喧噪と余韻 ーロビーにて

映画を待つ間にロビーの喧噪に耳を傾け、終了後は余韻に浸る。グラスを傾けながら、観終わった映画の話でも…。

東へ、西へ(9月26日)&「一献の系譜」、「靴職人と魔法のミシン」

2015-09-27 21:10:25 | 日記
 店には、誰もいなかった。
 他に1組の客がいたが、その客が帰ったら、1人きり。
 「ハーレム状態。」と言われるが、帰りにくくなるので、困る。
 連休の間なので、予想はしてなくもなかったが。

 12時で、「電車がなくなるといけないので。」と店を出て、ホテルに戻る。


 6時前に目が覚める。
 昨日買った新聞に、ゆっくりと目を通し、シャワーを浴びる。

 8時過ぎに、チェックアウト。
 近くの「すき家」で朝定を食べ、上野駅まで歩く。
 時間に余裕があったので、山手線で新宿に移動。

 新宿武蔵野館は、新宿駅近くだが、歌舞伎町に向かう。
 2本目に観る映画を迷っていたのだが、決め、混雑して完売になるといけないので、チケットを買っておくことにした。


 新宿武蔵野館に着くと、ロビーは混雑していた。
 チケットカウンターの表示を見ると、「×」。
 開場時の係員の案内だと、立見もいるようだ。

 新宿武蔵野館1にて、「一献の系譜」、9:45の回を鑑賞(前売1400円、パンフ800円)。
 満席で、立見も18、9名ほど。

「一献の系譜(15年No.120)」
《オープニング》
 風音が聞こえる。
 風に揺れる、一面の稲。
 お供え物のアップ。
 神棚。
 右手に裃を着て座る男性。左手に神棚とお供え物。
 木と供え物を持ち、玄関から雪道に出る裃の男性。一升瓶の清酒を手に、後に続く別の男性。
 雪の積もる田に、木を植え、供え物をする。
 清酒を木にかけ、田の神に豊作を祈る。
 ナレーション(声:篠原ともえ)が始まり、清酒造りの工程が映る。
 お猪口から盃に、酒が滴る。
 揺れる盃の表面に、
 =タイトル=


 能登杜氏の人なりと、酒造りに向かい合う姿、自然との関わりを描いたドキュメンタリー。
 2週間の限定上映でモーニングショーという情報があって、上映初日に観ておくしかないと考えていた。
 杜氏や、清酒造りを描いたドキュメンタリーは、テレビなどで見ているだけに、個人的には表面的な感じがして、終わった後に、小首を傾げてしまった。
 終わって、酒を飲みたいとか、能登に行きたいとか、そういう気が湧かなかった。

 自然は美しいし、杜氏さんたちは魅力的だが、複数の杜氏を取り上げたオムニバス的作品だからだろうか。

 或いは、好きで、いろいろ映像を観ているからかも知れない。

《エンディング》
 雪の中。田の神への豊作祈願。


 上映終了後の、監督の舞台挨拶が、20分ほど。
 次の映画の上映開始まで、40分。
 移動に10分はかからないが、あまり時間はない。
 歌舞伎町に移動し、店を覗いて歩く。
 大阪王将の店内に、客があまりいなかったので、入って五目炒飯を注文。
    
 食べ終え、TOHOシネマズへ歩いて向かう。
 着いたら、入場開始時間だった。


 TOHOシネマズ新宿、スクリーン8にて、「ヴィンセントが教えてくれた」、12:30の回を鑑賞(当日1800円、パンフ720円)。
 幅広い客層で、観客は70名ほど。
 字幕は、石田泰子さん。

 原題は、「ST.VINCENT」。その、タイトルの意味は、終盤に分かる。原題も、邦題も、映画を観ると、それぞれに味わい深い。
 満足感の高い映画で、クライマックス、目頭が熱くなった。

 「心が叫びたがっているんだ。」と、どちらにするか迷いながら、青春映画を観る年齢でもないかと、「ヴィンセントが~」を選択したが、良かった!!

