第3話までを観た限り、これは間違いなく良作、そして個人的には傑作になるんじゃないかと思わせるには十分な展開をしてくれている「エウレカセブン」。
作画、アクションシーン、音楽、どれを取ってもクオリティーが高いのですが、特筆すべきはやはり脚本です。
「攻殻機動隊 S.A.C」も手がけた佐藤 大氏は侮れない、どころか既にリスペクト領域に入りそうです。
今回も第2話までの勢いを継続させつつ、主人公レントンの旅立ちを丁寧に、そして確信犯的に唐突に描いてくれました。
少年の成長物語の旅立ちのシーンとしては非常にある意味スムーズで満足度も高かったですよ(狙いもあるみたいですし)。
■レントンの旅立ち
勢いに流されてホランド、そして何より一目ぼれしたエウレカに「一緒に来て欲しい」と言われれば、そこは14歳の少年、好奇心、冒険心一杯な年頃だし、好きな子にそこまで言われたら行くしかない、なんて流れの中で、このまま行くのはどうかな?と思っていた矢先にきちんと来ましたよ。
あのぉ・・・、
俺に・・・、俺に3分時間を下さい!
個人的にはこういうのをきちんと描いてくれる丁寧さがとても大事だと思っていて、旅立ちの前には別れの挨拶だろ、なんてやっぱり王道ですよ。
で、特筆すべきはここでのおじいちゃんとの会話で、レントンの旅立ちに思い至った気持ちですね。
これが第1話で見せているレントンの劣等感、閉塞感を打ち破るきっかけになっているのが熱いんですよね。
じっちゃん ごめん
俺今までずっと逃げてた気がする
何からだ?
やんなきゃいけないこととか
俺が背負わされてるものとかからさ
だけど 俺もう逃げるのやめる
もう逃げない 逃げないで 俺 修行してこようと思う
修行して いつか俺じっちゃんみたいなメカニックになろうと思うんだ
そうか やっと気付いてくれたか
きついぞ
分かってる
でも大丈夫 だって俺はじっちゃんの孫なんだぜ
馬鹿もん 年寄りを泣かすんじゃない
ついでに言うなら視聴者も泣かすんじゃないと言いたい(笑)。
#またこの時点ではおじいちゃんはレントンがゲッコーステートに行くという意味で語っていることに気が付いていないことが面白い。
#しかもこの気付いていなかった部分をきちんと回収しているところもまた(脚本が)凄い。
レントンは第1話で少し触れられているように、英雄の息子であることの劣等感、何かしようと思っても逃げていた閉塞間を持っているけれどもまだうまく自覚できていなかったんですよね。
それがエウレカとの出会いで「信じる」というキーワード、それにつながるお姉ちゃんの記憶、言葉の意味を少しだけ理解して、そして「今」自分に何が足りないのか?それを悟って、「修行」してくる、というわけですよ。
更に言うなれば、この物語の一つのテーマとして少年の成長物語としては外せない「父親超え」が必ず来ると思っていて、今の時点でも既にレントンは父親が何を成したのか?何に関わっていたのか?というのをアミタドライブやニルバーシュ・タイプゼロの登場で少し悟っている気がするんですよ。
つまり、父親が「何か」をしでかした責任というか、その顛末を見届ける義務をアミタドライブを通じて感じているんじゃないかと思うんですね。
それを見届けることが子供としての責任であり、それを見届ける、もしくは途中になったものを成し遂げることが「父親超え」になるんじゃないかと、こんな序盤からそんな予想して大丈夫か?と思うほどに予想してしまいます(笑)。
#最も、旅立ちの理由の一つにはお姉ちゃん探しも含まれているとは思うんですけどね。
#ゲッコーステートと共に旅をすれば必ずお姉ちゃんに会えると「信じている」から。
■少年にありがちな軽率な決意の裏側には
へタレ主人公レントンが成長への第一歩を踏み出したのは、やはりいくつか理由があって、
1.お姉ちゃんの言葉を「信じた」
2.エウレカを守ることでお姉ちゃんの言葉を「証明」したかった
3.(信じることで)お姉ちゃんに会いたかった
4.閉塞感や劣等感を打ち破るチャンスが目の前に現れた
5.一目ぼれした子(エウレカ)と憧れの人(ホランド)に誘われた
などなど、いくつか挙げられるのですが、特に4と5はね、14歳の少年なら誰しもそういうチャンスというかそんなシーンが来るのを夢見てしまうんじゃないかと思うんですよ。
