生活之音楽ピース社

~そしてピアノとすこし猫~

容赦なくエンタメ度の高い、見事な技。

2009年04月12日 | 音楽
今日は楽しすぎるコンサートに行きました。

黒田亜樹×榊原大 2009春・始動(2台ピアノ)(To-on Salon Concert @ 東音ホール)

黒田さんといえば、現代音楽バリバリのピアニスト、そして榊原さんといえばあのGクレフの元メンバー。お二人は芸大の1学年違いだそうだが、こうしてデュオを演奏されるのは今回は初めての試みなのだとか。

それぞれのオリジナル曲や、ライヒの「ピアノ・メディア」、ザッパの「インカローズ」、グルダやピアソラなどなど、曲も演奏も文句なくカッコよかった。カッコよすぎた。ノリノリの演奏姿は、音楽は身体芸術なのだと感じさせるもの。聴いているこちらも、およそじっとしていられない。

実はわたし、高校時代Gクレフのファンクラブの会員であった。田舎の高校生はお金ないし、せいぜいCD買ってビデオ買って、友人と盛り上がる程度だったけど、随分興奮したものでした。

今日はその興奮再び。60名程度のホールで、こんなに間近で演奏を聴ける日が来るとは、努々思っておりませんでしたよ。。。

黒田さんと榊原さん。同じ世代で同じ空気の中を過ごされたからか、音のクオリティーというか、ノリというかがピッタリで、今回が「実験的な」デュオとは思えないほどの息の合いようでした。

それにしても、小さなホールで2台ピアノという状況、その環境に応じたお二人の音のコントロール力がすごかった・・・。アタックが強く鋭さがあり、「めいっぱい鳴らしてます」的な音色でも、これがまったく、うるさくない。「大きい音の音色」をそれほど大きくない音で出せる人たちっていうのかしら。こういうことって起こりうるんだなぁ!という感じ。それから、グリッサンドは不思議な魔力と勢いを伴った奏法なんだということが、これほどよくわかった演奏はなかったです。

激しい演奏は、まさに本気のエンタメ(黒田さん流血してた!・・・でも現代ものを弾かれる方には割とあることみたいです)。今回は東音企画さんの意欲的な「パトロネージュコンサート」ということで「入場料はお客様ご自身でお決め下さい」というもの。これまたすごい。私もお財布と相談しながら、がんばってみましたっw

こういうド迫力なものを見せられますと、ぬるい演奏会には行きたくないな~と思ってしまうのであります。何度こうしたものに触れられるか。聴衆としてのアンテナを立てていきたいものです。

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