実在したネイビーシールズの元隊員で、“伝説”とニックネームが付けられた狙撃手の回顧録が原作だという本作品は、ラストシーン後に、鎮魂的な音楽をバックに、本人に関するニュース映像などが写される。
その後、出演者やスタッフなどの名前が、黒い画面に白い文字で下から上にゆっくりと動くだけで、音声のない沈黙の中で終わる。
エンディング中にシアターを出る観客もいたが、終わった後もざわめきは直ぐには戻らず、観客たちは静かに席を立っていった。
冒頭から終盤まで、戦場のシーンが多く、緊張感が途切れない。
それが、主人公クリス・カイル(演:ブラッドリー・クーパー)が除隊して家族の元に戻るラスト前からは穏やかな時間が訪れる。
心や身体負傷した帰還兵と触れ合う中で、自身の心も病んでいたカイルは、心からの笑顔を家族に向けられるまでに回復する。
私は、ラストシーンで、目頭を濡らしてしまった。
映画は、戦場から始まる。
《オープニング》
ワーナー・ブラザースのロゴが映る。
サイレンのような、拡声器から流れる声に、鼓動のような音が重なる。
映画会社のロゴの途中から、キャタピラーの音が加わる。
戦車が、大写しになる。
左脇に、兵士の上半身。
中東の街を行く戦車と、両脇を歩く兵士たち。
ドアの前に立ち、開け、探索のため家に入る。
建物の屋上で腹這いになり、ライフルに付けたスコープを覗く兵士。
建物の上から携帯で話しながら、軍を偵察してる風な男を見つけ、報告する。
「偵察しているようなら、判断で撃て。」と命じられ、照準を向けるが、男は引っ込む。
その建物から、何かを隠し持った女性と子どもが出てきて、軍に向かって歩き出す。
女性が、子どもに金属製の筒状の物を渡す。
照準を、子どもに向ける。
ライフルの引き金がアップになる。
指が、引き金にかかる。
林に立つ鹿が映り、一発の銃声がする。
《鑑賞データ》
公開初日の土曜日。新宿バルト9、09:00の回は、朝早いにもかかわらず、幅広い客層で120~130名くらいの観客数。
字幕は、松浦美奈さん。
父とのハント、教会、弟をイジメた相手を殴り父に賞賛されたこと。育った環境が端的に語られる導入部。
入隊から訓練、妻タヤ(演:シエナ・ミラー)との出会いが描かれ、結婚式から、第1回目の派遣。そして、オープニングのシーンへ。
狙撃手としての目覚まし活躍の一方で、その標的は、ときに女性であったり、ときに子どもであったりする。任務を遂行しなければ、多くの同胞が死傷する中で、ぎりぎりの決断を迫られる。
銃撃戦の中で、仲間が死傷し、自身も死に直面する。
どんなに鍛えられていたにしても、精神を病まない方がおかしい。
都合4回の派遣の合間、帰国して家族と生活していても、妻タヤからは、「心は帰ってきていない。」と言われる。
祖国を、同胞を、家族を守るために、戦場に気がかりだったカイルが、子どもとじゃれる犬に過剰に反応したり、帰国しても、直ぐには家族のもとに帰れないようになる。
ストーリー的には、戦場における相手方のスナイパーとの闘いと、ビン・ラディンの片腕“残虐者”の追跡が軸として描かれている。
第1回目の派遣では、タヤと携帯電話で会話している最中に戦闘になり、電話口からは銃声しか聞こえずに、タヤが泣き崩れるシーンがある。
第4回目の派遣では、テロリストたちに囲まれ激しい銃撃戦の最中、タヤに泣きながら「帰る」と電話するカイルのシーンがある。
この映画は、家族との絆も描かれている。
《エンディング》
帰還兵の母親に頼まれ、その帰還兵と話すために出掛けるというカイル。息子に留守を頼み、タヤに笑顔を向け、出ていく。
半開きのドアから、見送るタヤ。
その日、その帰還兵によって、カイルが殺されたとのクレジット。
