京阪神の鉄道メモ

~阪急電鉄を中心に。

阪急京都線ダイヤ改正

2009-12-31 | 阪急電鉄
 今年も、鉄道の世界では大きな変化があった。3つ挙げよう。

 ●阪神なんば線開業
 西九条~大阪難波間が開業し、近鉄奈良、大阪難波、三宮間の直通快速急行が運行されるようになった。
 集客は、好調なようだ。現在平日のデータイムは20分に2本だが、休日同様3本に増発されても、不思議ではない。
 一方、昨年秋に開業した京阪中之島線ではダイヤ改正が実施され、全体的なサービスダウンとなった。集客増には、もう少し時間がかかりそうだ。

 ●阪急電鉄の嵐山直通臨時列車の運行
 昨年の秋に、西宮北口~嵐山間の運行があった。今年のにはそれを発展させ、高速神戸、川西能勢口、宝塚(神戸線経由)など、多くの駅から運行された。

 ●高速道路の利用料金
 条件付きだが、長い区間1000円で走れる。景気回復の起爆剤としての設定で、効果は小さくなかった。
 だが、交通渋滞の悪化、環境負荷の増大、そして鉄道やバス、フェリーなどの公共交通が大きな打撃を受けたことも事実だ。これは直接の話題ではないが、間接的な影響は大きい。今後、無料になるという話もあるが、どうなるか注目だ。



 今年最後の話題は、阪急京都線のダイヤ改正としたい。実施日は、来年の3月14日。こちらは、4つ挙げる。


 ●摂津市駅開業
 正雀~南茨木間(3.5km)である。阪急電鉄の鉄道開業100周年が3月10日であり、それに合わせられたのだろう。駅の二酸化炭素排出量を、ゼロとする工夫がある。

 ●通勤特急の茨木市停車
 前回のダイヤ改正に引き続き、通勤特急はさらに停車駅が増えた。同駅は通過の影響で便利とはいえなかったことと、利用客数が多いことが理由と考えられる。
 しかし、私はあまりよいとは思わない。もとから停車駅が多いのと、利用客も多いが、通過客も多いからだ。また、通勤特急を除いても、快速急行を初め利用可能な列車は少なくない。安易に停車にせず、通過で頑張って欲しかった。

 ●快速の新設
 快速の設定は、やや意外という印象だ。快速は行楽期の臨時ダイヤで運行されていたが、全体の停車駅はあまりに多いので、通常期の設定には向かないと考えていたからだ。
 通勤特急の停車駅が増えた分、準急の高槻市以東を速達化させてバランスをとるのだろう。設定されるかどうかわからないが、夕ラッシュ下りの京都口の混雑緩和も期待したい。

 ●早朝、深夜のサービスアップ
 平日深夜の変化として、最終の上り準急が高槻市行きから桂行きになるのが目を引く。梅田発の最終が15分伸びる駅が多く、効果は大きい。


 来年、ダイヤの詳細な発表があると思われる。そのとき、もう一度とりあげる予定です。



 ※2ドア車両は、この改正で引退となる。詳しくは、次の機会としたい。
 ※2007年3月に実施された前回の改正の記事は、ここ
 ※今年も、当ブログには多くの訪問がありました。ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。

嵐山直通臨時列車(2)

2009-12-20 | 阪急電鉄
 かなり日が経ってしまったが、今年の秋には嵐山への臨時直通列車が多く運行された。関連記事は、ここ。私は、そのうちのいくつかに乗車することができた。


 ・宝塚(今津線経由)

 宝塚発着は、今年の春や去年の秋には運行されていない。今回、初めての運行である。
 発車数分前に宝塚に着くと、改札から少し入ったところに長蛇の列があった。臨時列車は1号線から発車するが、この時間帯は通常は1、2号線ホームは使われていないので、まだホームには入れなかった。しばらくして入れるようになり、前から3両目に乗車することができた。
 宝塚を発車した時点で、座席はほぼ全て埋まった。私のような乗車目的より、観光目的と思われるグループが多かった。西宮北口を通過するときは、約100人。十三で30人程降車し、今津準急として乗車した人も少なくなかった。

 十三の2号線を発車後、神戸線上りと宝塚線下りの間にある引き上げ線へ入り、しばらく待ってスイッチバックした。宝塚線下りと上り線を横切り、京都線上りへ入り、5号線へ。10人程乗車して、桂へ向かった。淡路と長岡天神で準急が待避したので、以前より速く感じられた。桂で、嵐山発河原町行き(ここからの停車駅は、烏丸、河原町)と連絡した。
 下りも、桂~十三間は立客が少なくなかった。予想以上の混雑であった。

 上りの主な駅のおおよその通過時刻を、時刻表から抜粋した時刻とともに示す。
 宝塚発10:23、西宮北口36、十三2号線着53、十三5号線発58、淡路11:04(準急が待避)、茨木市12(普通が待避)、高槻市17、長岡天神25(準急が待避)、桂着31、嵐山着11:41。


 ・高速神戸(平日)

