨さの上に、酢じめされている。これがまた、非常にうまい。酢が効きすぎたしめサバとは全く異なり、実にサバ本来の味を保った〆具合なのである。「うまい、感動した!!」。二たりの共通した感情なのである。
 店内は、多くのゴルフ関係の展示がなされている。中島常幸の写真や優勝した時のお礼状、グラスに入ったゴルフボール、英国の名門セント・アンドリュース・GGの写真・・・・。会計の時に、いかついマスター風の大将に聞いてみた。「何かゴルフと関係があるのですか?」と。「実は、私はプロを目指していた時に、中島常幸プロに師事し、側近として使えていたんです」ということだった。中島常幸が絶好調のころ、アメリカツアーに挑戦するため、スイングを変えたことがあったが、あの時から優勝から遠ざかった。その当時のことも話してくれた。「体が思うように動かなくなり、マスコミはスイング改造と言っていたが、筋肉が動かなくなったことが大きかったんだ」ということだった。突如、優勝常連の中島常幸が、なんでスイング改造などしたのかが、当時良く分からなかったが、理由が分かったのである。
 実に美味しい鳥料理を堪能したのであった。


感性が理解不能、田中慎弥の「田中慎弥の掌劇場」

2012年06月26日 23時43分39秒 | Weblog

 田中慎弥は、時の人である。芥川賞候補に4度もなったが、すべて落選したものの、やっと今回芥川賞を「共喰い」という作品で受賞した。この人は、世間慣れしていないためか、マスコミ等へも痛烈な態度で臨む作家である。芥川賞受賞のインタビューでは、「ここらで断るのが礼儀ですが、私は礼儀を知らない。もし断って気の小さい選考委員が倒れたら、都政が混乱します。(選考委員のひとりである石原慎太郎)都知事閣下と東京都民各位のために、(芥川賞を)もらっといてやる」とビックリ発言も飛び出した。自分自身が、賞と対等、いやそれ以上であるとの気概を持っている、あまり存在しない作家である。
 この田中慎弥が、芥川受賞作品後、初めて出版した作品が「田中慎弥の掌劇場」という本。マスコミにも大きく取り上げられたこともあり、私自身も読み始めている。この作品のあとがきに、「新聞の読者を意識し、文字の殻に閉じ籠らないような手法で書いたつもりですが、私なりの、一般読者に不親切な部分も、この際ですので御笑味下さい。時勢を取り込んだ作品もあります。「男たち」は当時の政治状況を拝借しました。「客の男」で語られる若手ピッチャーもだいたい誰だかお察し頂けると思います。「扉の向こうの革命」「怪物」「最後の蛇」「感謝」の四作は震災を描きました。私は計らずも、小説という絵空事に命を懸けてしまっています。命を縮めて得た糧で、また命を延ばす。この掌篇集も、その結果であり、過程です。」と記している。この人ならではの言い回しであり、思いなのだと感じた。作家に命をかけているから、冒頭の受賞に対する言葉が出てきたことが分かる。また、田中慎弥は、川端康成の作品を啓蒙しており、川端の「掌の小説」へのオマージュとして、今回の作品を手がけたと説明している。
             田中慎弥の掌劇場
 「田中慎弥の掌劇場」は、1編が1、600字程度、原稿用紙4枚程の短編37編で構成されている。最初の「宇宙の起源」では、海峡に頭を挟んだクジラの話が書かれている。もちろん、そんなどでかいクジラ等存在しないので、何かを象徴化しているのである。広大な宇宙のはじまり、クジラの片方の目には、宇宙の未来が写っている。もう片方の目には・・・。「待ち合せ」という作品では、ボケた老婆がずっと待っているもの、それは何か・・・。というように、どれも、一読しただけでは状況や言わんとしている意味を理解するのが難しい。「待ち合せ」では、結局、立ち入り禁止の札のかかっていたダンスホールかラブホテルかわからない建物が、振り返ってみるとその札がなくなっていたというオチになっている。このことは、何を表しているのか、自分自身で解釈しなければならない、難解なものになるのである。「うどんにしよう」という作品では、「冷蔵庫を開け、プラスティック容器に入れたハンバーグや五日前のカレーやラップで包んだ人の手首やアイスクリームなどをよけて、・・・・・」というように、何気ない羅列の中に、とんでもないものが表記されている。この手首は、なんで冷蔵庫に入っているのか、誰のものなのか・・・、一切の記載はなく、これまた自分自身で推測するしか手がないのである。こんな、奇妙な短篇集はあまり読んだことがないのである。この作者の感性が理解不能と感じる、異色な作品なのである。


