喧噪と余韻 ーロビーにて

映画を待つ間にロビーの喧噪に耳を傾け、終了後は余韻に浸る。グラスを傾けながら、観終わった映画の話でも…。

東へ、西へ(ワイナリーフェスタ&酒まつり)

2013-10-27 23:07:56 | 日記
2つの台風により、天候が不透明だったこの週末。
サイトを見たら、塩尻ワイナリーフェスタは、台風の進路予想のもと、木曜日段階で開催予定とされていた。
早々にチケットが完売した塩尻ワイナリーフェスタに、初参加の会社の同僚と後輩を連れ、土曜日の朝、出発した。

何でそうなったか。
ワイン好きの同僚が、松本にかつて同勤した仲間がいることもあって、早々に行く気満々で、男と女の2人旅はどうかと思ったので、酒好きの若い後輩に声を掛けてもらったら、行くとの返事。
結果、運転手の私に、女性2人の旅になった。
両手に花と、喜んでも良いのだろうが、職場仲間との意識が強いので、浮ついた気持ちにはならなかった。


長岡を出たときには雨だったが、次第に小降りになって行った。

道中、同僚が入っている女子会のメンバーや家族の話で一頻り盛り上がり、愉快だった。
途中2回の休憩を取り、松本に着いたのが、10時半過ぎ。
雨はほとんど上がっていたが、肌寒い気温だった。

宿泊予定のホテルに、車と荷物を預けて、松本駅から塩尻駅を目指す。
普通列車の時刻まで間があり、特急「あずさ」の発車がすぐだったので、トクトク切符の特急回数券を購入して乗車。
ところが、「あずさ」だと思ったら、「スーパーあずさ」で、塩尻駅に停車しない。
仕方ないので、上諏訪駅から戻ることに。
行き違いの「あずさ」には乗れず、40分少し待つことに。

上諏訪駅構内には、足湯があるので、それに浸かりながら、まったりと待ち時間を過ごす。
乗り間違いのドジは、自分たちだけかと思ったら、どうも同じらしい女性グループを発見。自分たちだけでなくて、何かホッとした。
松本で2年生活した自分のミスだけに、少し責任を感じていたが、2人は足湯をエンジョイして、こんなことがなければ、諏訪に来ることはなかっただろうと、前向きで救われた。

塩尻行きの電車内には、雰囲気的に同じ目的らしき客が見受けられた。
塩尻駅で、案の定、その客たちも下車をした。


受付を済ませると、若い後輩は、早速ウェルカムワインへ。
「美味しい。」と、(^^)嬉しそうに戻ってくる。
シャトルバスが、停留所に止まっていたので、とりあえず乗ることに。
最初の松本歯科大特設会場には、アルプスワインのブースがあったがパス。一刻も早く、城戸ワインを飲んでおきたかった。
だが、次のJA塩尻市特設会場で降り、城戸のブースへ行くと、完売の貼り紙。
顔見知りの社長に聞くと、12時15分頃には売り切れたという。
電車を乗り間違えなくても、間に合っていない。
残念だが仕方ない。
後輩は、ここでも(^^)で、「美味しい。」「美味しい。」と試飲していた。
空きっ腹で飲むと酔いが回るので、2人に事前に用意しておいたチーズを渡す。

シャトルバスの列に並び、次の会場へ。
その間に、同僚が先にワイナリーフェスタを楽しんでいる松本の同僚と連絡を取り、次の信濃ワインで落ち合うことに。

信濃ワインからは、男2人に女2人でワイナリー巡り。
信濃ワインで試飲の列に並んだ女性2人は、「7番が美味しい。」と口を揃えるが、2人してハッキリした銘柄を覚えていない。
2人が無料試飲を楽しんでいる間に、私は有料試飲を見て、何杯か飲む。

次に井筒ワインへ。同僚と、2階にある有料試飲会場へ。
後輩と松本の同僚は、無料試飲会場を。とにかく、後輩は楽しそう。
同僚は、信濃ワインの「7番が、今のところトップ」だと言う。

井筒から、林農園へ。
林農場では、トラクターに乗り、農場を一周する。
これまた、同僚も後輩も楽しそう。

メルシャン会場まで歩き、塩尻志学館高校の生徒が造ったワインを試飲する。

シャトルバスで塩尻駅まで戻り、サントリーワインまで歩く。ところが、着いたのが4時頃で、本日は終了と言われ、試飲出来なかった後輩は残念そうだった。

塩尻駅に戻ったら、後輩は再度ウェルカムワインへ。最後の一杯をゲットして、嬉しそうだった。

松本に戻り、ホテルにチェックインして、駅前の馴染みの居酒屋へ。先に松本の同僚が行ってくれていたが、予約で満杯だったらしい。
松本の同僚が、系列店を予約していてくれたので、そちらへ向かう。