国旗を持ち沿道に並ぶ人々や、スタジアムにおける追悼式などの映像が、鎮魂的な音楽をバックに流れる。
音楽が消え、文字だけのエンディングロール。
その後、出演者やスタッフなどの名前が、黒い画面に白い文字で下から上にゆっくりと動くだけで、音声のない沈黙の中で終わる。
エンディング中にシアターを出る観客もいたが、終わった後もざわめきは直ぐには戻らず、観客たちは静かに席を立っていった。
冒頭から終盤まで、戦場のシーンが多く、緊張感が途切れない。
それが、主人公クリス・カイル(演:ブラッドリー・クーパー)が除隊して家族の元に戻るラスト前からは穏やかな時間が訪れる。
心や身体負傷した帰還兵と触れ合う中で、自身の心も病んでいたカイルは、心からの笑顔を家族に向けられるまでに回復する。
私は、ラストシーンで、目頭を濡らしてしまった。
映画は、戦場から始まる。
《オープニング》
ワーナー・ブラザースのロゴが映る。
サイレンのような、拡声器から流れる声に、鼓動のような音が重なる。
映画会社のロゴの途中から、キャタピラーの音が加わる。
戦車が、大写しになる。
左脇に、兵士の上半身。
中東の街を行く戦車と、両脇を歩く兵士たち。
ドアの前に立ち、開け、探索のため家に入る。
建物の屋上で腹這いになり、ライフルに付けたスコープを覗く兵士。
建物の上から携帯で話しながら、軍を偵察してる風な男を見つけ、報告する。
「偵察しているようなら、判断で撃て。」と命じられ、照準を向けるが、男は引っ込む。
その建物から、何かを隠し持った女性と子どもが出てきて、軍に向かって歩き出す。
女性が、子どもに金属製の筒状の物を渡す。
照準を、子どもに向ける。
ライフルの引き金がアップになる。
指が、引き金にかかる。
林に立つ鹿が映り、一発の銃声がする。
《鑑賞データ》
公開初日の土曜日。新宿バルト9、09:00の回は、朝早いにもかかわらず、幅広い客層で120~130名くらいの観客数。
字幕は、松浦美奈さん。
父とのハント、教会、弟をイジメた相手を殴り父に賞賛されたこと。育った環境が端的に語られる導入部。
入隊から訓練、妻タヤ(演:シエナ・ミラー)との出会いが描かれ、結婚式から、第1回目の派遣。そして、オープニングのシーンへ。
狙撃手としての目覚まし活躍の一方で、その標的は、ときに女性であったり、ときに子どもであったりする。任務を遂行しなければ、多くの同胞が死傷する中で、ぎりぎりの決断を迫られる。
銃撃戦の中で、仲間が死傷し、自身も死に直面する。
どんなに鍛えられていたにしても、精神を病まない方がおかしい。
都合4回の派遣の合間、帰国して家族と生活していても、妻タヤからは、「心は帰ってきていない。」と言われる。
祖国を、同胞を、家族を守るために、戦場に気がかりだったカイルが、子どもとじゃれる犬に過剰に反応したり、帰国しても、直ぐには家族のもとに帰れないようになる。
ストーリー的には、戦場における相手方のスナイパーとの闘いと、ビン・ラディンの片腕“残虐者”の追跡が軸として描かれている。
第1回目の派遣では、タヤと携帯電話で会話している最中に戦闘になり、電話口からは銃声しか聞こえずに、タヤが泣き崩れるシーンがある。
第4回目の派遣では、テロリストたちに囲まれ激しい銃撃戦の最中、タヤに泣きながら「帰る」と電話するカイルのシーンがある。
この映画は、家族との絆も描かれている。
《エンディング》
帰還兵の母親に頼まれ、その帰還兵と話すために出掛けるというカイル。息子に留守を頼み、タヤに笑顔を向け、出ていく。
半開きのドアから、見送るタヤ。
その日、その帰還兵によって、カイルが殺されたとのクレジット。
国旗を持ち沿道に並ぶ人々や、スタジアムにおける追悼式などの映像が、鎮魂的な音楽をバックに流れる。
音楽が消え、文字だけのエンディングロール。