 新宿駅に向かうとき、上映時間の表示を見たら、「ヴィンセントが~」の14:50の回は、完売になっていた。


 新宿駅から、湘南新宿ライン快速で、小山に移動。

 上映開始時間まで余裕がある。
 終了時間を考え、観る前に夕食を取ることにした。
 肉汁うどんにしようかと考えたが、「20分ほどかかる。」と言われ、変えることに。
 ニンニクは嫌いなのだが、仕方ない。
 「宇味家(うまいや)」で、焼餃子シングル(6個)とライスセットを注文。
    
 皮は、モチモチ。
 焼き面は、パリパリ。
 噛むと、細かい刺激を感じるのは、ニンニクか。
 ま、苦にはならない。


 夕食を終え、隣のビルへ移動。

 小山シネマロブレ1にて、
    
「靴職人と魔法のミシン」、17:25の回を鑑賞(当日1800円、パンフ720円)。
 観客は、3名。
 字幕は、石田泰子さん。

 シネマロブレで予告編を見て、観たかった。
 アダム・サンドラー主演で、ダスティン・ホフマンが父親役。
 ヒューマン・コメディ、人間ドラマとの括りだが、ちょっと不思議なファンタジーという感じ。

「靴職人と魔法のミシン(15年No.122)」
《オープニング》
 足音が聞こえる。
 1903年のクレジット。
 足元が映る。
 ハットに、髭面の男。
 「シムキンの靴修理店」に入っていく。
 職人たちの会議。
 シムキンの前に、一足の靴が置かれる。
 ミシンで、靴を縫っているシムキン。
 話しかけてきた息子に、そのミシンが店にある由来を話し始める父親。

 電車に乗っているマックス・シムキン(演:アダム・サンドラー)。
 街路を歩くマックス。
 クレジットが始まる。
 店に着き、シャッターを開ける。
 靴を修理する模様が映る。
 =タイトル=

 エプロン姿で店の前で、カップコーヒー片手に立つマックス。
 隣の理髪店のジミー(演:スティーヴ・ブシェミ)が出勤して来て、店を開ける。
 挨拶を交わす2人。

 マックスは、ストリート・ギャングのレオン(演:クリフ・"メソッド・マン"・スミス)からの靴修理の依頼を受け、修理中に普段使っているミシンが壊れる。 マックスは、店の地下に仕舞われていた、古いミシンを使う。

 取りに来ると言ったレオンを、閉店後も待ちながら、退屈しのぎにレオンの靴を履くと、鏡に写った姿はレオンだった。

 古いミシンで縫った靴を履くと、靴の持ち主に姿が変わるのだった。

 詳しいストーリーは、説明しない方が良いと思う。
 最初は、ミシンの力でイタズラしていたマックスが、クライマックスにはその力で悪い企みを打ち砕く。
 そして、終盤に明かされるある事実。

《エンディング》
 光瞬く夜の街。
 店にミシンが来た由来が語られる。

 ラストは、親子愛の物語になっていただろうか。
 もっとコメディかと思っていたので、予想とは違った。
 どちらかといえば、感動系。
 ただ、…。
 ダスティン・ホフマンは、さすがの演技力だった。


 さて、宇都宮へ帰ろう。
 明日、観ようと思えば、2本は観れるだろうが、完全休養日にしよう。
 3本とも、観ていて、眠い瞬間があった。
 睡眠不足は、歴然だ。

東へ、西へ(9月25日)&「赤い玉、」、「わたしに会うまでの1600キロ」

2015-09-27 17:02:51 | 日記
 シルバーウィーク明け、24日、25日と休暇を取った。
 そのまま、長岡にいることも出来たが、9連休で日曜日に戻り、翌日から仕事は嫌だった。

 24日に、母をかかりつけの医院に送迎し、午後に宇都宮に戻った。
 高速代を少し浮かせるため、1時間前後一般道を走り、あとは高速を使うが、3時間半のドライブは、近頃疲れる。


 25日~26日と、都内へ映画鑑賞に出る。
 休暇を取りながら、戻った理由の1つが、映画だ。
 観たい映画が、3本ほどあり、プラス前売券購入済みの映画が1本。
 ここで観ておかないと、見逃す可能性が高くなる。