B級グルメ道117 昇運の契機となるか?「おめで鯛焼き」

2012年06月24日 21時56分15秒 | Weblog

 今日は、イオンモール川口前川にお買いものに出かけた。色んな物を見ている中、1Fに珍しい名前のたい焼き屋があるのを発見。その名も「おめで鯛焼き本舗」。何がおめでたいのかというと、この店のたい焼きは、笑顔のたい焼きが描かれていて(型で焼かれていて?)、胴体部分に゜昇運゜の文字が刻印されているのである。なるほど、このたい焼きを食べれば、昇運につながり、おめでたいということなのである。
 フランチャイズ事業や外食事業を手がけるジェーシー・コムサの子会社である「ほのぼのお好み鯛焼き本舗」がフランチャイズ展開しているたい焼き屋さんの一つのようだ。創業40年の「おめで鯛焼き本舗」は、ほのぼのお好み鯛焼き本舗のメインブランドで、関東を中心に現在30店舗近くあるらしい。
    
         おめで鯛焼き本舗 - 料理写真:贅沢カスタード…170円

このたい焼きは、東京で有名なたい焼き屋とはちょっと異なる作りである。というのは、たい焼きのたい生地は、東京の有名店ではパリッとしているものが多いのに反し、おめで鯛焼きは、カステラのような肉厚の食感の生地なのである。実に、しっとりとした食感が楽しめる。そして、こだわりの小豆餡は、北海道産の小豆を使用し、過度に甘くないあんこに炊き上げている。
 このおめで鯛焼きは、あずき、抹茶あずきやカスタードクリームの他、ずんだ白玉あんもあり、中々のバリエーション。しかも、食事代わりということで、お好み焼きをたい生地で挟んだもの(お好み鯛焼き)もある。また、1/5の大きさの小さい鯛焼き(ベビー鯛焼き)も焼き上げている。こちらは、スナック感覚で食べれる鯛焼きなのである。
         おめで鯛焼き本舗 - 料理写真:こだわりつぶあん

    


至高グルメ道⑩ 洗練されたふぐの旨み「玄品ふぐ」

2012年06月23日 23時37分08秒 | Weblog

 今日は、家内の誕生日。と言う事で、息子たちが誕生会を開催してくれた。もう夏の季節にはなってきたが、ここは、まだ、あまり食べたことのない゜ふぐ゜が良いとのことで、近隣の「玄品ふぐ」を予約し、やって来た。数年前に息子と2人でこの店でふぐ料理を食べた経験があったが、本当に私にとってもこの店でふぐを食べるのは、それ以来ということである。もちろん、家内はあまり食べていないようだし、娘は゜ふぐ初デビュー゜なのであった。
 ふぐは、昨年暮れに兄貴たちと食べて以来のもの。ふぐは、こってりとせず、実に淡白だが味わい深い食べ物である。皮も身も、白子も実に美味しいものであ、鍋のあとのスープで作る雑炊が格別にうまい。ふぐのエキスがいっぱいの雑炊は、カニ雑炊よりもうまいと感じるのである。
 今回は、息子がすべて手配してくれた。コース料理(醍醐コース、4,980円)を設定し、飲み物はその都度とした。(飲み放題ではない)皮の湯引きポン酢和えからスタート。ふぐの皮は本当にコリコリして、ゼラチン質が多くさっぱりとした味なのである。もちろん、ふぐの皮自体には味はないので、ポン酢の味ではあるが、食感も実に良好なのである。この湯引きは、酒のつまみにもなり、最高の味なのである。息子は生ビール、家内・娘は梅酒ソーダ割を注文。私は相変わらず、禁酒中と言う事で、定番のウーロン茶。最近では、このウーロン茶が美味しいと感じ始めている。味も良く分かるようになってきた。もうちょっとすると、利き酒ならぬ利きウーロン茶が可能になってしまうのではと感じる。全員から、「美味しい!」の声。実に旨い味に仕上がっているので、この感嘆の声になったのである。

              


 そして、てっさが運ばれてきた。これは、ふぐの刺身である。ふぐは、当たると死んでしまうので、鉄砲に例えられる。そのため、鉄砲の刺身という意味で、略して゜てっさ゜と呼ばれる。これは、関西で呼ばれている呼称を、ふぐ料理でそのまま使っているのである。ちょっと厚手に切った透き通るようなふぐの切り身を、すだちを絞り、ポン酢でいただく。薬味のネギと紅葉おろし、長ネギを刺身で巻きながら、ポン酢をつけて、口に運ぶ。「まいう~!」と石塚の言葉が出てしまう。やはり、ふぐは刺身の王様である。これほど純真な、さっぱりとした味は、他の魚では味わえない。それ程のものなのである。やはり、刺身はとらふぐに限る。実にうまい!

