生活之音楽ピース社

~そしてピアノとすこし猫~

松浦弥太郎さんと小林恵さんトーク@ 「アメリカン・フックド・ラグと暮しの手帖」展

2012年12月10日 | Weblog
本日は暮らしの手帖編集長・松浦弥太郎さんと、アメリカのフォークアートを日本に紹介し続けてこられた小林恵さんとのお話会@かぐれ表参道に行って来ました。

日本人がようやく自由に渡米できるようになった60年代、単身降り立ったNYに定住を決意し、帽子を手作りするところから事業を起こした小林さん、好景気に沸く80年代の日本を10代で飛び出し「ポケットからコインが一つも出てこない」日々をしのぎつつ、マンハッタンに書店を構えた松浦さん。お二人のお話は、それはもう静かな迫力と湛えており、心の琴線に触れまくりでございました。

懸命に、生きることを頑張る人たちに、サポートの手が何本も何本も伸びる。それが、開拓し国づくりを推し進めたアメリカの人々に息づく精神とのことだ。小林さんも松浦さんも、まわり人々に対して「即答」し、「照れずに動いた」結果、多くのアメリカ人たちに、奇跡のような絶妙なタイミングで助けられながら、生き抜いた。

展示されている手作りのアメリカン・フックド・ラグに囲まれながら、「生活とは失敗の連続で、失敗を繰り返してきた人たちが一番認めれられる」、「誰に見せるのでもなく、自分の生活の中で長く使うものに宿る美しさ」などと語った松浦さんの静かな語り口が印象的だった。

それにしても、「アメリカン・フックド・ラグと暮らしの手帖展」トークイベントってことだったのに、フックド・ラグってなんぞやとか、作り方のコツとかいったお話は、基本ほとんどなかったのが凄い。面白すぎる。
人が幸せに生きること。アート、文化、伝統のこと。直球で、そういう話を聴けた。

ところで小林さんは、40歳の誕生記念に、何を思ったかハープシコードのキットを買ったのだとか。ベッドほどの大きな箱に入った材料と格闘し、半年で一台のハープシコードを完成させたお話も興味深い。

・・・む。私も。つくりたい。クラヴィコードが欲しい。だから、作る。このシンプルな発想でいいのかもしれない?!?!

最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
小林恵のNY通信 (小林恵)
2012-12-18 13:56:30
飯田有沙さま
コメントうれしかったです。松浦さんのような経験で世の中で独立する方はアメリカにはたくさんいます。日本はいまだに出身校や両親の地位などが気にする国ですよね。何をしたかでなく今何をしているかがとても大事ですよね。松浦さんは爽快ですね。若者はみなそうであってほしいです。私たちの暮らしの手帖でありますように。
小林恵さま (飯田)
2012-12-19 18:11:16
じきじきにコメントをいただきまして、ありがとうございます!!
お話会で、小林さんが語って下さった数々の経験談(摩天楼を見てお店を持とうと決意したこと、靴下からお金を出す雇い主を離れ、すぐに動いた行動力、大切な場面で涙は通用しないということ・・・・・・などなど)、形やスケールは違っても、かならず私たちが生きて行く中で振り返りたくなるヒントがたくさん詰まっておりました。
すでに、さっそく私の中で実践していることもございます!
素晴らしいお話を、本当にありがとうございました。
keikobayashiny@gmail.com (小林恵)
2012-12-23 22:34:30
クラブシコードのキットは素敵な小さなキットを買える会社がボストンにあります。昔はNYCの6番街のプリンスストリートに支店がありましたが今はボストンのみです。クラッシックスタイルで、すごく素敵ですよ。自分で作ったハープシコードでトリオやデュエットを楽しんだNY暮らしは夢のようですが、NYにはレベルの高い音楽の才能がある人がたくさんいて、自分の才能のなさに絶望してやめました。
小林恵さま (飯田)
2012-12-23 23:15:30
ありがとうございます!
ボストンのって、こちらのお店でしょうか・・・
http://www.clavichords.com/clavichord_kits.htm
ここに写っている写真を見てるだけでもゾクゾクしてきます(笑)
調律の勉強にまで、広がってしまいそうですね、確実に!
演奏は私もごくごく趣味程度なのですが、
仕事に追われると夜中にピアノを鳴らすわけにも行かず・・・
きっとクラヴィコードなら、静かな音で寝る前にちょっとバッハとか。妄想してしまいます。
NYで室内楽ですか。日本ではなかなか「ちょっと仲間と」なんて行かないでしょうから、
とても羨ましいかぎりです。
おつくりになった楽器が、今は存在しないのが切ないです。。。。
小林さま (飯田)
2012-12-23 23:25:42
あ、上記のお店はボストンではありませんね。。。失礼しました。
ところで、私がすでに「実践」してることって、
最後に小林さんが語って下さったことです。
「訓練しないと、涙は出てきてしまう」というお話です。
最近、悔しくて泣きそうになってしまったことがあったのですが、
あの時の小林さんのお話を思いだし、
ふっっと頭の熱を冷ますようにしてみたら、落ち着いて、泣きそうな感情も
引っ込んでいきました!
なんだかすがすがしい気持ちになりました。

コメントを投稿