家にたまたまガンダム操縦のマニュアルがあって、たまたまガンダムが目の前にあったらザクくらい自分でもやれるとか、空から飛行石を持った少女が降ってきたら、自分が守ってあげて(銀魂の茂吉が作ったかもしれない)天空の城に行ったりしたいと思うわけですよ。14歳くらなら。
#かなり偏った例ですが、気にしないでください。つか、気にしないでくれると助かります。僕が。
#つか、そういう意味ではこの作品の最初の展開は「天空の城 ラピュタ」へのオマージュが感じられるんですよね。
#むしろ「天空の城 ラピュタ」は少年の成長物語のバイブルのような気もしますし、そういう要素がぎっちり詰まってますよね。
#本作では主人公をへタレにすることで、これはこれで好感度かなり高いですけどね(笑)。
つまり、この旅立ちの時点では好きな女の子を守るという「夢」や、ゲッコーステートと共に旅をするという「憧れ」が先に立って、その先にある「現実」を見据えていないんだよ、という示唆がレントンの独白の中にされているんですよね。
そうなのだ この時僕は
もっとよくこのことについて考えておくべきだった
そして想像を働かせ
この先に僕を待ち受けている事柄の一部分でも感づいておくべきだったんだ
だけど姉さん このときの僕は生き甲斐を見つけた幸福感で一杯だったうえに
横に座っている彼女の透き通った瞳に見入ってしまっていて
そんな考えを思い浮かべることさえ
いけないことだと思い込んでいたんだ
少年は挫折を知って成長する、そうなんですよ、現実社会は夢と希望だけで形成されているわけではないんですよ。
#もちろん夢も希望もなきゃ面白くないわけですが、現実世界でもね。
また、セブンスウェルを引き起こすほどの力、その力の使い方についてもまだ理解できていない。
それがどういうことを引き起こしていくのか?それを驚愕しながら自覚していく、そういうプロセスが是非見てみたい。
新入社員のときに自分も経験あるんですが「俺はこんな仕事するためにこの会社に入ったんじゃない」なんて、思っちゃうわけですよ。
それが真実のときもあるんですが、今振り返ればそれは今の自分を形成するのに必要な儀式だったり、不足している経験であったり、知らなかった世界だったりするんですよね。
こういうのをきちんと描いてくれる予感がするからこそ、この「エウレカセブン」が傑作になるんじゃないか、少年の成長物語として王道を行ってくれるんではないか、と思わせるところなんですよね。
■さらに追い討ちをかけるように丁寧に描かれている旅立ち
今回やっぱり良いなぁとしみじみ思ったのが、レントンの旅立ちを見送るおじいちゃんでした。
おじいちゃんはレントンが劣等感や閉塞感を感じているのを知っていて、それでも尚向き合うと言ったレントンに成長を感じていたわけですが、それでもレントンはゲッコーステートへ行ってしまう。
それでもそれを認めているのが面白くて、それはやはりおじいちゃん自身も若い頃相当無茶やってるからなんでしょうね。
きっとおじいちゃんの過去もそのうち語られてくると思うのですが、(サーストン家の)男は無茶してでも飛び出していって成長するもんだ、と理解しているからなんですよね。
だから「確実に血を引いてるな じっちゃんあんたの血だ」という言葉にも怒鳴りこそすれ、否定しないんですね。
またここでレントンの旅立ちの言葉を「信じている」おじいちゃんが熱い。
だがな 他の二人は帰らんかったが レントンは必ず帰ってくる
たとえ道を見失っても 今のレントンにはあいつのオヤジが側についているんだからな
まったく 何が「じっちゃんみたいなメカニックになる」だ
戻ってきたらみっちりしごいてやる
それまでの寄り道だぞ いいな レントン
さりげなく自分の息子、アドロックのことも(間接的にではあれ)「信じている」おじいちゃん。
#アミタドライブはアドロックの産物、そしてそれが孫のレントンを守ると「信じている」。
本当に熱い。つか、泣ける。
■エウレカ
そんなレントンを連れて行ってしまうエウレカだけれども、彼女もまだまだ謎めいてますね。
ニルバーシュと会話ができるという特異性はもとより、彼女が「信じている」のはホランドだけだったり、それ以外の会話にも不思議な点が出てきてますよね。
やっぱり君面白いね
だって君 私の子供みたいなんだもん
君ってやっぱり面白いよね
君みたいな人間 久しぶりだよ
君みたいな人間に 昔会ったことがあるの
君はその人間にそっくりだね
行こう 早くしないと波が行っちゃうわ
エウレカの言う「子供」とはレントンの言うような単純な子供なのか?