 また、ふぐの唐揚げも、実にジューシーで美味。本当にうまい。

              


 ここで、コース料理にはない゜焼きふぐ゜を注文。コンロと2種類のふぐが到着。2種類とは、つけだれの違うふぐが運ばれてきたのである。今流行りの塩麹もろみ醤油の2種を選択していたのである。(5種類の中から選択できる)塩麹に付けたふぐを焼き始める。実にふくよかな香ばしい香りが充満する。適度に焼かれた頃に、そのまま食べ始める。実にうまい。刺身も良いが、焼きふぐはその上を行く。そして、もう1種類のもろみ醤油に付けられたふぐも焼き始める。醤油の香ばしい香りが立ち込める。これまた、食欲をそそるのである。食べてみると、醤油の味が口の中にひろがり、実に美味。「うまい、うますぎる!」。この焼きふぐは、天下無敵の味である。感動が最高潮に達する。
 そして、最後は、てっちりである。澄んだだしスープを沸騰させ、ふぐの厚い肉を、中居さんが入れていく。実に手際が良い。ひと煮立ちさせたところで、食べごろとなる。このてっちりも実にさっぱりとした、しつこくない上品な味なのである。スープに湯がかれて、ふぐの身も美味しく出来上がっている。「おいしいね!!」の声が飛ぶ。やはり、夏になってきたとしても、ふぐ料理は最高なのである。うなぎにしようという声もあったが、ふぐ料理にして良かった。
 締めは、雑炊。ふぐのエキスが充満しているだしスープに、仲居さんがコメを投入。そして、沸騰した頃、溶き玉子を投入。そして、すかさず火を消す。あとは、蒸らしながら味(塩、だし醤油を加えながら)を整える。実に、ふっくらとした美味しい雑炊なのである。

この玄品ふぐは、食材にこだわる。
 
:玄品ふぐでは、てっちりの極みとなる「〆の雑炊」には、青森県産「つがるロマン」を使用しています。世界遺産「白神山地」をはじめ、十和田湖、八甲田連峰などの雄大な自然に恵まれた青森で育った「つがるロマン」は、親である「あきたこまち」に似たほどよい硬さで、食感・弾力性に優れ、噛むほどに米本来の甘みが口に広がります。ふっくらと炊き上がる、粘りのある大粒の米は雑炊によく合い、だしと共にふぐの旨味をよく吸い込んだ風味のよいお味をお楽しみ頂けます。

すだち
:すだちの収穫期は9月に集中しています。 すだちの樹にたわわに実ったすだちを約10日間のうちに 一気に搾り、ぽん酢の元になるすだち果汁が出来上がります。すだちは徳島県の特産品で、中でも 佐那河内村の物が量的にも質的にも一番とされています。 当店では絞り終わったすだちを精度の高い当社の専用冷蔵庫にて保存、いつまでも絞りたての鮮度を 保持し、提供しております。


ポン酢:玄品ふぐの熟成旨味ポン酢は、調味料の厳選から始まります。醤油は本醸造、特級、非遺伝子組換大豆、小麦を使用しミネラルリッチな天然天日塩で昔ながらの製法で再仕込み醤油をベースにしています。柑橘果汁はスダチと柚子を厳選し、バランスよく配合しています。すっきりとした味わいのスダチと、特有の香りが強い柚子をアクセントにそれぞれの素材を合わせたオリジナリティーの高い熟成旨みポン酢を提供させていただいております。フグの旨味を向上させ、ポン酢の有機酸がてっちりのビタミン、ミネラル、アミノ酸の吸収を促進させ、理にかなった相乗効果をもたらす旨みポン酢として造り上げております。