3人は地ビール、私は地元の酒で乾杯。メニューを見ながら、馬刺、馬のタタキ、キノコ鍋、ミョウガキュウリ、ホル天(ホルモンの天ぷら)、山賊焼きなど注文する。
女性陣は、「どれもこれも美味しい。」と楽しそうに食べていた。
来る道中で、女性陣からは、「松本の名物は。」と聞かれ、「山賊焼きかな。」と言いながらも困っていたが、女性陣は「みんな美味しい。だから特に名物はない。」という風に納得したらしかった。

居酒屋を出て、次はバーへ。正直、松本に居た頃は、行きたくても機会がなかったが、松本はバーの街でもある。
有名店、「メインバー コート」へ行ってみると、運良く入れた。後から、何組もの客が断られていたので、タイミングが良かったと言うしかない。
女性陣はカクテル、男性陣はウィスキー系。
私の一杯目は、「キルホーマン」の6年を、ストレートで。初めて飲んだが、美味い。最初の香りは、アイラ系特有の香りだったが、ちょっと時間を置いたら、チョコのような甘さを感じた。
次に、「ラフロイグ10年」でハイボール。
ベースの酒の美味さもあり、爽快。
締めは、飲んでみたかった「竹鶴ピュアモルト シェリーウッドフィニッシュ」。
やはり、美味い。


大満足でホテルに戻る。その途中、女性陣はコンビニにスィーツを購入。

部屋に入ると、そのままベッドへ。
夜中、目が覚めたときに頭痛がして、翌朝が心配だった。


一夜明け、天気は快晴。体調も快晴。ただ、疲れは残っていた。

ホテルのロビー。待ち合わせの時間より早く、女性陣は待っていた。
「信州に来た以上、蕎麦が食べたい。」と云う女性陣の意向に応え、松本駅にある蕎麦屋へ。7時半から営業していることに、女性陣は驚いていた。
モーニングメニューのたぬきそば(冷やし)を頼んだら、いなり寿司が2個付いていて、これはビックリ。
女性陣は、月見そば。

朝食後、駐車場へ移動して、松本を出発。
「松本城に寄る?」と聞いたが、「いい。」と言われた。
とはいえ、サービス精神で一周するつもりで運転していたら、竹風堂の看板を見て、「寄ってくれ。」と言う。元々、小布施のサービスエリアには寄る予定だったが、竹風堂があるなら、ここで買っていくと云う。
松本に来る道中、車の中で、女性陣2人、お菓子は何が好きかを話していて、2人とも一口栗羊羹と一致していた。


2人が買い物を済ませるのを待ち、一路「謙信SAKAまつり」会場へ。
高速を上越に向かって走っていると、長野県から新潟県に入り、雨が降り始めた。

会場近くで、パーキングを探し、停めて、徒歩で会場まで。
既に12時半を過ぎていたが、とりあえず試飲券を購入。
先に来ていた、7月まで席を並べて仕事をした同僚を探す。
女性陣2人は、まずはワインと、岩の原のブースを目指す。
行ったり来たり中で、7月までの同僚と合流。
1回別れ、昼食を取ることにした。
寿司屋に入ったら、運転手で飲めない私に、「スミマセン。」と言いながら、生ビールを注文。さらに、岩の原ワインの「寿司に合う赤ワイン」を追加。
食事中、疲れか胃が重かった。
食事中、帰りたい様子だった2人だが、陽が差してきて気が変わったのか、また会場へ向かう。
残り時間、1時間少しの間に、2人はピッチが上がったのか、試飲を繰り返す。
後輩は、笑顔で「美味しい」を連発し、同僚は酒を何本も買う。

7月までの同僚2人と、途中合流し、終了時間近くになり、帰路につくことに。
4人を乗せ、高速を長岡へ向かう。
1人飲まずに、我慢したところもあるが、疲れていて飲みたくない気もあった。
もっとも、一口飲めば、呼び水になって飲めたかも知れないが。

4人を長岡駅に送り、自宅へ帰る。
着くと、疲れで身体がガタガタだった。

また、明日から忙しい。ゆっくり休もう。

2004年10月23日

2013-10-23 07:13:06 | 日記
その時、記憶では歌舞伎町の映画館にいた。観ていたのは、「2046」か、「コラテラル」だった。おそらくは、「コラテラル」だと思うが。

