杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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慈雲堂内科病院漢方勉強会100回記念

2006年11月30日 | Kanpo-Master の部屋
今日は私、Kanpo-Master   
の師匠が10年間、月1回のペースで続けてこられた漢方勉強会
の100回記念でした。学術の峰尾さんの話も面白かった、、
幕末の蘭学医の台頭と御殿医との戦い、の話も出ました。
そのほか、頭痛と漢方と題して桂枝茯苓丸についてもレクチャーありました。
小児科医であるかの先生はその道20年のベテランですが、
桂枝加竜骨牡蛎湯で中学2年の子の夜尿症を治してから
漢方にはまった、とのことです。私が思い描く臨床像は和洋折衷でのいいところ
取りスタイルです。そこにはevidenceに基づいた若干の西洋医学と東洋医学
の融合があります。primary outcomeは患者さんがいかに良くなるか,と
そこに至る思考プロセスへの反省の繰り返しがあります。
dementiaで夜鳴きする老犬が酸棗仁湯で軽快した話、dementiaの老人が
抑肝散で夜の徘徊が少なくなった話、自閉症の子供が抑肝散陳皮半夏で
笑顔が出てきた話、などいろいろしてくれました。まずは葛根等(TJ-1)
から自分に試してみよう、ということも、、、

あんず医局からは
こいでまん、シムラッチョ、いそむら先生、小島先生、加藤J先生、高田先生
浜野先生、河北病院の橋本先生など、多数の参加をありがとうございました。
ツムラの温泉で体を温めて下さいませ。青柳先生、足あらおか先生、
いのづか先生は次の機会に是非遊びに来てください。





BMJから、、おデブは悪いか?BMI>30は注意

2006年11月28日 | Kanpo-Master の部屋
当直中なKanpo-Masterです  
最近のBMJから興味を引いたものだけざっと流し読みしました。
 http://www.bmj.com/current.shtml#REVIEWS

●Lesson of the week: Polyarticular septic arthritis
C Christodoulou, P Gordon, G Coakley
BMJ 2006;333:1107-1108
→整形外科が何ともない、と言ったとしても、発熱がなくても、WBCが正常でも
複数のjointがinvolveされている場合には積極的にaspirationを
行い診断すべき、というのが僕の勝手なまとめです。
肺炎球菌のseptic arthritisも念頭におくべき疾患ですよねん。

●ABC of obesity: Obesity and cancer
Donald C McMillan, Naveed Sattar, Colin S McArdle
BMJ 2006;333:1109-1111
→デブは悪いか?、そう、、、悪いんです。
癌になるかも知れません。

糖尿病でも癌のリスクが上がります、代謝内分泌科で研修していた
時にはNIDDM type2の教育入院でもルーチンでお腹のエコー検査
やってました。時々胃癌とか膵癌とか、、あったりしますよねん。
以下は日本からの報告。
http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/166/17/1871?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=1&andorexacttitle
=and&andorexacttitleabs=and&andorexactfulltext=
and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&sortspec=relevance&volume=
166&firstpage=1871&resourcetype=HWCIT

Summer-Type Hypersensitivity Pneumonitis

2006年11月27日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。 
このブログも一日平均50~70ipアドレス以上のアクセス、時には100を
超えることもあります。閲覧数は一日150~300になることも多いです
今後ともよろしくお願いします。いろんな人に時々見てますと
いわれます。

おそらくsummer typeのHPに関してはかなりの論文があると
思いますので、何となく選んでみたものを挙げておきます。
以下のreviewによると日本から発信された概念で1974年頃から
報告されているようです。Ⅲ型、Ⅳ型のアレルギーが絡みます
以下はフリーでゲットできます
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=PubMed&list_uids=8563107&dopt=Citation

あとはちょっと長いですが、
[Clin Chest Med 2004;25:531-547]
Hypersensitivity pneumonitis: a multifaceted deceiving disorder
あたりを元に,たむたむと一緒にreviewしてみたいと思います。
MD consult経由でダウンロードできます。