 ほぼ、出勤時と同じ時間に、部屋を出る。
 最初観る映画については、2本で迷っていた。
 どちらにするかで、新幹線になるか、在来線で行けるかが、決まる。

 宇都宮駅に着く前に、決めた。


 新幹線で大宮へ。
 大宮駅で、一回改札を出て、入り直す。
 埼京線快速で、新宿へ移動。
 時間に余裕があったので、トイレタイムで新宿ピカデリーに寄る。

 トイレを終え、伊勢丹方面へ。


 テアトル新宿にて、「赤い玉、」、9:50の回を鑑賞(会員サービスデー1000円、パンフ800円。ただし、売り切れで、入荷未定)。
 平日の朝初回なので、さすがに少なく、高齢者中心で、観客数は15名ほどか。

「赤い玉、(15年No.117)」
《オープニング》
 桜が咲き誇る用水路。
 (画面左手)ベンチに座り、うつむき加減にタバコを吸う初老の男がいる。
 男、時田修次(演:奥田瑛二)のアップ。
 咳き込むと、携帯灰皿に灰を落とす。
 桜のアップ。
 水面に溜まった桜のピンクの花びらに、
 =タイトル=
 “赤い玉”は白いく、“、”は赤く。

 ホワイトボードに、5つの四角と、その中に○を描くと、学生たちに、「どう見えるか。」と聞く時田。
 それぞれの答えを口にする、加藤愛子(演:土居志央梨)ら、学生たち。

 店で買ったトイレットペーパーを片手に、マンションの一室に入る時田。

 浴室、左手に座った時田。右手に立ち、時田の頭を洗う大場唯(演:不二子)。
 唯が、喘ぐ。
 喘ぎながら、頭を洗い続ける。

 浴室から上がり、素っ裸のまま、ビールを飲む、2人の後ろ姿。


 予告編を観て、観たかった作品。

 昭和のエロス感があった。
 日活ロマンポルノよりは、ピンク映画の雰囲気か。

 女子高生、北小路律子(演:村上由規乃)と、時田のシーンが、どれが時田が書いている脚本で、どれが映画の中のリアルなのか、判然とすない感じはあったが、それは重要なことではない。

 老いと性。そして、生。
 奥田瑛二の演技に、味わいがあった。


《エンディング》
 部屋で1人、タバコを吸う唯。
 ポタン、と音がする。
 「先生、…」と唯のナレーション。
 桜が写る水面を流れる花びら。をバックにクレジット。
 エンドロール。


 テアトル新宿を出て、新宿駅方面に歩いて向かいながら、ネットで、上映スケジュールを確認。
 明日日比谷で観るつもりの映画が、新宿でも上映しているのを、思い出したのだ。
 ゆっくり昼食を取る時間がないが、間に合う。
 池袋へ移動するつもりだったのを止める。
 紀伊國屋書店地下、“モンスナック”に寄り、ポークカレーで昼食。
    
 この店も、長い。
 スープ状の、サラッとしたルーで、最後には、皿を持ち上げて飲み干したくなるが、さすがにしたことはない。


 昼食を終え、急ぎ移動。


 角川シネマ新宿、シネマ1にて、「わたしに会うまでの1600キロ」、12:15の回を鑑賞(前売1400円、パンフ820円。)
 角川シネマも、TCGメンバーズカードが使えるので、千円で観れたのだが、仕方ない。
 観客数は、15名前後。
 字幕は、佐藤恵子さん。

「わたしに会うまでの1600キロ(15年No.118)」
《オープニング》
 連なる山々。
 荒い息遣いが聞こえる。
 石の上に置かれるトレイルシューズ。
 腰を下ろすシェリル・ストレイド(演:リース・ウィザースプーン)。
 右足の靴下の先が、血で滲んでいる。
 靴下を脱ぎ、剥がれかけた親指の爪を、剥ぐ。
 リュックなど荷物が谷底に落ち掛け、慌て押さえると、シューズが落ちていく。
 シェリルは、立ち上がり、「ふざけんな。バカ!」と、残ったシューズを放り投げると、大声で叫ぶ。
 2、3のカットが差し込まれ、
 =原題「WILD」=