座っていた座席が、少し揺れたのを覚えている。
まさか、そのとき、生まれ故郷が大きく揺れたなどとは、知る由もなかった。

映画館を出たときに、メールに気が付いた。心配した、ネットの友人からだった。
そのメールで、初めて中越地震の発生を知った。
それでも、あそこまでの大きな被害になっているなど、思いもしなかった。

大丈夫だろうとは思いながらも、自宅に電話したが、繋がらなかった。


その、ちょうど一週間前、父の法事で故郷にいた。
その日の夕方、その年の夏に亡くなった伯母の、墓を参りに行った。

その帰り。時間を確認していないが、地震発生と同じくらいの時刻、南の空が、見たこともない紅い色で、綺麗に染まっていた。
写メに撮ろうと思っている間に、消えてしまったが。
後になって思えは、震源となった方向だった。


夜、11時過ぎになって、ようやく弟と連絡が取れ、身内は全員無事だと分かり、ホッとした。

自宅の2階にあった電話の子器の受話器が地震で外れ、それが原因で電話が繋がらなかったことを、後日、帰省したときに知った。


あれから9年。

雨の一日(10月20日)

2013-10-20 21:24:18 | 日記
朝から、冷たい雨だった。

飲み会続きの上に出張続きで、太平洋岸が台風の被害に合っていた水曜日には、高速を車で150Km前後移動した。新潟県内は、さほど風雨が強くなかったが、それでも運転には気を使った。

中の仕事もままならず、全く余裕がない4日間だった。

さすがに、土曜、日曜と、朝、起きれなかった。
いや、6時前後に一度は目を覚ましたが、また寝てしまった。


午後、母を送迎する予定があり、10時までにシネコンに着かなければ、予定を組み替えなければならない中、ぎりぎりの時間で間に合わせられた。

「人類資金」を観に行くため、車を出したときに、フロントガラスを叩く雨は、芯が少し凍っているようにも見えた。

映画を終え、自宅に真っ直ぐに戻り、母を送る。

昼飯やら、夕食用の刺身やらを、近所のスーパーで買い、自宅に戻る。

昼を食べ、夏用だった居間の敷物を、冬の炬燵用に変え、掃除をする。

母からのメールを受け、近所の公民館まで迎えに行く。
母の友人を送り、その足でビジネスシューズを買いに、近所のショップへ。
買い物を済ませ、母と自宅へ帰ると、玄関のカギが開いていた。出るときに掛け忘れたかと思ったが、室内の電気が点いていて、見慣れぬ靴がある。
近所に住む弟が来ていたようだ。

母を降ろし、再び出掛ける。
次の週末、塩尻のワイナリーフェスタに行く。
向こうで待つ後輩へ、チケットの面倒をかけた分、手土産の酒でも買いに。

気温の低くさ、雨粒の大きさに、今年の冬は早いかと心配になる。
次の土日、まだ信州路は、雪にはならないだろうが。

人類資金(13年No.139)

2013-10-20 20:58:35 | 映画
阪本順治監督らしい気はした。硬くて、真っ直ぐ。
メインの女性出演者が、観月ありさだけで、男だけの場面が多いせいかも知れないが。
阪本監督の、過去の作品では、「KT」を、ふと思い出した。

映画は、何も映っていない画面に、上官が、笹倉雅実大尉に、語りかける言葉が聞こえて始まる。
1945年。
笹倉大尉が映る。
箱を開け、中の金塊を確認し、その金塊を夜の海に捨てる。「見せ金だ。」と言って。
停泊させている船に移る。
船には、日本軍の軍資金の金塊が積まれている。作業する軍人たち。運び込まれる爆薬。
それを見つめる、サングラスをした白いシャツのアメリカ国籍の男、ハリー遠藤(演:豊川悦司)。
「何をするつもりか。」と、問い詰める憲兵に、自分の理想を語り、協力するように話す笹倉大尉。
「天皇に忠義を尽くす。」と言う憲兵を、軍刀で刺し殺す笹倉。
丘に上がり、懐中時計を見る遠藤。
空には三日月。

モノクロによる、フィリピン侵攻から日本の復興の映像をバックに、M資金についての説明ナレーション。

三日月の両端が延び、輪になる。金環月食のように。
=タイトル=

2014年。
横断歩道で信号待ちする真舟雄一(演:佐藤浩市)に、青年が募金を呼び掛ける。
一万円札を渡す真舟。
その時、後ろから「他人の金なら、気前よく使える。」と男の声がした。
振り向く真舟。
信号が変わり、渡る人々の流れに、誰か分からない。


