今回の道行きは距離的には特別に遠すぎるということはないのですが
ずっと信号の多い道を走ることになりそうできついだろうと思い少しでも
楽をしようと今回は大津から京滋バイパスを通り京都市内を迂回するこ
とにしました。そのために米原からはいつものように信号の少ない湖岸
道路には出ずそのままR8を進み「出店を始めて2回目の高速じゃ!」と
R1(8)に別れを告げ「いざ!楽をやせむ!」と勇みけるとゲート前に柵と
警備員、電光掲示板に「通行止め」の文字。「あなや!」
心ならずもゲート脇の側道に入ります。ここで私の癖が出てしまいます。
一旦車を停めてどうするか方針を決めてナビの案内が必要ならセットを
するということをせず「どうしましょう?」とナビの地図をちらちら見ながら
しばらく走らせて不安が頂点に達して初めて車を停めて調べ結局その
先が行き止まりか大迂回の必要を知ってからすごすごともと来た道を戻る
ことになります。R1に戻り京都市内を通る道を取って暫くすると雨が降り
出しました。そしてふとナビ画面を見るとR1を走っているはずが東端を
北上して外れていくのです。時間は午前2時。「逢魔が時」の東洛外。
ここでも「方向だけ見てれば大丈夫!」と車を停めず地図をちら見するだけで
進みました。人気はまったくなく雨はさらに強くなってきます。「ここだ!」
と入った道は進むうちに坂がきつく、道幅は車1台がやっとのことで両側に
建物がびっしりと迫っています。「怖い。ナビに案内をお願いすればよかった」
と後悔するも後の祭り。
数年前、2速でしか進めぬ坂から始まり引き返す道幅もなくただひたすら対向車が
来ぬことを祈り、途中で石畳の道に変わりさらに恐怖した大阪から奈良に抜けた夜の
暗がり峠の悪夢が蘇り戦慄します。が、しかし暫く走ると下りに転じ大きな通りに出る
ことができました。なんとなく通った記憶のある道を南下すると八坂神社前に出ました。
河原町に入ると風景は一変します。道の両端に客待ちのタクシーがびっしりと吸い付き
それ以上にたくさんの人の姿が佇んでいたり蠢いたりしています。賑やかな所に出て
ほっとするより何か悪夢を見続けているような嫌悪感を感じながらさらに強くなった雨の
中を一路明石へ進んだのでありました。