エウレカの言う「人間」とは自分とは異なるものなのか?
昔会った人とはアドロック?もしかしたらダイアン?
この辺が成長物語とは別の謎解きエンタメに当たる部分になってくると思うんですが、これくらい不思議なエウレカと、へタレ主人公レントンが心を通わせていくプロセスがどうなっていくのか?それは謎解きエンタメ部分よりも実は個人的にはそっちの方が楽しみであったりもします。
お願い この子の側にいてあげて
だって私 君を信じたいから
そしてこの言葉。
エウレカの言う「信じる」とはどういうことか?
そのヒントは今回のホランドへ向けての台詞にあったようにも思えますが、エウレカの「信じる」と「信じられない」、この辺の意味が分かってくると更に面白くなりそうです。
■やはりホランドの台詞は
第2話の感想でも書きましたが、ホランドの台詞はレントン個人に向けられるというよりは、視聴者向けの言葉というか、制作者サイドからのメッセージになっていると思うんですよね。
いいか これを取り付けたのはお前だ
これはお前の機械だ
だからお前がコントロールしろ
最後まで責任を取れ
分かったな
自分の仕事には責任を持て、それが社会に出たらまずやることだろ、みたいな。
やっぱりこの作品は少年の成長物語にスポットが当てられていて、今までの守られていた世界から、自分で身を守っていく現実世界(それが本作ではゲッコーステートとの旅を意味する)を経験して成長していく、そういうのを描いていくんだなと再認識。
SF的に物語を進めつつ、大事なメッセージ性はそういうSF的要素を剥ぎ取って伝えてくる、そういう作品が個人的には大好きです。
#蒼穹のファフナーもそういうところが大好きでした。
■演出が面白い!!
前の感想のコメント欄で教えて頂いたのですが、時間の展開のさせ方が面白いです。
今回時間に関する台詞が4つ出てきているのですが、
えーい!10分待つ!それまでにゲートを開けなければ
実力を持ってゲートをぶち破る!!いいな!!
ちょっと待ってろ!3分後にまたかける!!
あのぉ・・・、
俺に・・・、俺に3分時間を下さい!
いいの あと7分でここのトラパーの波の流れが変わる
これって正確に時間を測った訳でなないんですが、きっとこの時間、きっちり作品中で反映されていますよね!
例えば10分後にホントにゲートぶち破られてる!みたいな。
一番カッコイイ!!と思ったのは、ゲッコー号がトラパーを捉えて加速する時、これがきっとエウレカが行った「7分後」なんですよね!
こういう遊び心ある演出、大好きです。
#トラパーの正式名称=トランサパランス・ライト・パーティクルが天気予報のテロップで流れるのも笑いました。
さらに、今回出てきた「バーミリオン小隊」!!
これってメカデザの河森正治さんへのサービスですか(笑)。
■音楽も良い
音楽もかなり良いですね。
特にニルバーシュのバトルシーンなんて最高ですね。
またOPの「DAYS」、これがまた良いですね。
これぞ「エウレカセブン」!!みたいな爽快感。
かなりマッチしてます。
■見逃しちゃった人に朗報!!
いつもお世話になっている浮島さんからの情報なんですが、パソコンテレビのGyaOで手続きをすれば第1話、第2話を無料で視聴できるみたいです。
#私自身は登録していないので詳細はまだちょっと分からないのですが。
再放送も深夜にやっているみたいなんで、こういうのが好きな人にはこの「交響詩篇 エウレカセブン」個人的に非常にお勧めです。
作画、アクションシーン、音楽、どれを取ってもクオリティーが高いのですが、特筆すべきはやはり脚本です。
「攻殻機動隊 S.A.C」も手がけた佐藤 大氏は侮れない、どころか既にリスペクト領域に入りそうです。
今回も第2話までの勢いを継続させつつ、主人公レントンの旅立ちを丁寧に、そして確信犯的に唐突に描いてくれました。
少年の成長物語の旅立ちのシーンとしては非常にある意味スムーズで満足度も高かったですよ(狙いもあるみたいですし)。
■レントンの旅立ち
勢いに流されてホランド、そして何より一目ぼれしたエウレカに「一緒に来て欲しい」と言われれば、そこは14歳の少年、好奇心、冒険心一杯な年頃だし、好きな子にそこまで言われたら行くしかない、なんて流れの中で、このまま行くのはどうかな?と思っていた矢先にきちんと来ましたよ。
あのぉ・・・、
俺に・・・、俺に3分時間を下さい!
