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懐かしく楽しい「幕末てなもんや大騒動」

2013年10月14日 01時29分58秒 | Weblog

 「てなもんや三度笠」という番組をご存じだろうか?藤田まこと、白木みのるが主演した演劇ドラマである。もう40年以上昔の作品なので、当時はVTRのような物はなく、完全生中継だったのである。要するに、生演劇をTVスタジオでおこなうようなもの。若干の観衆はいたものの、舞台演劇とは異なっていたが、かなりそれに近いものであった。「あんかけの時次郎」という旅する渡世人役に藤田まこと、知性のある坊主・珍念役に白木みのるが扮する。これが、当時かなりの人気を博した。この作品が出世作となり、藤田まことは役者として人気を得て、「必殺!仕置人」シリーズや「はぐれ刑事純情派」で超有名な役者となっていくのである。この「てなもんや三度笠」を映画化したものが「幕末てなもんや大騒動」(講談社DVD「昭和の爆笑喜劇」)である。
 これは、東宝“てなもんや”シリーズの第2作。前作は「清水次郎長伝」を下敷きとした物語だったが、本作は幕末の京都を舞台に、藤田まこと扮する“あんかけの時次郎”と白木みのる扮する“珍念”のコンビが勤皇の志士VS新撰組の抗争に巻き込まれ、大騒動を繰り広げる。テレビシリーズのレギュラーで「非っ常にきびしぃ〜!」の流行語を生んだ財津一郎が、ニセ坂本竜馬役で登場。同じくニセ西郷隆盛役に谷啓、近藤勇役に芦屋雁之助、新撰組にザ・ドリフターズと賑やかなキャストも見どころ。女優陣は野川由美子、伊東ゆかり、磯村みどり。さらに伴淳三郎、人見明、鳳啓介、京唄子と渡辺プロダクションの人気スターを中心に豪華な面々が揃う。監督は前作の松林宗恵から、『ニッポン無責任時代』(1962)の古澤憲吾にバトンタッチ。古澤のトレードマークである「飛んでくるタイトル」「軍艦マーチ」「奇抜なキャメラワーク」に加え、“クレージー”作品で見せたセミミュージカル手法も取り入れ、豪快な作品に仕上げている。脚本は“社長”シリーズの名手・笠原良三と、テレビシリーズの演出家・沢田隆治の共作。製作は渡邊晋が務める。加山雄三主演の青春映画『続 何処へ』と2本立てで、昭和42(1967)年3月の春休みシーズンに封切られ好成績を上げた。

【物語】 江戸時代末期、大阪では勤王党が大評判となっていた。しがないヤクザ・あんかけの時次郎(藤田)は勤王党の本場である京都で一旗揚げようと、珍念(白石)を誘って京都へ向かった。珍念の用事で立ち寄った証城寺には偶然、勤王の花形スター坂本竜馬(財津)が間借りしていて、時次郎は無理矢理門弟となった。しかし竜馬は偽物で、門弟料を奪って姿を消してしまった。その竜馬に桂小五郎の密書を届けるため、久坂(久保)とおゆき(磯村)が訪ねてきた。聞けば竜馬が西郷吉之助(谷)と尾張で会う前に密書を渡さなければならないという。急病に倒れた久坂の代わりに、時次郎と珍念は代役を引き受け尾張へ。だが早速、くだらないことで揉め、別行動をとることになった。時次郎は新撰組の女スパイ駒菊(野川)の色仕掛けに惑わされ密書を奪われるが、それは珍念の手で偽物にすり替えられていた。一方、珍念は大前田(伴)という金持ちの侠客と知り合う。結局仲直りしたふたりは尾張に渡る舟のなかで竜馬に再会。あとは西郷を探すだけというところへ、大前田の子分・源助(人見)が犬を連れた西郷らしい人物を見つけたと知らせてきた。だがこの男、実は谷井啓之助(谷)で、大前田の政治資金に目をつけ西郷になりすましていたのだった。世紀の巨頭会談が始まろうとする寸前、あとを追ってきたおゆきたちの機転で、西郷と先の竜馬がニセモノとわかり、追いつ追われつの大捕物が始まった。同じ宿では本物の西郷(谷2役)と竜馬(財津2役)が会談を開いている。ニセモノのふたりは、会談の噂を聞き付けて尾張に駆け付けた近藤勇(芦屋)と新撰組の志士たち(ザ・ドリフターズ)に捕まった。図らずも時次郎と珍念は、日本の夜明けの蔭の立役者となったのだ。

【主な挿入歌】「すっとんとろりこ何故か馬があう〜てなもんや数え唄」作詞・香川登志緒 作曲・野口源次郎 唄・藤田まこと・白木みのる  「小さな恋」作詞・水島哲 作曲・平尾昌晃 唄・伊東ゆかり  「人生劇場」

出演者
 
藤田まこと、白木みのる、野川由美子、磯村みどり、伊東ゆかり、芦屋雁之助、南利明、財津一郎、人見明、久保明、いかりや長介、高木ブー、荒井注、仲本工事、加藤茶、ザ・ドリフターズ、左卜全、鳳啓助、京唄子、平参平、千原しのぶ、花岡菊子、横山アウト、岡八郎、早崎文司、河上一夫、山本稔、原哲男、梅香ふみ子、加賀元女、双葉京子、清原三千代、竹野マリ、牧野児郎、尾小山安治、大中英二、伴淳三郎、谷啓


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