 モーテル前に、車で送ってもらうシェリル。


 精神か、浄化されるような映画だったろうか。
 クライマックスに、山場がある映画ではない。
 シェリルと一緒に歩き、自分と向き合う映画だったような気がする。
 その点で、上手い邦題だったかも知れない。

 重い荷物を背負い、パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)を歩く姿と、シェリルの過去が、交互に描かれていく。

 トレイルで出会う人との交流。
 亡くなった母、別れた夫や、友人たちとの繋がり。
 1人で、過酷な自然歩道を歩きながら、過去の自分と向き合い、シェリルは自分を取り戻していく。


《エンディング》
 ゴールの「神の橋」にたどり着き、橋の中ほどに立ち、河を眺めるシェリル。
 (旅を終えた数年後から)旅を振り返るシェリルのナレーション。
 「コンドルは飛んでいく」が流れ始める。
 エンドロール。


 新宿駅方面に向かいながら、チケットショップを覗くが、前売券が見つからない。
 やむなく、新宿武蔵野館に向かう。
 着いて、販売中の前売券を見ると、ある。
 考えたら、明日からの映画だから、あって当たり前。
 前売券を購入し、直ぐに明日のチケットに変える。


 歌舞伎町方面に向かい、TOHOシネマズ新宿に行き、3本目の映画のチケットを確保する。
 観る予定の前の回(16時台)は、「◎」なのに、観る回は「○」だった。


 また新宿駅方面に向かい、新宿三丁目駅から、丸ノ内線に乗る。
 新宿武蔵野館に向かう途中で紀伊國屋書店に寄り、「さよなら歌舞伎町」のDVDを買ったり、新宿駅周辺を右往左往していたため、計算より時間がかかっていて、予定の時間にギリギリになっていた。

 メトロを乗り継ぎ、ホテルの最寄り駅で降り、急ぎチェックイン。
 直ぐに駅に戻り、銀座駅へ移動。
 17時に予約してあるRe.Ra.Kuに向かう。
 何回か施術してもらったスタッフが、今月で辞めるというので、最後の機会。

 首がかなりコっていて、骨みたいだと言われた。
 そんなにツラくないのだが。
 施術を終え、別れの挨拶をして、新宿に戻る。

 上映開始時間まで余裕がない。
 喜多方ラーメン坂内で夕食。
 喜多方ラーメンのスープをご飯にかけて食べるのが、結構好きなのだが、最近ご無沙汰。
 だが、時間の都合で、ラーメンのみにした。
    


 夕食を終え、TOHOシネマズに移動。
 表示は、「△」になっていた。

 TOHOシネマズ新宿、スクリーン3にて、「チャンス商会~初恋を探して~」、19:10の回を鑑賞(当日1800円、パンフ650)。
 観客は、女性、グループ客が大半で、男性、単独客は少ない。
 観客は、100名ほど。
 字幕は、朴澤蓉子さん。

 女性客も、若い女性が多い。
 入口で、チャンヨルのクリアファイルが配らていて、理由が分かった。
 もっとも、誰か知らず、後で知った。

 木曜日の、スポーツ報知の紹介記事を読み、観たいと思った。
 観ておいて、良かった。
 これだから、韓国映画は侮れない。
 ストーリーに強引さはあるが、納得させるだけのパワーがある。
 コメディタッチで展開し、ラストは感動。
 「拝啓、愛しています」を思い出した。
 若い人より、高齢者向きの映画かとも思った。


 さて、馴染みの店に寄って、ホテルに戻るか。
 今日は、誰か、飲み仲間はいるかな。

清泉 越淡麗 純米吟醸

2015-09-26 21:01:29 | 
《ラベル記載のデータ》
蔵元:久須美酒造(株)
   新潟県長岡市
原料米:越淡麗
精米歩合:50%
アルコール分:15度


《感想》
 マンガ「夏子の酒」の、モデルとなった蔵としても有名な、久須美酒造。
 フジテレビ系列でドラマ化されたときには、実際に蔵でも撮影されたようで、映っていたのを覚えている。
 長岡市内での撮影で、弟が、エキストラで出たと聞いたが、映った姿は見ていない。