Morning conference 第26回

2006年11月25日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  
第24回:Dr 足あらおかさん:偽膜性腸炎
第25回:Dr こいでまん:MAC Review
     Kanpo-Master: Steroid psychosis(diagnosis&treatment)

両先生方、お疲れ様でした。私も特にMACなどはもっときちんと
自分なりにまとめておきたい部分ですのでいずれまたやります。

そして、、
第26回: Dr たむたむ :季節はずれのSummer Type HP
と題してやってくれます。と、ここに書くことが非常にプレッシャーに
なったりして、、
当直の合間に、休日に、勉強するちょこっとずつの知識が後で
きっと僕らの力になると思います。みんなでレヴェルアップしましょう!


メイロンについての解答

2006年11月21日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
いや~~足洗おかさん、正解です。
そう!メイロンは重炭酸ソーダです。
NaHCO3なので、重炭酸イオンと同時にナトリウムイオンも投与されてしまいます。
7%メイロン20mlには、重炭酸イオンは1.4g含有されます。
ですからNaイオンは、この1アンプル中に1.4x17=23.8mEq入っています。
だから250mlのメイロンだとナトリウム297.5mEq入ってしまいます。
ということで、Na負荷がおきることを知っておいてね。

蘇生時のメイロン使用は、投与のタイミングはあると思います。

で、打ちに行った結果、ファールチップでした。
打球は真下に行っています。

Repalsing Polychondritis

2006年11月20日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです。  
最近、杏林の学生さんで非常に勉強に熱心な人を何人か見かけますが、
burn out しないでください。私はシコシコとAPSRの英語の読み原稿作成中ですが
明日朝6時出発なのに大丈夫かいな、、、
いざとなったらbody languageで乗越えようと思っています。
京都大学あたりの突っ込みがきそうな私の演題でございます。
ところで、RPのreviewで比較的良かったのは、
Ann Intern Med 1998;129:144-122でした。
http://www.emedicine.com/derm/topic375.htm
でも耳とか見れますので、どうぞ。登録必要ですが、、
はぎdoraさんの症例はお題が出たときに、外来でRPを見ているという話
を思い出したのですが、そのすぐ後のTierney先生のさらっとRPとかあるじゃん、
みたいな発言は僕もぞくっとしました。
簡単なまとめとしては、、
■40代から50代におきやすい。

■Ⅱ、Ⅳ、Ⅵ型コラーゲン、プロテオグリカン、
matrillin-1(気管支軟骨のみにあるもの)に対する
自己抗体が証明されている。
細胞性免疫も関わっている。

軟骨がやられる病気と、覚えると、、
耳(つぶれる)、鼻(鞍鼻)、気管、気管支(粘膜肥厚、軟骨輪の消失、気道の狭小化)、関節などがやられます。
胸部レントゲンで肋軟骨の石灰化や気管の狭小化や石灰化をみることも
重要です。
プロテオグリカンの存在するぶどう膜に炎症を起こすことがある。

■リウマチ性疾患との合併が3割程度ある。ですねん。


メイロンについて

2006年11月19日 | 木曜日ランチョンカンファの過去問
さて,3週間ぶりに先週ワンポイントセミナーをやりました.
使用機会は少ないですが,知識としては重要なことです.
メイロンを使用するとき,必要量をしっかり考えていると思います.
B.Eから不足している重炭酸イオン量を出します.
体重X(24-重炭酸イオン濃度)X0.5 単位はmEq
通常は7%メイロンを使用しますから
20mlのメイロンなら重炭酸イオンは1.4g,つまり17mEq入っています.
250mlのメイロンなら210mEq入り
ここで,重要なのが
不足量にかかわらず,どしどし投与してしまって悪いのはアルカローシスになってしまうからですが,他にも問題が生じます.
それは何? というのが質問です.

バッター打ちに行ったぞ! さあどうなる?
あらおか丸の結果、乞う御期待!

今のメジャーリーグは!!