玉子(美容卵)飼育はゲージ飼いです。これは鶏自身が糞にまみれず、サルモネラ菌感染の動物との接触を避け、生まれた卵が汚染されにくくするために行っています。飼料はポストハーベストフリー(収穫後の農薬散布残留農薬ない物)の輸入穀物に自家製の有機発酵飼料を加えて自家配合しています。イオン化ミネラルを加えて飼料のミネラルバランスを整え、元気な鶏から元気な卵を産ませるというのが生産者の信条です。

:天然天日熟成塩は、人体に必要なミネラルをバランスよく含んだ天日塩です。主要ミネラルと微量ミネラルを約70種も含み、生命維持必須ミネラル調味料として料理の風味を一段と引き立てます。
製法は、広大な塩田に満潮の海水を引き入れ、太陽熱と風で全乾燥させ塩として結晶化させたものです。そして、全乾燥させた塩を6ヶ月かけて多すぎるマグネシウムを潮解させて人体組成に近づけて熟成し、低温で焼き塩にした風味の良い食塩となっています。食塩として最も重要なことは人体組成に近いミネラルバランスをもっていることに他なりません。一般には、塩化ナトリウムの純度の高い塩が主流に販売されていますが、これは塩としての本来の機能を損なったものに他なりません。これでは人体のミネラルバランスを崩す最大の原因となってしまいます。
玄品ふぐでは、天然天日熟成ミネラルバランス塩を、ポンズ、雑炊用醤油、もみじおろし、漬物、から揚げ、漬けだれ、まぶし粉等々すべての味付けに使用しております。一つ一つの料理にミネラルバランスを量り、現代社会に不足しているミネラルを補える料理を提供させていただいております。

 お会計は、息子が支払ってくれるとのこと。相当な金額となったのであるが、感謝の気持ちから支払いたいと言ってくれた。息子に感謝、感謝である。最高に美味しいふぐ料理を満喫したのであった!!


う~ん、イマイチの「フードコレクション佐賀特集」

2012年06月22日 13時29分35秒 | Weblog

 今日は、信濃町に用事があり、会社から休みを取得。まずは、9:00までに行って用事を片付けねばならない。というわけで、集中豪雨のような雨の中を北赤羽駅まで自転車で向かう。7:10の時間を時計が刻んでいた。埼京線で新宿経由で行けば、40分程度で信濃町に到着するので、この時間では早い。と言う事で、駅前の「マクドナルド」で朝マックを決意。すかさず、ソーセージマフィンの朝セット(ハッシュドポテト、コーヒーがセット)を注文。ソーセージマフィンは、いつ食べても絶妙な塩加減で美味しい。マックの商品の中で、このソーセージマフィンが一番好きである。なぜ、昼間でもこのメニューを注文できるようにならないのだろうかと、ほんとに怒りがこみ上げてくる(ソーセージマフィンは、朝限定の商品なのである)。
 朝マックに満足して、マクドナルド店を出る。すると、駅前に大勢の群衆。この寂れた駅に、これほど多くの人がいるとは、驚きである。何か催し物かTV取材でも来ているのかと思ったが、まもなく人混みの理由がわかった。駅のアナウンスで、「先ほど7:20に、当駅で人身事故が発生しました。埼京線は上下線で運転を見合わせています。再開見込みは、8:40頃の予定です」。そんな中、救急車に消防車・レスキュー隊まで駆けつける騒ぎとなった。高架のホームまで沈痛な面持ちで関係者が向かっていく。「なに~!!」と私は驚いた、と同時にやばいと思った。このまま待っていても、8:40までには電車は運転再開とならないので、完全に遅刻である。「まいったなあ~!!」との思い。しかも、大雨の状況は変わらない。しょうがないので、隣の赤羽駅まで自転車を走らせ、湘南新宿ラインで新宿に行こうと決意(朝マックなどせずに、すんなり電車に乗っていれば、こんな状況に巻き込まれなかったものを・・・、と深く反省)。自転車を漕ぐも、雨でズボンや靴がびしょびしょになってしまった。ようやく、赤羽駅に到着。自転車を置き、駅のホームに上がると、これまたすごい人混み。埼京線が不通のため、駅のホームは人が溢れかえっていた。こんな状況では、駅ホームから乗客が転落し、次の大惨事になりかねない状況である。人をかき分けて、湘南新宿ライン乗り場に移動。この湘南新宿ラインの電車は、通常通りに動いていた。やっとこさ、その電車に乗り、目的地に8:45に到着。本当に良かった。
 しかし、北赤羽駅での人身事故は、どうせまた自殺者の影響だろうが、本当に頭にくる。死ぬ時ぐらい、人に迷惑をかけるな!と強く思った。先般、死刑になりたくて通り魔的に人を殺傷した阿呆がいたが、本当に死にたいなら、人に迷惑をかけずにやれと、本当に思うのである。自分の最後の時ぐらい、綺麗な死に方をすべきだと思う。自分の人生を大切にできない奴は、他人が生きていることに尊敬もできないのであろう。本当に身勝手な野郎が多過ぎると感じるのである。