 合併により、現在の住所は長岡市だが、旧は和島村になる。

 久須美酒造は、2004年7月に、新潟県を襲った豪雨で被害を受け、その年10月に起きた中越地震でも被害を受けたと聞いた。
 当時、私は栃木県で仕事をしていて、新潟県にはいなかった。
 豪雨の後、新潟県内の高速を走っていて、水に浸かった田んぼが、池のように見えたのを、今も覚えている。

 この間の関東豪雨で、水に浸かった常総市の蔵に、同業者や、取引先が、支援しているという新聞記事を読んだ。
 災害に負けず、早く、立ち直ってもらいたいと思う。


 10月3日に、長岡市内の蔵が集まるイベントがある。
     
 その、前売チケットを、この連休中に長岡駅前の酒屋に買いに出て、ついでに、長岡駅構内の朝日酒造関連の小売店で、この酒を買った。
 多分、家の近所の酒屋にもあるとは思うのだが、休日は休店だった。

 全国新酒鑑評会で、新潟県の成績は、必ずしも良いとは云えない。
 新潟県内で発行されている「財界にいがた」の記事で、新潟県醸造試験場長が言っていたが、その理由の一端に、原料米があるのは確かだろう。
 “山田錦”が主流の中で、新潟県の蔵の多くは、“越淡麗”で造った酒を出品している。
 原料米の品質が、その年の気候で左右される中、造りやすいといわれる山田錦ではなく、まだ良い酒を造るための製造方法が確立していない越淡麗で、鑑評会に挑んでいる、新潟県の各蔵の努力が、いつか実を結ぶことを願っている。


 前置きが長くなった。

 栓を開けると、香りが漂った。
 鼻が良いとはいえないので、自信はないが、バナナに似た香りか。
 吟醸香には、林檎に似た香りと、バナナに似た香りがあると聞く。
 今の流行は、林檎だったか。
 違ったか。

     
 色はなく、透明に近い。

 口に含むと淡麗。
 後から、軽く甘みがくる。
 インパクトはないが、美しいと感じた。

 燗を試してみるつもりで、レンジしたら、時間をミスり、熱燗になってしまった。
 人肌程度に抑えるつもりだったが。
 やはり、熱燗だと、アルコール臭がまずくる。
 だが、甘みは膨らんだ気がした。

 次は、温度をミスしないようにしよう。


《参考》
 購入価格は、720mlで、税込1,955円。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN(15年No.93&No.116)

2015-09-24 21:28:40 | 映画
 コミックの1巻を店頭で見かけたとき、引っ掛かるものを感じたが、手には取らなかった。

 結局、話題になりながら、読むことなく、ここまで来た。

 アニメも見ていないので、殆ど、予備知識を持たずに、実写の本作を観た。

 いろいろと酷評されているような話も聞くが、原作を知らないと、気にはならない。

 とはいえ、ドラマ的部分に関していえば、2作を通して観て、内容がなかったような気もしている。(テーマがなかった訳ではないが、私には届かなかった。)

 正直な感想をいえば、やはり、“怪獣映画”といった感じがした。


 前編98分。
 後編87分。
 合わせての上映時間は、185分だから、3時間5分ということになる。

 コミックス1~2巻ならともかく、巻数の多い原作を、それだけの時間にまとめようという方が無理だろう。

 その点においては、初心者向けに、分かりやすいストーリーに仕上げていたかも知れない。


 映像に関していえば、さすがに樋口真嗣監督とは思うが、巨人と背景が、人物に対して、浮いて見えた感もある。

 特撮とCGの融合ということで、難しい点はあるのだろうが、スピーディーさはあっても、ときに巨人の圧力を感じなかったのは、残念な気がする。


 ぴあ出口調査における平均点は、前編も、後編も、80点に届いていない。
 後編の方が、2点ほど、平均点が低い。
 前編を観ずに、後編だけ観たという観客がいるとは考えにくいので、平均点が下がったのは、観客の期待に応えられなかった部分があるということだろう。


 個人的には、上映時間3時間であれば、前編、後編に分けずに、一気呵成に見せた方が、濃密なドラマ展開に出来たのではないかとも思うが、それはそれで、別の不満が生じていたかも知れない。