2006年11月19日 | 本日は、、、、、、
久しぶりに投稿します.Mrチンです.
野球の話をされたら黙っていられません.
今年の日米野球は,メジャーの選手は超一流ではなかったのですが,試合内容はものすごい一流の野球をやってくれました.3番4番5番は豪快な打撃を見せ付けましたが,それだけではなくどの選手も基本に忠実,全速力,頭をつかった緻密なプレーをしており観戦に行って本当に驚かされました.逆に日本人のプレーオフぼけが目についてしまった感じでした.
何をいいたい? あ,すみません.
いや,本当は基本に忠実,全速力,頭を使った考える野球は日本人こそが上をいかないとダメなんですよ!!
最近の呼吸器領域の研究会も画像中心になって,画像所見の鑑別や漠然と臨牀症状からのキーワードを発言するようなものばかりになってしまってます.
僕が研修医時代に臨床呼吸器談話会(旧東京田辺)に初めて出席した時は,とてつもない衝撃を受けました.臨床症状をじっくり検討しその上で病態を検討していき,その内容に合うか身体徴候を論議し,その部分を中心に画像も読影していきました.
例えば,咳嗽でも経過で鑑別したり,咳嗽のメカニズムから論議してその障害部位を上気道なのか,下気道なのかを検討しながら,,,,,,,やっていました.
そういう観点から画像を見ていくのでわかりやすく,じっくり胸部X線をみたいとも思えました.今は,すぐCT,CT,CTという状況です.
いつの間にか,愚痴になってしまいました.
その当時のすばらしい先生方も高齢になりたまにしかお会いできなく残念です.
僕自身も呼吸器学の面白さをもっと多くの人にわかってもらえるように動きたいですね.でも,,,,,,,とてもそのような時間をいただけません.
そばに来てくれればあっというコメントを常に渡そうとしていますので,杏林に集まりませんか?
うふふ,,,,,.

テイアニー先生の言葉を失わせる実力 by はぎDoraさん

2006年11月19日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです   
テイアニー先生やスタイン先生は食事のときも症例検討を
青木先生としている気がします。答えが感染症ではなくて、みんな
目点になったこともありました。

以下、はぎDoraさんのコメントをアップさせてもらいました
(決して甘いコースではない)初球をバックスクリーンまで持っていかれた
ピッチャーの気持ちがよ~くわかりました。あるいはボブ・ホーナーに
3打席連続でホームランを打たれた阪神 池田投手の気持ち、というか(古っ!)。
「大リーガー医の一発診断が見てみたい」という動機で青木先生に
症例提示のチャンスを頂きましたが、これ以上ない特等席で見ることができ、
感無量です。

症例提示者としてコメントしますと、
○小生が個人的に一番渋いと思ったのは、「一発診断の考え方の理路」です。
つまり、「鼻が変形している・気管に何かのeventが起きている」⇒
「両者に共通するものは何か」⇒「軟骨richな組織である!」という順番で
一発診断がなされた、ということに、鮮やかなmagicの種明かしを見た
気がしました。
○日本の多くの優秀な一般内科医は、例えば「Saddle nose」という
Key wordからRPの診断に行き着くかもしれません。その他Saddle noseの
鑑別としては、Wegener's granulomatosis、Nasal NK/T cell lymphoma、Microscopic polyangitisなど。
○しかし、そういう考え方の理路「ではなかった」点が小生には非常に
興味深いです。今後個々の症例に接する際に、どのような形で
ファイリングしていくか、ということに関わっていくと思います。
○どういうTrainingや経験の積み重ねがこのような思考理路での
「一発診断」を可能にするのでしょうか?日本でも優秀な内科医の先生が
症例検討会で渋い鑑別を挙げられるシーンを目撃しますが、それとは別種の
凄みを見たように思います。
○仮説としては、systematicに症例に多く接する&各症例から適切なLearning pointを吸収すること、
基礎医学の知識を臨床に持ってこれる形で整理すること
(以前千葉大学の生坂先生も同様のことを言って
おられたと記憶しています…
ってググッたら見つかった。青木先生との鼎談でした)
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2605dir/n2605_04.htm
○あたりまえのことなのですが、あたりまえのことをつみかさねると
あたりまえでないことができるようになる、という結論に、この前同僚の
感染症科の先生・現在西海岸でID fellowship中の先生と話したときに至りました。多分そういうことなのでは?
○別解:Tierney先生は最近診断に難渋したRPの症例をdiscussした記憶があって、それが最初に頭に浮かんだ
(←小生レベルで一発診断が可能なメカニズム)
多分違いますね。但し、Tierney先生自身もうまく言語化できないProcessで
RPの診断名が浮かんで、後付け的に「鼻も気管も軟骨richだから」
と説明された可能性はあると思います。