個人的にはこういうのをきちんと描いてくれる丁寧さがとても大事だと思っていて、旅立ちの前には別れの挨拶だろ、なんてやっぱり王道ですよ。
で、特筆すべきはここでのおじいちゃんとの会話で、レントンの旅立ちに思い至った気持ちですね。
これが第1話で見せているレントンの劣等感、閉塞感を打ち破るきっかけになっているのが熱いんですよね。
じっちゃん ごめん
俺今までずっと逃げてた気がする
何からだ?
やんなきゃいけないこととか
俺が背負わされてるものとかからさ
だけど 俺もう逃げるのやめる
もう逃げない 逃げないで 俺 修行してこようと思う
修行して いつか俺じっちゃんみたいなメカニックになろうと思うんだ
そうか やっと気付いてくれたか
きついぞ
分かってる
でも大丈夫 だって俺はじっちゃんの孫なんだぜ
馬鹿もん 年寄りを泣かすんじゃない
ついでに言うなら視聴者も泣かすんじゃないと言いたい(笑)。
#またこの時点ではおじいちゃんはレントンがゲッコーステートに行くという意味で語っていることに気が付いていないことが面白い。
#しかもこの気付いていなかった部分をきちんと回収しているところもまた(脚本が)凄い。
レントンは第1話で少し触れられているように、英雄の息子であることの劣等感、何かしようと思っても逃げていた閉塞間を持っているけれどもまだうまく自覚できていなかったんですよね。
それがエウレカとの出会いで「信じる」というキーワード、それにつながるお姉ちゃんの記憶、言葉の意味を少しだけ理解して、そして「今」自分に何が足りないのか?それを悟って、「修行」してくる、というわけですよ。
更に言うなれば、この物語の一つのテーマとして少年の成長物語としては外せない「父親超え」が必ず来ると思っていて、今の時点でも既にレントンは父親が何を成したのか?何に関わっていたのか?というのをアミタドライブやニルバーシュ・タイプゼロの登場で少し悟っている気がするんですよ。
つまり、父親が「何か」をしでかした責任というか、その顛末を見届ける義務をアミタドライブを通じて感じているんじゃないかと思うんですね。
それを見届けることが子供としての責任であり、それを見届ける、もしくは途中になったものを成し遂げることが「父親超え」になるんじゃないかと、こんな序盤からそんな予想して大丈夫か?と思うほどに予想してしまいます(笑)。
#最も、旅立ちの理由の一つにはお姉ちゃん探しも含まれているとは思うんですけどね。
#ゲッコーステートと共に旅をすれば必ずお姉ちゃんに会えると「信じている」から。
■少年にありがちな軽率な決意の裏側には
へタレ主人公レントンが成長への第一歩を踏み出したのは、やはりいくつか理由があって、
1.お姉ちゃんの言葉を「信じた」
2.エウレカを守ることでお姉ちゃんの言葉を「証明」したかった
3.(信じることで)お姉ちゃんに会いたかった
4.閉塞感や劣等感を打ち破るチャンスが目の前に現れた
5.一目ぼれした子(エウレカ)と憧れの人(ホランド)に誘われた
などなど、いくつか挙げられるのですが、特に4と5はね、14歳の少年なら誰しもそういうチャンスというかそんなシーンが来るのを夢見てしまうんじゃないかと思うんですよ。
家にたまたまガンダム操縦のマニュアルがあって、たまたまガンダムが目の前にあったらザクくらい自分でもやれるとか、空から飛行石を持った少女が降ってきたら、自分が守ってあげて(銀魂の茂吉が作ったかもしれない)天空の城に行ったりしたいと思うわけですよ。14歳くらなら。
#かなり偏った例ですが、気にしないでください。つか、気にしないでくれると助かります。僕が。
#つか、そういう意味ではこの作品の最初の展開は「天空の城 ラピュタ」へのオマージュが感じられるんですよね。
#むしろ「天空の城 ラピュタ」は少年の成長物語のバイブルのような気もしますし、そういう要素がぎっちり詰まってますよね。
#本作では主人公をへタレにすることで、これはこれで好感度かなり高いですけどね(笑)。
つまり、この旅立ちの時点では好きな女の子を守るという「夢」や、ゲッコーステートと共に旅をするという「憧れ」が先に立って、その先にある「現実」を見据えていないんだよ、という示唆がレントンの独白の中にされているんですよね。
