進化する魂

フリートーク
AKB48が中心。
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【AKB48】 米ウォールストリートジャーナル AKB48のビジネスモデルを認める

2011-12-29 10:47:09 | AKB48
時事通信が配信したニュースを基に議論という名の批判がされていますが、WSJ(The Wall Street Journal)がAKB48の何を評価しているかについて、時事通信が適切には表現していないので、時事通信の記事を基に議論してもロクなものになりません。
(時事通信の配信の仕方が適当すぎるんだよな。)

なのでWSJの記事を要約&意訳してみます。
(個人的解釈が入っているのでWSJの記事そのままではありません。)

※といっても、WSJだから斬新な視点があるというわけでもないです。当Blogのほうが・・。

AKBは日本の「景気刺激策」=米WSJ紙が1面で紹介(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011122900008

 【ニューヨーク時事】28日付の米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、日本の人気女性アイドルグループ「AKB48」が、長引く景気低迷にあえぐ日本経済の「景気刺激策」になっていると1面で報じた。
 同紙は、AKBの直近のシングルCDが3作連続で発売初日に100万枚超えを達成したのは、米人気女性歌手レディー・ガガさんを上回る販売実績だと指摘。また、AKBが宣伝する商品がいずれも大ヒットとなっているほか、さまざまな分野のトップ企業がAKBと連携しているとして、AKBは「一つのビジネスモデル」とするテレビ業界関係者の見方を紹介した。
 さらに、同紙はAKBのプロデューサーが、海外での姉妹グループ結成や関連ショップ展開を強化している点にも言及。今年誕生した初の海外姉妹グループであるインドネシア・ジャカルタの「JKT48」に続き、台湾、タイ、ベトナム、中国でもグループが計画されているほか、米国展開の可能性もゼロではないと伝えた。(2011/12/29-01:07)


Japan Goes Gaga Over a 92-Member Girl Group (WSJ)
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203733304577101733547361496.html

sometimes-suggestive lyrics ("My school uniform is getting in the way")

って何のことかと思ったら「My school uniform is getting in the way」=メジャーデビュー2作目の『制服が邪魔をする』なんですね・・。


・最近発売した3つのシングルCDは初日にミリオン達成した。これはレディーガガを超えている。
・AKB48は、92人のティーンによる甘いポップな楽曲を提供するグループだが、甘いだけではなく時々、挑発的な内容の楽曲も手供する。
・単純に斬新なグループというだけではなく、日本の伝統的な番組であるNHK紅白歌合戦でも、重要な役割を担っている。
・最近では、一日に9つのTV番組と6つのラジオ番組、そして書店やコンビにの雑誌コーナーにはいつもAKB48がいる。
・Googleで「AKB48」を検索すると1億7500万件ヒットする。
・AKB48のコア・ファンは成人男性だが、若い女性層にも浸透している。
・AKB48ブランドはGoogleから資生堂シャンプーまでカバーしている。
・日本は長引く経済的低迷に苦労しているが、AKB48は日本経済を刺激する一つのパッケージになっている。
・下着メーカーのピーチジョーンは、若い女性向けのハートブラにAKB48を起用したが、即日完売した。
・飲料メーカーのアサヒは、サラリーマンにリーチするために缶コーヒーのワンダのプロモートにAKB48を起用したところ7%売上げUPした。
・AKB48の成功の秘訣は、ポップ・アイドルとして完成していないことにある。
・AKB48の作詞を担当し、総合プロデューサーでもある秋元康は「AKB48は完成していない」という。
・他のグループはオーディションとレッスンを終わってからデビューするが、AKB48は未教育で、ファンは成長の過程を見ることができる。
・若い男性は、女の子がかわいいから好きになる。
・成人男性の中には、彼女らを妹や娘に対するものと同じように応援したいと思ってファンになる人たちがいる。
・女の子たちは、AKB48のようになりたいと思う。
・「AKB48をフォローすることは、好きな野球チームを応援するのに似ている」と秋元康は言う。
・秋元康は今、AKB48の成功を他の地方都市でも広げているが、海外にも目を向けている。
・アジア諸国で立ち上げる計画を練っている。
・既にジャカルタにJKT48が、台北にTPE48も準備中、タイ、ベトナム、中国でも計画中だ。
・AKB48カフェ&ショップはシンガポール、香港、上海で展開済みだ。
・秋元康は、アメリカを除外していない。

・秋元はアーティストを開発しているのではなく、ビジネスモデルを開発しているのだと、MTVジャパンの副社長アラン氏は言う。
(ここ重要)
・重要な要素は、ファンがAKB48へアクセスできて参加できることだ。
・CDの販売と、メンバーに直接会える握手会の抽選券が組み合わせられていたり、選抜総選挙の投票権が付与されていたりする。
・多くのAKB48オタは好きなメンバーのためにも、そのメンバーに会うためにも数十、数百の同じCDを買う。
・最近のAKB48のコンサートに来ていた21歳の工場作業員の山田さんにインタビューしてみた。
・彼は推しメンである河西智美への想いを精巧に刺繍した黒いガウンをまとっていた。
・また、彼は1600円もするCDを210枚購入(33万6千円)して、210票を河西智美に投票した。
・彼は言う「AKB48では、メンバー1人ひとりのひたむきな努力をファンが共有することができる。私はそれが好きなのだ。応援したくなる。」