【記事】

<埼京線>男性自殺か 50分止まり、5万人余に影響

毎日新聞 6月22日(金)10時19分配信

 22日午前7時20分ごろ、JR埼京線北赤羽駅(東京都北区赤羽北)で、男性が下り快速電車(10両)にはねられ、死亡した。男性はホームから飛び降りたとみられ、警視庁赤羽署が自殺を図ったとみて調べている。この事故で同線は大宮-大崎駅間が約50分にわたり運転をストップ。4本が運休、11本が最大48分遅れ、約5万5000人に影響した。【平林由梨】

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 自分の用事が終了後、会社の友人から強く依頼されていた場所に向かった。伊勢丹新宿本館で開催されている「フードコレクション佐賀特集」である。佐賀にそんなに名物はないのに、なんでまた一流のデパートで、佐賀特集をやるのかと疑問を持ちながらも、やむなく足をむけた。伊勢丹新宿本館に到着。この新宿三丁目の界隈でも、伊勢丹の外装は荘厳な石造りであり、重厚な感じを受ける。催事ものなので、7階と思いきや、佐賀の催しらしいものは見当たらない。しょうがなく、案内の女性に確認する。「佐賀の物産展ですか?そんな物産はありましたかね。少々お待ちください」とのこと。デパートの案内係さえも知らない、そんな催しなのかと、かなり不安になってきた。この伊勢丹ではなく、伊勢丹の隣の小さな商店で行なっているのでは?と不安が極地に達した。「失礼いたしました。B1Fの食品コーナーで開催しております」との案内。「えー!食品販売のB1Fでやってるの~!!」とかなり私は驚いてしまった。物産展ではなく、単なるコーナーでの物売りだったのか!!
        
 B1Fにやって来た。惣菜や和菓子の販売店の一角に、「フードコレクション佐賀特集」の看板があった。でも、よく見ていないと見落としそうな、そんな規模のコーナーなのである。鶏めしの「名尾庵」、佐賀牛弁当の「畠山精肉店」、ありたどりの唐揚げの「から揚げドンドン」、いかしゅうまいの「萬坊」、白玉饅頭の「元祖吉野家」、ロールケーキの「みのり農場」、うれしの茶の「相川製茶舗」、そして、友人のお勧めの丸坊露の「北島」他が出店していた。北島の店には、丸坊露のほかに、よく買ってきてくれる「花ぼうろ」も売っていた。この佐賀のコーナーが多くの人集という状況では無かったが、他で買うついでに立ち寄っている感じの客が多い。まあ、シャビーな雰囲気だろうという不安は、この人で多少解消された。佐賀に貢献しようと、試食で角煮が美味しかった畠山精肉店で、佐賀牛弁当3種(合計5,800円)を購入し帰途についた。
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(追記)
 家に帰って、弁当を広げる。3種の佐賀牛肉弁当の中で、一番カロリーが低そうなローストビーフの和風弁当を開ける。その他の弁当(ステーキ弁当、角煮弁当)は、家族用に残して、その和風弁当を食べてみた。ローストビーフもタレをかけると、実にふくよかな味である。「うまい!!」。そして、ご飯の上に鎮座している焼肉も、実にジューシー。ご飯との相性も抜群である。神戸牛や松坂牛は、堪能してきたが、佐賀牛がこれほどのものとは思ってもみなかった。実に味わい深い牛肉である。この佐賀牛は、香味牛と呼ばれ、独特の飼育方法で育てられた牛だと分かった。手間ひまかけた牛だからこそ、これほどの味になるのだと、感動した。夕刻、家内や娘も、残りの佐賀牛弁当を食べたのであるが、実に美味しいと感動していた。美味しい牛肉をありがとう!佐賀牛、万歳!!