《前編》
 映画は、アニメで、百年近く前、突如出現した巨人の説明から始まる。

 アルミン(演:本郷奏多)は、エレン(演:三浦春馬)が仕事を辞めたと聞き、ミカサ(演:水原希子)を誘い丘に向かう。
 2人は、不発弾の上に立つエレンを、見つける。
 不発弾に描かれた海の絵に、ミカサは見たいと言う。
 壁近くに行った3人は、駐屯兵団に咎められるが、ソウダ(演:ピエール瀧)に助けられる。
 そこへ、壁の高さを超える超大型巨人が現れ、壁に穴を開ける。
 開いた穴から、巨人たちが内部に侵入してくる。
 駐屯兵団の攻撃は効果がなく、蹴散らされてしまう。
 町に侵入した巨人たちは、次々に人々を捕食していく。
 エレンの目の前で、子どもを助けようとしたミカサが消えた。


《鑑賞データ》
 公開の2日目の日曜日、T・ジョイ長岡、10:40の回は、観客数98名ほど。 


 2年後。
 外壁再建計画のメンバーに゛エレンとアルミンもいた。
 さまざまな事情を抱え、危険な任務に志願したメンバーたち。ジャン(演:三浦貴大)、サシャ(演:桜庭ななみ)、サンナギ(演:松尾諭)たち。
 兵器班長ハンジ(演:石原さとみ)とともに、シキシマ隊長(演:長谷川博己)率いる偵察隊との合流目指して出発する。

 巨人たちに襲われたエレンたちの前に現れ、危機を救ったのは、ミカサだった。


 夜半、巨人たちに遭遇し、危機に陥る中、エレンたちは決死の反撃をする。
 戦闘の最中、アルミンを救い、エレンが巨人に喰われる。
 ミカサたちの眼前に、巨人が迫ってくるが、巨人の中から巨人が出現し、他の巨人たちに攻撃を加える。

 巨人たちが倒され、出現した巨人が倒れこむと、ソウダの指示がとび、ミカサが巨人の首筋に刀を突き刺す。
 巨人の中から、エレンが現れる。

 エレンの眼が開かれ、
 =タイトル=

 劇中登場の機器をバックに、クレジット。
 後編「エンド オブ ザ ワールド」の予告。
 壁面をバックに、エンドロール。


《エンド オブ ザ ワールド》
 アルミンのナレーションによる、前編のあらすじ紹介。

 エレンの幼少期の記憶。
 父(演:草なぎ剛)に注射器を腕に射されるエレン。止める母(演:緒川たまき)。
 クバル主管(演:國村隼)ら、憲兵隊に連れ去れる両親。
 エレンは、ソウダに預けられ、身を隠す。

 繋がれた状態で目覚めるエレン。
 憲兵隊が銃を向ける中、ソウダが遮り、何か説明しようとするが、クバルにより射殺される。
 再び、銃口がエレンらに向けられたとき、天井を破り、巨人が現れ、エレンを連れ去る。
 =タイトル=

 何者かの妨害工作により、外壁再建のために必要な爆薬を失った再建隊は、アルミンの提案で、不発弾を目指す。


《鑑賞データ》
 公開4日目の火曜日(休日)、T・ジョイ長岡、11:00の回は、観客数75名ほど。


 エレンは、見知らぬ施設で目覚め、シキシマ隊長により、巨人誕生の秘密を聞かされる。


 中の壁を破壊し、巨人たちを向かわせることで、世界を変えようとするシキシマ隊長。

 しばらくは現状を維持し、巨人の脅威を人間に刷り込み、体制を保持することが人間のためと信じるクバル。

 外壁を再建し、巨人の脅威から、罪なき人たちを救おうとするエレンたち。

 三者三様の正義感による戦いが、クライマックスで繰り広げられる。


《エンディング》
 壁の上に並んで立ち、海を見るエレンとミカサ。
 =タイトル=
 エンドロール。
 バックの壁面が上っていくと、空の鳥が映り、一瞬歪む。
 そして、何者かの会話が流れる。


