追悼詩「ダイバ川の別れ」わが心のレリーフに刻む

2024-02-19 20:44:25 | 
一日たりともあなたを忘れたことはありません
あなたとは今も現在進行形です

    ダイバ川の別れ


マッチュ・クーヴォさんが指さしたあたりに
土筆がまとまって背を伸ばしている
土手のベンチに腰掛けて
ぼくらは数冊の詩誌を開いていた
見ず知らずの者同士を引きあわせたのは
詩の言葉の力だった
運命が
真新しい地図をぼくに開き
ダイバ川のほとりに引き寄せてくれた

マッチュさんが情熱を注いでいる三都交流朗読会
明日の開催をひかえて
マッチュさんの瞳が輝いている
行動する勇気が人の心を動かす
才能だけじゃダメなんだ
僕は彼のいくつかの実績にうなづいた

近所の老人に声をかけられて話している間
ぼくはマウント・フジを眺めていた
ここ数日で頂上のあたりは
白衣のような雪になっている

明日はいい会になるといいね
言葉に感情をのせようとすると
上滑りして溺れてしまうんだよ
感情に言葉をのせるほうがいいんだ
どう思う?
ぼくは なんとなくわかる としか応えられなかったが
詩は繰り返し声を出して読む
というマッチュさんの口癖が理解できた

ふざけながら遊歩道を歩いてくる
集団下校の子どもたち
ハコネ・マウンテンからの風がひんやりとしている

では明日 
握手をして立ち上がった
ぼくはあの場所にゆき
土筆を数本摘み
ハンカチでくるんだ
振り返ると
雄大なマウント・フジを背に
家の前でマッチュさんがまだ立っている
ぼくはさっき握った手のぬくもりを振った
Good Luck
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東京大衆歌謡楽団in道明寺

2024-02-09 18:35:21 | 日記・エッセイ・コラム
東京大衆歌謡楽団の高島四兄弟は日本の吟遊詩人だ
2日間の道明寺ライブは想像をはるかに超える人気のすごさに圧倒された



  

昭和も最後の世代のまだ若い四人が昭和の懐かしい抒情歌を歌い継ぐ
<今日は大阪大衆歌謡楽団です>ってアコーディオンの雄二郎さんが言ってたけど
大阪のおばちゃんたちに限らずおじちゃんたちをも
昭和の子に限らず平成の子をも酔わせていた
ボーカルの孝太郎さんは風邪気味のようでしたがそれを全く感じさせなく抒情たっぷりの歌声をみんなに送り届けた
雄二郎さんのアコーディオン、龍三郎さんのウッドベース、圭四郎さんのバンジョー、そして平成生まれの若い三人のギターとタンバリンと踊りすべてが昭和の風を運んでくれた


                                          孝太郎さん

                                          雄二郎さん

                                          龍三郎さん

                                          圭四郎さん
大衆演劇を踊る平成生まれの若者も息はピッタリだ





曲の途中でもリズムに合わせてぴったしと手拍子を打つ観客との一体感が素晴らしかった



大衆を酔わせる、まさに吟遊詩人だ
1日目は写真に追われていたのとお目当ての曲が出なかったことで 2日目はゆっくり雰囲気に同化、しかもラスト曲はお目当ての<酒の中から>
3番の途中で エイッ!と合いの手を入れ腕を突き上げる これをやりたかったのでもう言うことなし
帰りがけに古市の駅近の立ち飲み屋に寄って気分よく一杯やりながら余韻に浸っていた
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