たこさんの秋吉台日記

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9月4日 ヒカゲイノコズチ・ヒナタイノコズチ

2006年09月04日 | Weblog

植物写真家の永田芳男さんが、今年5月以来秋吉台に再び来られました。
今回は、シンジュガヤの真珠を撮影されるのが主な目的でした。
秋吉台では普通なシンジュガヤは、全国的には簡単に見られないのですね。
目的地に向かいながら、「イノコズチが区別できません」と、お願いしました。

「簡単ですよ。ヒカゲの茎は緑色で花穂が長く、花がまばら。
ヒナタの茎は赤くて、毛が多く、花穂の花が詰まっています」
「両方が生えている場所では交雑しているのも多いのですが、見ていけば、
『ヒナタに近い』『ヒカゲに近い』『ちょうど中間』と、分かりますよ」。

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ヒカゲイノコズチ〈日陰猪子槌/別名イノコズチ〉(ヒユ科 イノコズチ属)
                                    花期は7~9月。
木陰、竹やぶなどに多い多年草で、少し毛がある。茎は高さ50~100cm、
節が高く、枝はまばらで広がる。
葉は対生し、長楕円形で薄く、先はとがる。枝先に細い花穂を出し、
緑色の小さな花をややまばらにつける。花軸には多少毛がある。

【ヒカゲイノコズチ①】

06年9月2日 撮影
日当たりのよい場所に生えていますが、ヒカゲイノコズチ。
【①の花穂】

06年9月2日 撮影
「ヒカゲイノコズチの花穂は長さ10~20cm、伸長する」
【これもヒカゲイノコズチ】

06年9月4日 撮影
花穂が短いので一見ヒナタイノコズチと思いましたが、
葉が薄く、細く先がとがり、花軸に毛が少ない、花がまばらな点から、
小ぶりの花穂のヒカゲイノコズチと判断しました。

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ヒナタイノコズチ〈日向猪子槌〉(ヒユ科 イノコズチ属) 花期は7~9月。
日当たりのよい道ばたや荒れ地に生える多年草。
イノコズチに似ているが、
全体に毛が多く、葉は厚くて先が短くとがる。
特に若葉は毛が多く、白っぽく見える。
花序は花が密につき、イノコズチより太い。
【ヒナタイノコズチ②】

06年9月4日 撮影
【②の茎】


06年9月4日 撮影
茎は赤色で、毛があります。
【②の花穂】


06年9月4日 撮影
花が混み合ってついています。
【これもヒナタイノコズチ③】


06年9月4日 撮影
花穂が長いのでヒカゲイノコズチかと思いましたが・・・。
【③を拡大すると】

06年9月4日 撮影
密についた花が咲き進んで、花穂が長くなっただけでした。
【昨年、ヒカゲイノコズチとして撮ったもの④】


05年8月23日 撮影
花がまばらについているのですが・・・
【④を拡大してみると】


05年8月23日 撮影
茎が赤い、葉が厚い。花はまばらなようですが・・・。
【上の画像を拡大しました】

05年8月23日 撮影
花軸がこんなに毛むくじゃらですから、これはヒナタイノコズチでした。

* * * * *
ヒカゲイノコズチとヒナタイノコズチ。
ずっと見てきて、両者がつながるので区別の仕方が分かりませんでした。
今日、永田芳男さんに教えていただいて観察した結果、
秋吉台では日向・日陰に棲み分けせず、一緒に生えていることが多いので、
様々な姿の雑種ができていることが分かりました。


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