 見終わり、原作のコミックを、読んでみようかと思い始めている。

東へ、西へ(9月12日)&「ピエロがお前を嘲笑う」、「黒衣の刺客」

2015-09-13 23:26:44 | 日記
 火曜日(8日)。
天気予報を気にしながら、週末の予定を組み立てていた。


 水曜日(9日)。

 激しい降りで、部屋にいても、大粒な雨の音が絶え間なく、宇都宮市内の一部地域に避難勧告が出されたことをニュースで知った。


 木曜日(10日)。

 朝、6時前に、携帯が鳴り、起きる。
 上司から、栃木県内に特別警戒が出されたことを知る。
 ニュースを見ながら、その被災状況に、声もなかった。

 ニュースを見て、母が心配しているだろうと思ったが、仕事中は連絡する余裕がなく、帰宅してから連絡するつもりだったが、その前に案ずるメールが届いた。
 帰宅して、あらためて電話する。


 金曜日(11日)。
 台風一過のような晴天。
 まだ、救助を待つ人がいる状況で、浮かれる気分ではなかったが、都内へ出ることを決める。

 帰宅して、着替え、帰省時に買った土産(殆ど、自分が食べてみたいだけなのだが。)を持って、宇都宮駅へ。
 新幹線まで、若干の時間があったので、駅そばで夕食。若干迷ったが、ご飯物が食べたくて、カレーにした。
   

 大宮で降り、改札を抜けて入り直す。

 予約した両国のホテルへ。
 チェックインし、いつもの店へ。

 ドアを開けると、少し寂しい入り。
 知っている皆から、「大丈夫だった?」と聞かれる。
 “心配してくれて、ありがとう。”


 土曜日(12日)。
 夜中に何度か、目を覚ます。
 テレビを見ながら、いよいよ起き出そうかと思ったときに、グラッ。
 短い揺れだったし、震度3くらいと思ったので、「震度4」と聞き、少し驚いた。
 交通機関に遅れが出るだろうと予想し、早めに出ることにした。

 両国駅に着くと、案の定、遅れが発生していた。
 その遅れのおかげで、中央快速へ乗り換えが出来た。


 新宿駅に着いて、朝食。
 コロッケそばにした。
 つゆが染みたコロッケは、割と好きだ。
 コロッケの場合、そばより、うどんの方が合う気もしているのだが、気分的にそばだった。


 新宿ピカデリーに向かう。
 チケットカウンターの脇に、細田守監督の色紙が、飾られていた。


 新宿ピカデリー、シアター3にて、「ピクセル」、8:00の回を鑑賞(前売1400円、パンフ820円)。
 意外と年齢層広く、観客数は58名ほど。
 字幕は、松崎広幸さん。

 愉しかったが、展開にスムーズさが少し欠けているようで、ある意味野暮ったい感じがした。
 ゲームオタクの映画とは思わないが、“こどもな大人の映画”という感じがなくもなかった。


 新宿ピカデリーを出て、新宿駅方面へ。
 チケットショップで、前売券を探すが、1本、見つからない。
 とりあえず、1枚買い、新宿武蔵野館へ。
 チケットカウンターで、観るつもり回を買う。
 まだ上映開始の4時間前だというのに、7割方席が埋まっていた。

 新宿ピカデリーに戻り、前売券が見つからなかった3本目のチケットを購入。
 この映画も、朝、ネットで状況を確認したとき、1回目、2回目の座席状況が、“△”だった。


 丸ノ内線で、銀座駅へ移動。
 11時に予約しておいたリラクゼーションへ。

 右腰にひっかかりがあり、歩きづらかったが、楽になった。


 かごしま遊楽館に寄り、芋焼酎を見ていたら、「炭火焼安納芋」の文字が目に入る。
 飲んでみたくなり、迷いながらも購入(1836円)。
    


 神保町へ、移動。
 前から、久しく食べてない共栄堂のポークカレーを食べたかった。
    
 やはり、美味い。
 でも、たまにはポーク以外のカレーも、食べてみようか。


 都営新宿線で、新宿三丁目駅へ移動。
 歩いて、紀伊國屋書店へ。
 ソフト関係を、見て回り、新宿駅方面へ。
 歩きながら、ネットで、新宿ピカデリーの状況を確認したら、観る回は“△”に変わっていた。
 早めに取っておいて、良かった。