そうなのだ この時僕は
もっとよくこのことについて考えておくべきだった
そして想像を働かせ
この先に僕を待ち受けている事柄の一部分でも感づいておくべきだったんだ
だけど姉さん このときの僕は生き甲斐を見つけた幸福感で一杯だったうえに
横に座っている彼女の透き通った瞳に見入ってしまっていて
そんな考えを思い浮かべることさえ
いけないことだと思い込んでいたんだ
少年は挫折を知って成長する、そうなんですよ、現実社会は夢と希望だけで形成されているわけではないんですよ。
#もちろん夢も希望もなきゃ面白くないわけですが、現実世界でもね。
また、セブンスウェルを引き起こすほどの力、その力の使い方についてもまだ理解できていない。
それがどういうことを引き起こしていくのか?それを驚愕しながら自覚していく、そういうプロセスが是非見てみたい。
新入社員のときに自分も経験あるんですが「俺はこんな仕事するためにこの会社に入ったんじゃない」なんて、思っちゃうわけですよ。
それが真実のときもあるんですが、今振り返ればそれは今の自分を形成するのに必要な儀式だったり、不足している経験であったり、知らなかった世界だったりするんですよね。
こういうのをきちんと描いてくれる予感がするからこそ、この「エウレカセブン」が傑作になるんじゃないか、少年の成長物語として王道を行ってくれるんではないか、と思わせるところなんですよね。
■さらに追い討ちをかけるように丁寧に描かれている旅立ち
今回やっぱり良いなぁとしみじみ思ったのが、レントンの旅立ちを見送るおじいちゃんでした。
おじいちゃんはレントンが劣等感や閉塞感を感じているのを知っていて、それでも尚向き合うと言ったレントンに成長を感じていたわけですが、それでもレントンはゲッコーステートへ行ってしまう。
それでもそれを認めているのが面白くて、それはやはりおじいちゃん自身も若い頃相当無茶やってるからなんでしょうね。
きっとおじいちゃんの過去もそのうち語られてくると思うのですが、(サーストン家の)男は無茶してでも飛び出していって成長するもんだ、と理解しているからなんですよね。
だから「確実に血を引いてるな じっちゃんあんたの血だ」という言葉にも怒鳴りこそすれ、否定しないんですね。
またここでレントンの旅立ちの言葉を「信じている」おじいちゃんが熱い。
だがな 他の二人は帰らんかったが レントンは必ず帰ってくる
たとえ道を見失っても 今のレントンにはあいつのオヤジが側についているんだからな
まったく 何が「じっちゃんみたいなメカニックになる」だ
戻ってきたらみっちりしごいてやる
それまでの寄り道だぞ いいな レントン
さりげなく自分の息子、アドロックのことも(間接的にではあれ)「信じている」おじいちゃん。
#アミタドライブはアドロックの産物、そしてそれが孫のレントンを守ると「信じている」。
本当に熱い。つか、泣ける。
■エウレカ
そんなレントンを連れて行ってしまうエウレカだけれども、彼女もまだまだ謎めいてますね。
ニルバーシュと会話ができるという特異性はもとより、彼女が「信じている」のはホランドだけだったり、それ以外の会話にも不思議な点が出てきてますよね。
やっぱり君面白いね
だって君 私の子供みたいなんだもん
君ってやっぱり面白いよね
君みたいな人間 久しぶりだよ
君みたいな人間に 昔会ったことがあるの
君はその人間にそっくりだね
行こう 早くしないと波が行っちゃうわ
エウレカの言う「子供」とはレントンの言うような単純な子供なのか?
エウレカの言う「人間」とは自分とは異なるものなのか?
昔会った人とはアドロック?もしかしたらダイアン?
この辺が成長物語とは別の謎解きエンタメに当たる部分になってくると思うんですが、これくらい不思議なエウレカと、へタレ主人公レントンが心を通わせていくプロセスがどうなっていくのか?それは謎解きエンタメ部分よりも実は個人的にはそっちの方が楽しみであったりもします。
お願い この子の側にいてあげて
だって私 君を信じたいから
そしてこの言葉。
エウレカの言う「信じる」とはどういうことか?
