杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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テイアニー先生の言葉を失わせる実力 by はぎDoraさん

2006年11月19日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです   
テイアニー先生やスタイン先生は食事のときも症例検討を
青木先生としている気がします。答えが感染症ではなくて、みんな
目点になったこともありました。

以下、はぎDoraさんのコメントをアップさせてもらいました
(決して甘いコースではない)初球をバックスクリーンまで持っていかれた
ピッチャーの気持ちがよ~くわかりました。あるいはボブ・ホーナーに
3打席連続でホームランを打たれた阪神 池田投手の気持ち、というか(古っ!)。
「大リーガー医の一発診断が見てみたい」という動機で青木先生に
症例提示のチャンスを頂きましたが、これ以上ない特等席で見ることができ、
感無量です。

症例提示者としてコメントしますと、
○小生が個人的に一番渋いと思ったのは、「一発診断の考え方の理路」です。
つまり、「鼻が変形している・気管に何かのeventが起きている」⇒
「両者に共通するものは何か」⇒「軟骨richな組織である!」という順番で
一発診断がなされた、ということに、鮮やかなmagicの種明かしを見た
気がしました。
○日本の多くの優秀な一般内科医は、例えば「Saddle nose」という
Key wordからRPの診断に行き着くかもしれません。その他Saddle noseの
鑑別としては、Wegener's granulomatosis、Nasal NK/T cell lymphoma、Microscopic polyangitisなど。
○しかし、そういう考え方の理路「ではなかった」点が小生には非常に
興味深いです。今後個々の症例に接する際に、どのような形で
ファイリングしていくか、ということに関わっていくと思います。
○どういうTrainingや経験の積み重ねがこのような思考理路での
「一発診断」を可能にするのでしょうか?日本でも優秀な内科医の先生が
症例検討会で渋い鑑別を挙げられるシーンを目撃しますが、それとは別種の
凄みを見たように思います。
○仮説としては、systematicに症例に多く接する&各症例から適切なLearning pointを吸収すること、
基礎医学の知識を臨床に持ってこれる形で整理すること
(以前千葉大学の生坂先生も同様のことを言って
おられたと記憶しています…
ってググッたら見つかった。青木先生との鼎談でした)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2605dir/n2605_04.htm
○あたりまえのことなのですが、あたりまえのことをつみかさねると
あたりまえでないことができるようになる、という結論に、この前同僚の
感染症科の先生・現在西海岸でID fellowship中の先生と話したときに至りました。多分そういうことなのでは?
○別解:Tierney先生は最近診断に難渋したRPの症例をdiscussした記憶があって、それが最初に頭に浮かんだ
(←小生レベルで一発診断が可能なメカニズム)
多分違いますね。但し、Tierney先生自身もうまく言語化できないProcessで
RPの診断名が浮かんで、後付け的に「鼻も気管も軟骨richだから」
と説明された可能性はあると思います。

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1 コメント

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ありがとうございます (はぎdora)
2006-11-19 12:06:08
Kanpo-Master先生、コメントをわざわざ記事にUpgradeして下さってありがとうございます!

補足しますと「あたりまえのこと」の中には、「言葉にしてしまうと『あたりまえ』になってしまうけれど、凡庸な繰り返し以上の何か」という含意があります。例えばイチローの「あたりまえ」と私たちの「あたりまえ」が違っていて、イチローの「素振り100回」には、routineのバット運動繰り返し以上の何かがあるんだろう、という感じでしょうか。その「何か」を考えないと、単純に「Tierney先生すごい!(まぁ、重々^2 すごいんですけど)」で終わってしまうと思うのです。
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