・AKB48のメンバーはチームに編成されてAKB48劇場で毎日行われている公演で、パフォーマンスを披露することができる。

(だんだん疲れてきたので省略量を増やします・・)

・AKB48の「AKB」はAkibaから来ているが、「48」を海外に展開するプロトタイプ・プロジェクトを開発中だ。と秋元は言う。

・秋元康の経歴や役職などをまじえた紹介の話

・AKB48における秋元の成功は『AKB48の経済学』や『AKB48総選挙に学ぶ心をつかむ技術』から「360度マーケティング」などのビジネス誌の記事まで多くの研究も生んだ。

・AKB48はシンプルな振り付けを披露する。楽曲は高速ピッチに皆で歌うコーラスといった典型的な日本のポップスだ。
・観客の様子や、公演が終わった後のハイタッチ的な話。

・秋元は、オーディションで新しいメンバーを採用するが、まずは「研修生」という段階を用意している。

・20歳の北原里英は公演後、「同世代の女の子がほとんどなので、みんなで一緒に活動できれば本当はいいのですが」と言う。
・北原の現在の総選挙の順位は13位
・「最も難しい点は、普通の女の子でいられないことです。彼氏もつくれないですし。」
・しかし、AKB48を支援している広告代理店で国内最大手の電通は、メインストリームの顧客に積極的にアプローチしている。
・スターになるためには、パーソナルから汚い部分を取り除かなければならないのだ。

・今夏、前田敦子は総選挙で1位に選ばれ、映画『もしドラ』でデビューを決めた。
・篠田麻里子は、ファッション誌のモデルになった。

・「AKBは全体として男性脳的発想で生まれる何かである。」と雑誌のクリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓は言う。
・しかし、多くの女性はAKB48グループ全体として受け入れているわけではない。
・彼女は言う「女性にはファッション・Tipsを通じてメンバー1人ひとりが受け入れられるのだ。」

(最後はかなり意訳です。)



訳者のまとめ:
 WSJは長期経済低迷にあえぐ日本において、AKB48は飽和したポップスや消費文化を超えていくビジネスモデルだと評価している。
 これまでのアイドルビジネスとは一線をかく、それはもはや既存のアイドルビジネスではない、もっと広い概念で語るべきものだ。
 こういった新しいビジネスモデルを構築しようとする挑戦者が現れないことが日本の経済が低迷する根本的な理由だと言っているのだ。



そにしてもWSJの本記事についてるコメントの内容もなかなかよい。


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2 コメント

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Unknown (tune)
2011-12-29 13:16:04
おお!翻訳ありがとうございます!
年末に、日本人以外が書いたAKB関連の分析がWSJに載るとは!

記者の名前のところをクリックすると、その人の他の記事もみれるのですが、結構まじめな経済ニュースを扱っていそうな人たちでした。

どうやら秋元康へのインタビュー記事も書いているみたいなので(名前クリックしたら出てきました)良かったら読んでみてくださいな(そしてざっくりした訳まとめでも乗せていただけるとありがたい汗)

日本人以外の人が書いたAKB分析記事を日本メディアが翻訳したものって、なんだか「記事の一部を取り上げました」的なものが多いな、と思います。

最近ではクーリエジャポン紙で翻訳されたAtlanticの記事。クーリエジャポンではAKBに対するネガティブ一辺倒の記事のように読めたのですが、なんとなく訳文が変なので原文をなんとか読んでみると印象が違った、ということがありました。クーリエではAKBを日本のマイナス部分であるガラパゴス文化っていう風に編集している気がしましたが、原文はどうでしょうか?
http://www.theatlantic.com/entertainment/archive/2011/10/the-48-japanese-schoolgirls-aiming-to-take-over-the-world/246843/

「景気刺激策」という観点については、アメリカも大型公共投資以外のデフレ対策がのどから手が出るほどほしい、ということなのかな~と。
グローバル化を背景としたデフレ先進国日本の行く末を各国に見守られちゃってるのかもしれませんね。
おひさしぶりです! (advanced_future)
2011-12-29 20:35:03
>tuneさん
コメントありがとうございます。
そしてお久しぶりです!
待ってました。

インタビュー記事を訳していたのですが、WSJが日本語訳を提供しているようです。
でも最後までやりきりました。
まじめなインタビュー記事で読み甲斐はありました。
さすがはWSJ。

(後半は酒飲みながら書いたので、変なところあったらすみません。)


>Atlanticの記事

『The 48 Japanese Schoolgirls Aiming to Take Over the World』

読みました。
クーリエジャポンの翻訳記事を読んでませんが、内容はどちらかというとネガティブですね。
とにかく西洋では通用しないよと言いたいようです。

でも、レベル低い記事ですねこれは。
日本のスポーツ新聞とか2ちゃんと同じくらいのレベルです。

WSJがヒットの理由をビジネスモデルを分析することで解明しようとしているのに対して、このAtlanticというサイトの記事はただ思うところを述べているだけ。
WSJとは比べ物にならないですね・・。

>「景気刺激策」

アメリカ人はポジショニング戦略が好きなので、AKB48のビジネスモデルは好まれると思います。
市場を作っていることは評価に値すると思いますし、特に当Blogで主張している東アジア・アイドル経済圏を作ろうとしている点ですね。
真っ当なビジネスマンなら同意できる点かと思います。

アメリカでもイノベーションの枯渇が叫ばれて久しいので、感ずるものがあるのだと思いますです。

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