そのヒントは今回のホランドへ向けての台詞にあったようにも思えますが、エウレカの「信じる」と「信じられない」、この辺の意味が分かってくると更に面白くなりそうです。
■やはりホランドの台詞は
第2話の感想でも書きましたが、ホランドの台詞はレントン個人に向けられるというよりは、視聴者向けの言葉というか、制作者サイドからのメッセージになっていると思うんですよね。
いいか これを取り付けたのはお前だ
これはお前の機械だ
だからお前がコントロールしろ
最後まで責任を取れ
分かったな
自分の仕事には責任を持て、それが社会に出たらまずやることだろ、みたいな。
やっぱりこの作品は少年の成長物語にスポットが当てられていて、今までの守られていた世界から、自分で身を守っていく現実世界(それが本作ではゲッコーステートとの旅を意味する)を経験して成長していく、そういうのを描いていくんだなと再認識。
SF的に物語を進めつつ、大事なメッセージ性はそういうSF的要素を剥ぎ取って伝えてくる、そういう作品が個人的には大好きです。
#蒼穹のファフナーもそういうところが大好きでした。
■演出が面白い!!
前の感想のコメント欄で教えて頂いたのですが、時間の展開のさせ方が面白いです。
今回時間に関する台詞が4つ出てきているのですが、
えーい!10分待つ!それまでにゲートを開けなければ
実力を持ってゲートをぶち破る!!いいな!!
ちょっと待ってろ!3分後にまたかける!!
あのぉ・・・、
俺に・・・、俺に3分時間を下さい!
いいの あと7分でここのトラパーの波の流れが変わる
これって正確に時間を測った訳でなないんですが、きっとこの時間、きっちり作品中で反映されていますよね!
例えば10分後にホントにゲートぶち破られてる!みたいな。
一番カッコイイ!!と思ったのは、ゲッコー号がトラパーを捉えて加速する時、これがきっとエウレカが行った「7分後」なんですよね!
こういう遊び心ある演出、大好きです。
#トラパーの正式名称=トランサパランス・ライト・パーティクルが天気予報のテロップで流れるのも笑いました。
さらに、今回出てきた「バーミリオン小隊」!!
これってメカデザの河森正治さんへのサービスですか(笑)。
■音楽も良い
音楽もかなり良いですね。
特にニルバーシュのバトルシーンなんて最高ですね。
またOPの「DAYS」、これがまた良いですね。
これぞ「エウレカセブン」!!みたいな爽快感。
かなりマッチしてます。
■見逃しちゃった人に朗報!!
いつもお世話になっている浮島さんからの情報なんですが、パソコンテレビのGyaOで手続きをすれば第1話、第2話を無料で視聴できるみたいです。
#私自身は登録していないので詳細はまだちょっと分からないのですが。
再放送も深夜にやっているみたいなんで、こういうのが好きな人にはこの「交響詩篇 エウレカセブン」個人的に非常にお勧めです。
交響詩篇エウレカセブン 1 DVD 定価: 価格:¥3,192(税込) OFF :¥798(20%) 予約期間中は20%OFFらしい 2005/7/22発売 第1話 第2話を収録 お勧めです!! |
>#しかもこの気付いていなかった部分をきちんと回収しているところもまた(脚本が)凄い。
そうですよね!色々な方のブログを読んだんですが、この意見が少なかったような気がしたんですよね~。燕。さんがおっしゃってるので、この考えに私も自信が持てましたよ~。
>#トラパーの正式名称=トランサパランス・ライト・パーティクル
あれってそういう意味だったんですね!全く気付きませんでした。
そーっすね。最初は嫌われキャラっぽく配置されてたような気もする爺ちゃんですが、最初から性格と言うかキャラが既にがっちり固めてあるので、最初から爺ちゃんには愛着がわいてました。なんていうか自分の爺ちゃんと比較するのが理由かなと。特に爺ちゃんがもういない人とかにはすごく愛着が生じる人だと。
頑固で心配性で孫想いで、そしてどこかかわいい(ぉ
もう今週なんか本当に可愛かったです。年寄りを泣かせるんじゃないのあとで、めっさ嬉しそうにレントンにいう台詞を練習してる姿なんか、その5秒後が分かってるだけに泣き笑いしてしまう。
僕の爺ちゃんまだ健在ですが、この爺ちゃんの孫になりたいと本気で思ってしまうぐらい好きになりました(それもどうだ
