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小松基地問題研究会

レポート「防音事業関連維持事業補助金交付事務処理状況」について

2017年02月05日 | 小松基地爆音訴訟傍聴記
レポート「防音事業関連維持事業補助金交付事務処理状況」について

補助金交付の縮小
 昨年(2016年)10月、2013~2015年度の小松基地関係の「防音事業関連維持事業補助金交付事務処理状況」が開示された。2013年度分は127施設、2014年度分121施設、2015年度分115施設が交付対象になっている。

 2013年度には苗代保育園、錦城中、寺井保育園、山口保育園、根上南部保育園、宮竹保育園、美川幼稚園、美川保育園、大谷高校、こばと保育園、千代保育園、矢田野保育園、石川保育園が補助金を受けていたが、2015年度には受けていない。補助金交付対象が徐々に少なくなっている。
 また補助金交付総額も2013年度=7168万6000円→2014年度=6975万6000円→2015年度=6080万4000円へと年々減少している。

音響状況等報告書
 これら127施設のなかから、大聖寺実業高校、小松高校、寺井高校、苗代小学校、日末小学校、国府小学校、安宅中学校、黒崎小学校、湖北小学校、庄小学校、片山津中学校、辰口中学校、笠間中学校、川北小学校、中島小学校の15校について、上記「音響状況等報告書」「学校等音響測定結果集計表」の開示を請求した。

 今年(2017年)2月に、川北町中島小学校(2013年分)と加賀市片山津中学校(2014年分)の調査結果が開示されたが、残り13施設は「保存期間(調査年度から3年)満了につき廃棄」という理由で、開示されなかった。毎年調査をおこなっているものと考えていたが、そうではないことが分かった。

 近畿中部防衛局による「音響状況等報告書」によれば、片山津中学校での音響(騒音)調査は2014年5月7日水)から13日(火)までの平日5日間おこなわれている。90デシベル以上の騒音が5回以上、85デシベル以上の騒音が10回以上曝露された。音源はF15戦闘機で、「1級防音工事相当の音響が認められる」とされた。

 川北・中島小学校での音響(騒音)調査は2013年4月15日(月)から19日(金)までの平日5日間おこなわれている。70デシベル以上の騒音が10回以上曝露された。音源はF15戦闘機で、「4級防音工事相当の音響が認められる」とされた。

学校等音響測定結果集計表
 添付されている「学校等音響測定結果集計表」に基づいて計算され、音響(騒音)のレベルを導き出していると思われるが、よく理解できない。

 蛇足だが、小松基地月間航空交通量報告書によれば、2014年5月7日水)から13日(火)までの平日5日間の管制合計数は484回(飛行回数は約242回)、2013年4月15日(月)から19日(金)までの平日5日間の管制合計数は412回(飛行回数は約206回)であった。

これらの情報から分かること
 片山津中学校は75コンターの内側にあり、「1級防音工事相当」と判断されているが、午前中の2時限目、3時限目に騒音曝露が集中しており、注意力を散漫にさせていると推測できる。

 川北・中島小学校は75コンターの外側にあり、「4級防音工事相当」と判断されているが、騒音曝露は午前中に集中しており、小学生、とくに低学年の児童にとっては、授業への集中力・注意力の障害になっていると思われる。

 防音工事がおこなわれ、エアコンの経費が補助されているが、防音工事後の教室での騒音曝露状況については、開示請求していないので不明である。
 昨年6月、アグレッサー部隊が小松基地に配備され、離発着回数が20~30%増加しており、したがって学校、施設での騒音曝露も20~30%増加しており、再調査を必要としているのではないか。


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