 


B級グルメ道116 たこ焼きで乾杯「銀だこハイボール」

2012年06月21日 22時43分14秒 | Weblog

 「築地銀だこ」が、新しいチェーン店の展開をしている。本業である゜たこ焼き゜をつまみに、ハイボールを提供する立ち飲み屋形式の店、その名も「銀だこハイボール店」。この店が、日本橋にもできたのである。築地のたこ焼きなので、本場大阪のたこ焼きとは少々異なる。大阪のたこ焼きは、表面も柔らかい焼き加減で仕上げるが、築地・銀だこは、カリカリの揚げ物のように外身が固く、中が熱々のジューシーなたこ焼きなのである。「たこ焼きで、酒が飲めるか!!」という御仁には適さないが、ハイボールを主にたこ焼きをつまみで食べる、ちょっと変わった酒場なのである。たこ焼きの種類も豊富であり、また、タコをベースにしたつまみもある。鶏の唐揚げや枝豆等も用意されているし、焼きそばもある。種々のたこ焼きでハイボールを飲むのは、中々うまいようで、飲みがどんどん進んでしまうようだ。(私の場合は、ウーロン茶なので、まあまあたこ焼きにマッチしている)
    【梅おろし】1舟8個 600円  アレルギー情報:小麦…○、乳…○、蕎麦…-、落花生…-、卵…○、えび…○、かに…- 
 今日は、大阪出身の女性と生まれは佐賀の女性を囲み、彼女たちが非常に食べたがったたこ焼きをつまみに、という飲み会をサーファーさんが設定してくれた。この店は、スタンディング・テーブルとチェリー樽を立てたテーブルしかなく、ちょっとアメリカンなスタンド・バーなのである。たこ焼きの種類も多い。「さっぱり梅おろしのたこ焼き」「チーズ明太子たこ焼き」「ねぎとろろたこ焼き」「さっぱり天つゆのねぎたこ焼き」・・・・。色んな味があり、なかなかうまい。枝豆を合間に食べ、ハイボールを呑み、きゅうりの漬物味噌和え、タコのカルパッチョをつまむ。実に「うまい」。粋である。
 店内は、立ち飲みという形式なのにたくさんのお客さんで超満員。女性同士で来ている人もいる。立ち飲みなので、お客の回転も早い。実に面白い形態の、立ち飲み屋なのである。
     【梅おろし】1舟8個 600円  アレルギー情報:小麦…○、乳…○、蕎麦…-、落花生…-、卵…○、えび…○、かに…-


輝く出版社!「幻冬舎」

2012年06月18日 22時12分42秒 | Weblog

 「幻冬舎」という名前を聞いて、出版社とすぐにわかる人は中々の通である。この会社の出版本は、ベストセラー(100万部)の本が多い。以前はあまり聞かなかった「幻冬舎」という出版社であるが、このところ本屋に行くと、やたらと面白そうな本が目に着くが、この出版社が同社なのである。
 本日のTV番組「人生が変わる1分間の深イイ話」で、この幻冬舎の見城徹社長が出演し、深イイ話を披露した。全員一致の深イイ話と評価されたのである。
 この「幻冬舎」は、見城社長が起こした出版社。見城は、もともとは角川書店に在籍し本の編集業に携わっていたが、角川春樹社長のコカイン密輸事件当時退社し、自らこの出版社を数人で起業した。この時に、作家の五木寛之がかなり支援したということである。「幻冬舎」という社名も、五木がいくつか候補を上げた中の一つだったと言う。
 「幻冬舎」は、実にミリオンセラー本を多く輩出している。18年間で15ものミリオンセラー本を手がけている。10年に1冊出せば良いという出版業界の中で、これほど多くのミリオンセラー本の出版をしているのは、この会社ぐらいである。実に、1年に1冊のミリオン本を出しているような勘定になるのである。

以下が当社の手がけたミリオンセラー本である。

  • 『13歳のハローワーク』(村上龍)
  • 『ニート』(玄田有史・曲沼美恵)
  • 『ダディ』(郷ひろみ)
  • 『大河の一滴』(五木寛之)
  • 『弟』(石原慎太郎)
  • 『ふたり』(唐沢寿明)
  • 『キッパリ!』(上大岡トメ)
  • 『永遠の仔』(天童荒太)
  • 『新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論シリーズ』(小林よしのり)
  • 『解夏』(さだまさし)
  • 『1リットルの涙』(木藤亜也)
  • 『Rozen Maiden』(PEACH-PIT)※幻冬舎コミックスより出版
  • 『陰日向に咲く』(劇団ひとり)