Tierney先生のレクチャー

2006年11月19日 | Kanpo-Master の部屋
Kanpo-Masterです  
今日は外来の後に、UCSFのテイアニー先生のレクチャーに行ってきました。
驚いたことに杏林の学生さんが3人くらい来てました。
さらに驚いたのは、普段は三菱ウエルファーマーで神田でお会いする
神奈川の小倉先生がいらっしゃていて、あんずの呼吸を見て
いらしてくださったようです。APSRでまた自分の発表の際に来てくださる
ようなので、お会いできると思います。

症例はHagi DoraさんのRelapsing Polychondritis、
クリプトコッカス髄膜炎の2例でした。

一例目はお題が出た瞬間(18才、男性、気管切開などの言葉だけ)
に、鑑別診断が始まり、いきなりRPという言葉が
出てきたのでびっくりしました。呼吸器内科でも知らない人がいるかも
しれない症例なのに.....かくいう私も最近勉強した口ですが、、
Vascular
Infection
Neoplastic
Collogen
Toxic, metabolic
Congenital
Trauma/Degenerative
Iatrogenic
Idiopathic
の形で鑑別診断が次つぎと挙げられ、さすが鑑別診断の神様
です。
いくつかのClinical Pearlがありました。
たとえば、こんな感じ、、
*RA can first present in any decade of life.
*Weight lossを呈する5大疾患
Cancer, TB, DM, hyperthyroid, HIV/AIDS

クリプトコッカスの症例では墨汁染色がされていませんでしたが、
リンパ球優位の髄液を染める場合にはクリプトと間違ってしまう
ことがあるので注意が必要だ、とあとで質問に行ったら
テイアニー先生はおっしゃってました。
名古屋中部労災病院の藤田先生や土浦協同病院の近藤先生にも
再会できて楽しかった、、、
足あらおかさんが、僕がテイアニー待ちしている間に帰ってしまいました。
一緒にごはん食べようと思ったのに、、

Academic activity

2006年11月11日 | お知らせします
Kanpo-Masterです。 
Mrちん、さんから届いた情報を流します。

11月11日:Dr.Branchと2月10日の打合せ
→皿谷、和田参加予定、19時新宿集合、希望者はこの指止まれ

15日(水):倉島先生のご講演:アスペルギルスの肺病変、三鷹産業会館

16日(木): 中田先生、中垣先生との研究カンファレンス

17日(金): professor Barry Marsha講演会(19時、調布駅近く)
ピロリ菌の発見でノーベル賞受賞

18日(土):UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校医学部教授、
一般内科学)のテイアニー先生のレクチャー、300席のみ、
→参加者はかなり早めに集合すべし、
場所:新宿住友ビル、住友スカイルーム 18:00~21:00,症例検討2題

19日(日)~22日(水)APSR:アジア太平洋呼吸器学会(京都)
皿谷、三倉、和田発表予定

22日(水):呼吸器飲み会

28日(火):聖路加国際病院で岡田先生のリウマチレクチャー
      →行きたい人はこの指とまれ

29日(水):青木先生のレクチャー:症例検討

30日(木):慈雲堂内科病院漢方勉強会100回記念
→こいでまん、小屋敷、荒井先生参加をお願いします。漢方飲めます。

締め切り:11月15日 日本感染症学会2007 (京都) 倉井発表予定
     11月21日 日本呼吸器学会2007(東京) 皿谷発表予定
12月10日 呼吸器学会関東地方会→来年2月10日発表