波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

葉叢の偉大な力

2015-06-14 17:06:52 | 散文詩


[葉叢の偉大な力]



にわか雨を避けて 木立の下に入っていると

そこには妙な安らぎがあって

地面はまるで濡れていないのだ

葉叢は 大きな生き物が暴れているかのように

どよめき揺れ動いている

ささやかな葉の 一枚一枚の叢りが こんなにも

強大な力となって 雨の一滴も通さない

まるで御使いの軍団が駆け付けて

取るに足らぬひとりの人間を 必死に守ってくれ

ているかのようだ

ややあって 黒雲は通り過ぎ 振り仰ぐ人間の眼に

日の光が零れてくる

あの大雨を防ぎ止めたものたちとも思えないばか

りに鎮まって ざわめく陽を透かしている 


 ☆ 




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