 これらの作品を見ると、映画化されたものも多い。
私がこの出版社を注目したのは、文庫本からである。以前にも本ブログに掲載したが、ジョージ秋山の作品で、週刊雑誌に連載中にも拘らず、廃版になったものがある。あまりにも、世相に悪影響を与えるということだったようであるが、その作品が、子供が人肉を食うという「アシュラ」という作品と、銭のために歪んだ生き方をする主人公を描いた「銭ゲバ」である。この2作品は、非常に衝撃を受けたが、私的には実に内容のある作品だったと思っていた。その廃版となった作品を、文庫本として出版したのが、この「幻冬舎」なのである。実に着眼点が良いと感じたのである。
 「幻冬舎」では、サッカー日本代表キャプテン・長谷部誠選手の著書「心を整える」という本も出版している。これまたミリオンセラーの本になったのである。これだけ多くのミリオンセラーを出せる出版社は、やはり着眼点が違うのである。
           銭ゲバ 上 (幻冬舎文庫 し 20-4)

 

 


父の日?!

2012年06月17日 23時06分16秒 | Weblog

 今日は全国的に「父の日」なのである。父親に感謝の気持ちを表そうということなのである。私自身の父は、既に他界してしまっているので、実際に何かをすることは出来ないが、家内の父には、家内からお礼と感謝のメールを送ったそうである。
 自分自身については、息子からは「父の日のメール」が届いた。娘は、食事会に連れてってくれるということで、夕刻まで娘が会社から帰ってくるのを待って、出かけた。料理はなんでもよかったのであるが、家内が大変希望した「餃子の王将」へ行くことにした。家内の誕生日月のクーポン券と餃子3人前のタダ券があるので、このような時でないと使えないということなのである。赤羽や浮間の「王将」は、何度と無く行ったが、「川口アリオ」というショッピングセンター内に最近できた「王将」には入ったことがないため、車で川口アリオまで出かけることにした。まあ、夕刻のちょっとしたドライブでもある。今日は、午前中は雨が降ったりしていたが、午後からは晴れて急に暑くなった。でも、夕刻になると本当に涼しくなる。もうすぐ7月だというのに、この気候は何か変である。異常気象によって、日本の四季も変貌してきているのだろうか?

             


 川口アリオ内の王将に着くと、もう20時をすぎているのに、行列が出来ている。さすが、「王将」はどの店も超人気なのである。すんなり食事時間に入れたためしがない。「王将」の経営哲学も素晴らしいし、何といっても「餃子」がうまい。しかも、安い。これでは、多くの人が、並んでしまうのも当たり前なのであろう。並んでいる家族は、どこもお父さんがいる。そうなのである。今日は「父の日」なので、おいしい餃子にビールを加えて、お父さんに感謝を表そうという趣向なのである。どの家族も、なんとも楽しそうである。おいしい店には、笑顔の人が集まるということか。

             


  やっと、順番がやってきて入店できた。もう、20:30を超えてしまっている。ここは、21:30ラストオーダーで、22:00閉店ということなので、ジャスト1時間。まあ、食べるだけなら、それほど時間はかからないだろうと、矢継ぎ早に注文開始。餃子3人前、キムチスープチャーハン、春巻き、ソース焼きそば(カレー風味)、酢豚。これだけの注文品でも、相当にお腹がいっぱいになる。チャーハンは少し辛かったが、餃子は美味。ここの餃子は、本当に美味しい。酢豚もケチャップの多さが気になるが、まあ良い味ではある。ソース焼きそばは、カレーの香りと味がして、ちょっと変わった感じの一品。結構お腹がいっぱいになった。「王将」の水は、ミネラル水なのか、非常に飲みやすい水である。この水のおかげで、料理が美味しくいただけるのも確かなのである。父の日でもあるので、いつもは注文しないデザートを、今回は注文。他の王将にはない、ソフトアイスがこの店にはある。バニラ、クッキー入りバニラ、チョコバニラの3種を注文し、それぞれ、ちょっと味見をさせてもらいながら、いただく。実に美味しいソフトアイスなのである。


幸せな会社とは??