 西宮北口から乗車した。同駅から乗車した人は、去年の秋より少なかった。去年は始発だったからだろう。始発の効果は大きかった。ただし、西宮北口以西からの利用や、神戸線の快速急行としての利用も少なくなかった。
 この列車も十三の引き上げ線でスイッチバックする。梅田(6号線)を経由した去年の秋より、早く感じられた。去年の秋は西宮北口発10:20に対し、今年は10:30発で、約10分短縮した。
 混雑は、上下線とも十三~桂間で立客が少なからず。


 ・天下茶屋

 大阪市交66系の、京都線高槻市以東入線、嵐山線入線、通過運転等、珍しいことが多かった。乗車したかったが、この列車は乗車することはできなかった。
 ラッシュ並みの混雑だったそうだ。ただし、運転は2日間のみ。今回の運行のため、わざわざ8両編成から6両編成に改造されたことも考慮に入れ、もう少し運転日を増やしてほしかったと思う。


 全体的に、直通臨時列車の利用客は多かったといってよいだろう。


 ※次回は、京都線ダイヤ改正について。今年最後の更新の予定です。

阪急京都線秋の臨時ダイヤ

2009-12-04 | 阪急電鉄
 今年の秋も、阪急京都線では臨時ダイヤが組まれた。設定は、11月21~23日と28、29日。快速いい古都エクスプレスの運転も、例年通りである。
 今年で最後になる可能性のある快速いい古都エクスプレスと、2ドア車両を23日に見に行った。


 私が乗車したのは、梅田発10時(2ドア車両)。
 去年と同様で、特急は淡路あたりからぎゅうぎゅう詰めになり、桂発車時点では約3分の遅れが発生していた。20分後の9300系の特急は、同様の遅れは1分半程であった。その間に来た快速は、桂到着時で1車両当たり100人程度の車両があった。


 特急は酷い混雑だったが、悪条件が重なっているようだ。



(1)通常ダイヤ

 ●もとから優等列車が不足気味、各駅停車が過剰気味。
 ●各駅停車が京都口からは桂までしか先着しない。
 ~例えば神宝線のデータイムのダイヤは、梅田~西宮北口、三宮~西宮北口、梅田~雲雀丘花屋敷間と比較的長い区間先着し、混雑が分散される。これに対し、このケースは京都から近い桂で待避を受けるため、優等に集中しがち。


(2)臨時ダイヤ

 ●通常期との利用客数の差が非常に大きい。
 ~通常ダイヤは基本的に通常期を基に作成される。
 ●優等列車の本数が足りていない。
 ●いい古都エクスプレスは特急の待避を受ける。
 ~しかし、他に設定のしようがないだろう。一定の役割は果たしている。
 ●2ドア車両の問題がある。
 ~3ドア車両に比べ、輸送力が小さく、混雑期の停車時間は長い。
 ●嵐山への直通は難しい。
 ~6両編成車があまりない。嵐山線内の区間運転も6両編成が必要となる。また、京都口の輸送力確保も必要である。


(3)設備

 ●河原町、烏丸のホームの収容力が小さい、10両編成用ホームも狭い。
 ~両駅のホームはあまり広くなく、多客時はすぐ人で溢れかえる。ただし、増発すれば緩和される。また、10両編成が停車するホームも狭いので、多客時には転落の可能性があり、危険である。増結して10両編成による運転は無理だろう。
 ●河原町、烏丸の改札機や乗り越し精算機、券売機が少ない。
 ●河原町、烏丸(、桂)の、ホームと改札機を連絡する輸送力(エスカレーター、階段など)が小さい(到着時の問題)。
 ~行列が長くなり、駅から出る時間がかかるのは、小さくないサービスダウンである。1列車あたりの降車人数が減るため、これも増発すれば緩和される。
 ●河原町の2号線の問題。
 ~7両編成までしか停車できないうえ、中央から離れたところに位置し、そのホームも狭い。折り返しの制約は、ダイヤの制約となる。



 優等列車が足りてないため、快速桂(C号線)行きを増発する(高槻市以東の準急の代わりの普通は、高槻市または正雀から入れる)のが有力と、私は考えている。
 しかし、悪条件があまりに多すぎる。この時期(そもそも1年で高々数日である)は、うまくいく方がおかしいのかもしれない。


 ※関連記事は、去年の京都線京都市内の交通、及び2年前の京都線の快速、特急、嵐山線


 ※以下はおまけです。
 ※2ドア車両がなくなれば、いい古都エクスプレスは必要なくなるという議論を目にすることがある。しかし、私は上のような条件下で京都口が20分に4本で捌けるイメージはない。混雑するのは嵐山だけではなく、京都口も同様で、設備の問題もある。下手な減便は、危険である。
 ※河原町、烏丸の10両編成用のホームは、平日朝ラッシュ下りに使われるが、その時間帯はあまり混雑しない。混雑が激しい朝ラッシュ上りは、10両編成車は桂で後ろ2両を切り離されるので、そのホームは使われない。