ユートのお父さんとは天と地の差ですね。
あと、エウレカの息子達はどういういきさつがあるのか気になりますな。しかしレントン。本当のままと勘違いなんて、君は本当に可愛いやつだ。
エウレカ、メンバーの中では一番まともなレディーになるんでしょうか。ラクスママと比べるとそれほどママというか母性は感じられないような。
普通すぎて評価が低いレントン。じゃあどんなのなら気に入るか考察。
①アクエリオンの主人公
獣属性、暴れる。食料コストかかりまくり。時折人格入れ替わる。でも個性はばっちり。
②ドモン・カッシュ
同じ絵の中にいたらそれだけで笑っちゃいます。世界観も崩壊。素手でニルバーシュ破壊する主人公なぞいくらなんでも期待値を上回りすぎてるだしょう。
③(新)流 竜馬
『早乙女の、ジッジイィィィィ!!!』
とか言う方の竜馬。個性というかキャラ濃すぎ。
④ロム・ストール
十中八九。出番のほとんどを奪われますな。
⑤木原マサキ
危険度No1。いや、一番危険なのは明神タケルか?
⑥シン
一番いらん(ぇ
イイですね~!燕。さんの感想・考察も最高ですね
>時間の台詞
おそらく 燕。さん 3回以上録画画面を見直して時間を計ったんじゃ・・・・(笑)しかも 正座して(ごめんなさい)
燕。さんの感想・考察の長さ・深さは そのまま その作品への愛情の深さだったり 期待の大きさを表していますね!(分かり易いです(笑))例えば・・・「蒼穹のファフナー」とか・・・
感想・考察を読ませて頂くだけで1話分観たような気分になります(スゴイ!)
>OP
~♪ 最初の嘘 最後の言葉~♪と歌が流れたあとに
ニルヴァーシュ→レントン→エウレカの順に 顔を上げるシーンが大好きです!(表情もイイですね)
>男の水平線
第107回・・・男たるもの 多少は野獣のように・・・(笑)
ガクガク震えながら 読んでいる姿が カワイイです(しかも エウレカに見られてるし・・・)
>サーストンのじっちゃん
じっちゃんとの会話・別れ・旅立ち・・・僕も ほろっときました(オチも・・)旅立ちが丁寧に描かれていると すっきりして気持ちがいいですね!
僕が注目した所は 二つあります
一つは じっちゃんの掌(てのひら)です・・・男手ひとつで 苦労しながらレントンを育ててきたんだろうな~と思わせる「火傷」の痕(こんな 細かい所まで・・・と びっくり)
二つ目はセリフです・・・レントンとの会話が終わって レントン専用の工具を取りに行って 戻ってくる時・・・お前用の 工具を『ひそかに』買っておいた・・・ん!? 『ひそかに』・・・
僕の想像ですが・・・ 昔 宇宙を往く無敵の戦艦に乗っていた技師長が よく 「こんなこともあろうかと 『ひそかに』開発した 機械を試してくれ」と言っていました・・・声優も一緒だし・・・(アソビですか?それとも考えすぎ・・・)メカニックだし・・・
>「バーミリオン小隊」!!
ニヤリ! 出ましたね・・・秒殺でしたが・・(笑)
>ゲッコー号
ゲッコー号が ゴッドフェニックスの火の鳥に見える僕はタツノコ育ちです(笑)
エウレカセブンにハマって(ケロロ軍曹の定規セットが欲しくて)少年エースAを買ったのは 内緒です!(笑)
>最後に
・・「何言ってんだ 男は家に帰って来たら パンツ一丁って 決まってんだろう!」・・
・・・はい! その通りです(笑) おぉ!唯一ホランドとの共通点が・・・(号泣)
・・・それでは・・・また!
おじいちゃんのパートは結構渋いですよね。そして泣かせるみたいな。
昔はおじいちゃんも無茶してて、子供たちにはそうなって欲しくないけど、どこかでそれを期待している、そういう表現がきちんとされているのが凄いなと。
だからレントンがゲッコーステートへ行くと最後になって分かっても送り出せちゃうみたいな。
こういう丁寧な脚本がエウレカセブンの醍醐味ですね。
>ドミニアさんへ
>頑固で心配性で孫想いで、そしてどこかかわいい
なるほど(笑)。
おじいちゃん、確かにかわいいですね。
きっと過去編やってくれると思っているんですが、若かりし頃のおじいちゃん出てきて欲しいところです。
>エウレカ、メンバーの中では一番まともなレディーになるんでしょうか
いや、たぶん一番ぶっ飛んでるんじゃないでしょうか?