2012年06月16日 23時57分35秒 | Weblog

 「サラリーマンにとって日本一幸せな会社」がある。それは、最近またしても注目を受けている会社である「未来工業株式会社」で、岐阜県にある会社である。この会社は、実にユニークな会社なので、多くのマスコミにも取り上げられているので、会社名、社長名、ユニークな経営について聞いたことがあると思う。
 電気設備、給排水設備の販売を行なっている会社で、売上219億円(平成23年3月期)、従業員780名の規模の中堅企業。ここの山田昭男社長の経営方針が、他の企業が真似のできない内容なのである。営業のノルマ、残業は一切禁止、定年は70歳、年間の休暇は有給休暇を除いても140日。しかも全員が正社員…。人呼んで、日本一「社員」が幸せな会社!なのである。

 山田社長との一問一答は次の通り。

--メディアでも話題になった、社員旅行でクイズ50問に正解すると「半年間の有給休暇」というのには驚きました

 山田 ウチは毎年、全員参加の社員旅行をやっており5年に1度は海外へ行く。昨年はエジプトに行く予定で、旅行委員の社員が考えたのが「クイズで有給休暇」の企画だった。ウチはもともと有給休暇を使えば半年休めるから、正解すれば「丸々1年間休める」と話題になったわけだよ。結局、エジプトの政情不安で旅行自体が中止になったので、費用1億円は東日本大震災の被災地に寄付させてもらいました。

 --65歳の平社員の平均年収が約700万円とか、育児休暇3年(何度でも)とか、気前がいいですね

 山田 社長の仕事というのはね、社員を幸せにして、「この会社のためにがんばろう」と思ってもらえるような『餅(インセンティブ)』を与えること。社員がヤル気を出して会社が儲(もう)かれば、分け前をまた『餅』にする。それだけだよ。バブル崩壊後、多くの会社が、正社員を派遣社員やアルバイトに切り替えてコストを下げようとしたでしょ。だけど、それで会社が儲かるようになったのか、って聞きたいですよ。人間(社員)を「コスト扱い」するな、ってね。

 --ノルマや上司への「ホウレンソウ(報告、連絡、相談)」も禁止。支社や営業所も社員が勝手に作ったとか

 山田 現場のことは、現場の社員が一番よく知っているからね。支社や営業所も「必要だ」と思ったから作ったんでしょ。私は名刺を作る度に(裏に書かれた支社・営業所を見て)「また増えとるなぁ」と思うぐらい(笑い)。社長なんてバカだと自覚しなきゃいけないんだよ。陣頭指揮などもってのほか。どう『餅』を与えるか、っていう大きな「戦略」を考えるだけでいい。「戦術」は社員に任せるのがいいんです。

 --社員に任せすぎて失敗したことは

 山田 「報告は禁止」だから知りませんねぇ(苦笑)。でもね、休日が多く、労働時間も短い、上司への報告も禁止…となると、人間はむしろ、いいかげんなことができない。その中で成果を上げようと必死で工夫してがんばるもんですよ。これは日本人だからできること。儒教精神が残っているし、農耕民族だからね。狩猟民族は獲物がなければヨソへ行くけど、農耕民族は苦しくても、土地にしがみついてがんばるしかない。『餅』を貰(もら)った以上、そこ(会社)で懸命に働こうと思うんだよ。

 --儲けるにはヨソと違うことをやれ、差別化を図れ、とも

 山田 差別化を図るには、常に考える習慣をつけること。新製品や仕事の効率化について考え続けることが大事なんだ。そのためにウチには「改善提案制度」がある。これはどんな提案でも、封を切る前に中身を見ないで500円支給。いい提案なら最高3万円。これも『餅』になります。

 --講演やセミナーに引っ張りだこだそうですね

 山田 ウチの会社の話をすると、たいていの経営者が「山田さんだからできるんです」とか、「怖くてできません」という。つまり、やりもしないで尻込みしているんだ。儲かっているならいいよ。でも日本の会社の97%が経常利益を4千万円も上げられない時代。“儲かってもいない会社”がヨソと同じことをしててどうするの?ということ。差別化すれば、中小企業だって大企業に勝てるんだよ。
            山田 昭男
【プロフィル】山田昭男(やまだ・あきお) 昭和6年、中国・上海生まれ。80歳。旧制大垣中卒。演劇に熱中し、劇団「未来座」を主宰。40年、劇団仲間と建築電気業の「未来工業」(本社・岐阜県大垣市)を創設、社長に就任した(現在は取締役相談役)。同社は平成3年、名証2部上場。現在の社員約800人、売上高200億円超。創業以来、赤字なし。平成元年、黄綬褒章受章。新著に『日本一社員がしあわせな会社のヘンな“きまり”』(ぱる出版)。