公開2日目の日曜日。地元T・ジョイ、10:00の回は、年齢層高めに見えたが、25名前後で幅広い観客。


真舟は、詐欺を仕掛けている途中で、旧知の刑事に出会い、未遂に終わる。
その帰途、交差点で声を掛けてきた男、石優樹(演:森山未來)が現れ、同行を求められる。
後日、石が言った財団のビルを訪れた真舟は、何かの組織の集団に襲われ、石と共に逃げ出す。石は、「市ヶ谷だ。」と言った。

真舟に、本庄(演:岸部一徳)と、Mと名乗る男(演:香取慎吾)が、M資金を盗んで貰いたいと持ち掛ける。


M資金10兆円を盗む仕掛けは、中盤までで終わる。
中盤からは、M資金を管理する組織との対決になり、それまでのクライムサスペンスから、国際サスペンス的色彩にシフトするが、違和感はない。

クライマックスの、国連におけるカペラ共和国代表の演説シーンは臨場感があって、胸に迫るものがあった。


エンディングは、石、Mのその後を描き、世界を旅する真舟が、倒れているところに、現地の幼い男の子が水を運ぶ。真舟が、お礼にと紙幣を渡そうとするが、男の子は受け取らずに去っていく。
倒れたまま、手にした紙幣を見つめる真舟。
エンディングロール。
国際相場のグラフをバックに、取引に関する台詞。


重さがあり、それがテンポの良さを感じさせないが、予告を含めて2時間半の上映時間、長さを感じることはなかった。

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(13年No.137)

2013-10-20 20:58:25 | 映画
肩が凝らずに楽しめたが、物足りなさも残った。
本編の上映時間96分では、仕方もないところだが、深みや捻りはない。
主人公ニックの、警察官時代の相棒として、ケヴィン・ベーコンが登場した段階で、「こいつが黒幕だな。」と分かってしまう。
展開が読めても、それで面白さが損なわれるタイプの映画ではないが、もうヒトヤマ、フタヤマ、ハラハラドキドキさせて欲しかった気はする。


映画は、倉庫らしき扉が見え、主人公ニック(演:ライアン・レイノルズ)のナレーションから始まる。
正面の扉を破り、太ったモンスターが飛び出してくる。後を追うロイ(演:ジェフ・ブリッジス)とニック。
車を避け、身軽に宙を舞ったモンスターは、ビルの壁に立つ。
モンスターに銃を向けるニック。後方から車が転がってきて、ニックを押し潰す。
立ち上がりかけるニック。
=原題=
その数日前。
夜、庭を掘るニック。
何か、金色の破片を埋め、その上に木を植える。
翌朝、寝ているニックを起こしにきた妻のジュリア(演:ステファニー・ショスタク)が、馬乗りになってくる。


公開2日目の土曜日。地元T・ジョイ、11:10の回は、学生のグループと単独客で15名ほどの観客数。
字幕は、林完治さん。


出勤したニックは、相棒のボビー(演:ケヴィン・ベーコン)に、昨夜埋めた金塊を、やはり押収物として申告すると告げる。
そこへ、追っている麻薬犯が見つかったとの報。
現場へ向かう一団。
そこでの銃撃戦の最中、ニックは絶命してしまう。
全てが止まった現場から、屋外に出ると、空に開いた渦巻く穴へ、吸い込まれてニック。


死んだニックは、現世での能力を買われ、R. I. P. D.(成仏できない悪霊を取り締まる組織)にスカウトされる。
新米のニックの相棒にあてがわれたのは、西部開拓時代に保安官だったロイシーファス・パルシファーだった。


バディ物としては定番的展開だが、最初は反目しあう2人が、やがて相棒としての絆を深めていく様が、コメディテイストで楽しめる。
人間界における姿が、ニックは中国系の老人、ロイが絶世の美女で、このコンビがまた笑わせてくれる。

クライマックスの攻防は、展開も映像も新鮮さを感じないし、淡泊な感じもするが、気軽に楽しめる点においては不満もない。


エンディングは、監督官のプロクター(演:メアリー=ルイーズ・パーカー)を見送り、車に向かうニックとロイ。
ロイが、ニックに新しい顔を用意したと身分証を渡す。写真を見て、やや苦笑いのニック。
運転席にニック、助手席にロイ。
運転するニックの姿は…。