何か一般常識では測れない感じがしてます(個人的に)。
レントンのキャラ付けですが、ドミニアさんの濃すぎる(笑)。
で6番目は薄すぎる(笑えない)。
>西郷さんへ
時間は正確には計っていませんが、3回観たのは事実です(笑)。
僕もOPのあのサビにに入る直前のいろんなカットが連続で入るところ、かなり大好きですね。
ゾクゾクしますよね。あのエウレカの瞳に映る影も気になりますよね。
レントンは結構等身大の14歳みたいなところをきちんと出してくれてるんで微笑ましいです。
おじいちゃんについては、火傷の傷と宇宙戦艦に乗っていたのが後々リンクしたりして(ネタなのに)。
つか、火傷の傷は過去編で語られたりするんじゃないですかね?
>タツノコ育ちです
同じくです(笑)。
>ホランドとの共通点
この共通点は結婚してから改めました(ぎゃー)。
明日の放送が待ちきれず、ネットカフェで1話と2話のストーリーミングを見に行ってしまいました星菜です(笑)。
3話って、シリアスもギャグも色々てんこ盛りで、どこに焦点を絞るか困る部分もあるのですが、それでも、レントン(少年)の成長物語に焦点を当ててくださる燕。さまの文に感服しております。
◎じっちゃんの会話でのカン違い。
気づく人は気づきますよね(笑)
だからこそ、ラストの発掘屋との会話がさらに胸に響くし。じーんとする訳です。
レントンとじっちゃんの会話の時、さりげなく鳥がインサートされてるんですよね。これも旅立ちを告げるサイン(演出)として、効いているなあ。と感心しきり。
◎時間について。
実は、10分後のゲートについては、Bパートに入った最初のカットで、15分経過のストップウォッチが出ているのですよね。もしかして、5分伸ばした?のかしら(苦笑)。
DVD買ったら、本当にリアルタイムなのか、一回時間を計ってみようと思っております(苦笑×3)
◎他作品ネタ
実は結構共感しております。
兄が福井晴敏さんと同い年で、ヤマトやガッチャマンをリアルタイムで見ていましたので(笑)
◎>そうなのだ この時僕は
もっとよくこのことについて考えておくべきだった
そして想像を働かせ
この先に僕を待ち受けている事柄の一部分でも感づいておくべきだったんだ
だけど姉さん このときの僕は生き甲斐を見つけた幸福感で一杯だったうえに
横に座っている彼女の透き通った瞳に見入ってしまっていて
そんな考えを思い浮かべることさえ
いけないことだと思い込んでいたんだ
このモノローグだけ、過去の回想なんですよね。
少なくとも、これが自分が原因で引き起こされた事だと自覚した後の時点の。
それがいつになるのかわからないのですが、レントンにとっての大きな試練の一つのはずですから、しっかり語られて欲しいと願っております。
これからどんな風に物語が転がるのかわかりませんが、じっくり彼らの旅路に付き合っていこうと思います。
では、今日はここで失礼いたします。
エウレカセブンの良いところの一つにストリーミング配信や深夜の再放送をやっているということですよね。
これで結構人に勧めやすいというのはあります。つか、内容も十分面白いので色んな人に観て欲しいですね。
あと、脚本も素晴らしいんですが、演出についても凄いなと思いますね。
鳥の演出についてはご指摘頂いて初めて気が付いたんですが、そう考えるとよくよく考えられた演出が散りばめられているなぁと感心しきりです。
レントンのモノローグというかですね、この物語自体のストーリーテラーがレントンであり、それが回想形式を取っている点、OP曲の「DAYS」がこれもまた過去を振り返っている歌詞内容になっている点から、基本的にレントンの回想録みたいなものになっているのかなと思います。
ゆえにレントンの独白はかなり暗示的なものになっていて、色んな意味がかけられている、そんな気がしますね。
僕も彼らの旅路にゆっくり同行したいと思います。
#他作品ネタ、共感頂き嬉しいです(笑)。