あいおい損保の罠と嘘

あいおい損保の事故対応の実例と
司法制度のごまかしぶりを細かく見ていきます。

事件の過程と詳細(5)

2012-04-08 14:06:35 | Weblog
 私は「この事故はあなたがぶつかって来たので10:0です」ということを自分で説明しなければならなかった。当然、Hはそれで納得するような人間ではない。何しろ、自分からぶつかっておきながら、相手を脅迫するような人間なのだから。保険会社の者は誰も取り合わず、何もしてくれない。こっちは堪ったものではない。示談交渉付きの総合保険でありながら、なぜ自分で交渉しなければならないのか。なぜ保険に入っているのに、自分でこんなことを説明し、自分の知恵で対処しなければなければならないのか。自分自身の力でHから身を守ることを考え、さらに保険会社の嘘も見抜かなければならず、苦痛は2倍である。保険会社の者はみんな逃げてしまい、保険会社の嫌がる人間を自分が相手にしなければならないことを思うと、悔しくて腹立たしくて堪らなかった。保険会社のしたことと言えば、たらい回しにすることで却ってHを刺激し、怒らせただけだった。
 私は早速あいおい損保の本社に苦情を言った。すると後日、代理店の責任者である田中から電話があった。田中は私から事故の状況を聞き、「Hに電話して、はっきりとあなたからお金はとれないことを説明しますから」と約束した。これまで古坂は相手が電話に出ないことを理由に何もせず、田中は10:0であることを理由に何もしなかった。やっと重い腰を上げてくれると思い、ほっとした。
 今までずっと電話してもHは出ないと言い続けていたくせに、本社に注意された時、田中はその日のうちにHと連絡をとっている。これでも1箇月以上もの間、Hが電話に出なかったと言えるのだろうか?その気になればその日のうちにHと連絡をつけることが可能だったことは、この時の一件が実証している。
 だがこれは、今までとは比較にならない、本当の地獄の始まりだった。
 翌日、Hから電話があり、父が電話をとった。私は一切合財を保険会社に任せているので、Hと直接話をするつもりはなく、「居ないと言ってくれ」と父に頼んだ。その直後、今度は田中から電話があり、再び父が電話をとった。私は「田中からだ」と聞いて電話に出ようとしたが、父は「出ない方がいい」と言った。理由を訊くと、「Hと繋がってるような感じがする」と言う。確かに、Hから電話があった直後に田中から電話がかかって来るというのは、偶然にしてはあまりに不自然だった。父が言うには、「田中という奴は、Hに言われ、お前が居るのかどうかを確かめるために電話をかけて来た雰囲気がある」と言うのだ。確かにHは時々、人にそういうことをさせる。私が保険会社の苦情係にされた時にも、Hからの電話に出ようとしない古坂に、電話をかけさせられた経験があった。
 その後、毎日Hから電話がかかって来るようになった。居ないと言ってもひつこくかけて来る。「ほんとに居ないのか!」と暴言を吐くこともあった。Hから電話があった直後に田中から電話がかかって来ることも度々あった。田中も信用できないので無視した。
 Hは私の説明である程度、裁判になった時に自分が不利な立場であることは分かっていた。保険会社の者ではなく、私と直接話をすることで、少しでも有利に話を持って行こうとしている意図は明らかだった。私の言葉尻を捕まえることで、少しでも有利な点を探そうとしていた。だから電話に出るわけには行かず、無視し続けた。電話が鳴る度に、家族の者は震え上がった。恐怖の毎日だった。とても仕事なんか手につかない。あいおい損保の本社にいくら苦情を言っても、田中から電話をさせるだけで、何にもならなかった。田中はHの味方なので、却って逆効果だった。恐らくHを弁護する説明を聞かされるだけであり、それは後々のことを考えると自分にとって不利になる可能性があるので、電話に出るわけには行かなかった。なぜなら田中という男は、電話で話した印象からすると恐ろしく狡猾な人間であり、後々訴えられた時にも言い訳できるように考えながら行動してるような節が感じられるからだった(事故があった際に、然るべき対処をせず、1箇月以上放っておいた事実も、普通保険約款にある「被保険者が対物事故に関わる損害賠償を受けた場合」という条件を逆手にとって、「相手が何も言って来ないから」という理由で言い逃れができるように、考えた上でしたことだと思われる。当面は相手が電話に出ないという理由で逃げておいて、1箇月でも2箇月でも、とにかく時間さえ経ってしまえば、後は事故係を動かさなくても、「10:0の事故だから、本人同士の問題でしょう」と言ってとぼけ、関わらずに済ますことができると田中は考えたのだろう)。
 1週間経った頃、遂に精神的苦痛に堪り兼ねた私は、Hからの電話に出た。電話に出るなり、Hの最初の一声は次の通りである。
 「保険屋の田中から聞いてるだろ!」
 「何のことですか?」
 「あいつから説明が行ってるだろ!」
 「知りません」
 Hは「おかしいな」と言うなり、田中とどういう話をしたのか説明した。
 彼によると、田中から事故状況を聞いたが、実際と違うと言うのである。どこが違うのかと訊くと、私は「Hの車はウィンカーを出してなかった」と田中に説明した筈なのに、田中は「Hの車が右のウィンカーを出していた」とHに説明したらしく、確かに私が説明した事故状況とまるで話が食い違っていることが分かった。私は「田中にそんな説明はしてない」と主張した。だが、Hは「確かに田中はこう言った」と主張した。田中は私の話など全くまともに聞いてなく、Hにでたらめな事故状況を説明したのだ。さらに、「それで不満があるなら、後は本人同士で交渉して下さい」とまで田中は言ったと言う。「何の交渉を?」と訊くと、「過失の交渉だ」とHは答えた。一体田中はHに何を言ったのだ?相手によってコロコロと言うことを変え、徹底的に責任逃れしようとする。やっと交渉をしてくれたと思ったら、前よりも一層状況を厄介なものにしてくれた。田中はHを説得したのではない。体良く私に押しつけたのだ。これなら何もしてくれない方がよっぽど良かった。Hは田中の言葉に力を得て、すっかり強気になっていた。父の直感は正しかった。やはり田中とHは繋がっていたのだ。