 新宿武蔵野館1にて、「ピエロがお前を嘲笑う」、12:20の回を鑑賞(前売1400円、パンフ600円)。
 若い人が多いが、年齢幅は広い。友人同士、カップル、単独客といろいろ。
 都内で武蔵野館だけだからだろうが、満席で、立見もいる。
 字幕は、林完治さん。


「ピエロがお前を嘲笑う(15年No.110)」

 試写会で、「9割超が、結末を見抜けなかった。」という記事を読み、挑む気で観る気になった。
 確かに、トラップがあって、見抜いたつもりが騙される展開だ。
 意外とか、どんでん返しといったラストとは思わないが、最後まで読みはブレた。
 布石と思った材料が、騙しの材料だったりする。

《オープニング》
 コロンビアのロゴから、重い弦が奏でる音楽が始まる。
 若い男のナレーションが流れ出す。
 公衆電話で電話をかける、フードの若い男。呼び出し音が続く。
 若い男が、ドアを開けて入ると、血だらけの部屋。
 床に倒れた男。
 ベッドに仰向けの男。
 浴室では、刺青の腕だけが見える。
 若い男が、床に落ちていた薬莢を拾う。

 オープニングロール。
 =原題=
 取調室で、椅子に座る若い男、ベンヤミン(演:トム・シリング)。

 殺人事件への関与を疑われ、出頭した天才ハッカーのベンヤミン。
 彼が自らの生い立ちと事件に至る経緯を語る。


 この手の映画は、ラストを語れない。
 終わった後に、場内で、「もう一回観たい。」という声が聞こえ、帰り道語り合っている客が多かったように見えた。

 出るときに確認したら、16:30の回も売り切れだった。


 新宿ピカデリーに向かう。
 チケットカウンターで確認すると、“×”。やはり、買っておいて良かった。

 新宿ピカデリー、シアター4にて、「黒衣の刺客」、16:50の回を鑑賞(当日1800円、パンフ820円)。
 幅広い感も、年齢層高めか。高齢者が多かった気がする。
 字幕は、小坂史子さん。

「黒衣の刺客(15年No.111)」

 自然美の映画。そんな印象だ。
 鳥の囀りや川のせせらぎ。山や草原。そんな自然音や、風景が、美しい映画だった。
 そして、静かな、静謐な、映画だった。
 睡眠不足の体調で、何度か、眠りに落ち掛かったが。

 殺陣のシーンも、様式美というか、美しさのある映像だった。

 ただ、展開的に、山場がなかった印象だ。
 平坦というのと、少し違うのだが。

 歴史的知識に乏しいせいか、時代背景や、人間関係が、半ばまで上手く理解できなかったのが、それらの側面としてあると思うが。

《オープニング》
 時代背景についてのクレジット。
 モノクロの映像。
 木に繋がれた2頭の馬。
 木を背に立つ、黒衣と白衣の2人の女性。
 白衣の女、道士嘉信(演:シュー・ファンイー)が、向こうの男の暗殺を命じる。
 難なくこなす、黒衣の女、隠娘(演:スー・チー)。

 宮廷。子と、妻と戯れる男。
 天井に隠れ、様子を見ていた隠娘が、降り立つ。だが、そのまま、立ち去ろうとする。
 立ち去る隠娘に、剣を投ずる男。
 隠娘は避け、そのまま歩み去る。

 崖に立つ寺院。階段を上る女。
 道士嘉信から、遅かったと問われる。
 隠娘は、従兄弟であり、魏博の節度使、田季安(演:チャン・チェン)の暗殺を命じられる。

 カラー映像に変わる。
 夕景の沼。
 =タイトル=

 ラストは、日本に帰る遣唐使の男(演:妻夫木聡)を、新羅まで送る草原を行く姿。


 もう1本観たかったが、疲れもあったので帰ることにした。
 新宿駅で、埼京線遅れのアナウンスを聞き、中央快速、山手線で上野駅へ。
 上手く、宇都宮線快速に間に合った。

 来週は、連休で帰省だ。渋滞だけが、頭が痛い。