波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

ツバメ

2015-05-09 01:14:20 | 童詩



◇ツバメ



長旅をして

軒先に着くとすぐ

ツバメは

挨拶をしに

馴染の市場へと

飛んで行った

 
 ◇
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夏雲

2015-05-09 00:42:17 | 童詩



◇夏雲



夏雲が

一日草原で遊んで

帰って行った


 ◇
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天邪鬼な猫

2015-05-09 00:31:57 | 童詩



◇天邪鬼な猫



猫柳の枝を

猫への土産にと

手折って帰った

しかし肝心の猫が

いないのだ

いくら呼んでも

出て来ない

まったく天邪鬼な猫だ


  ◇
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2015-05-09 00:11:12 | 童詩



◇夏



夏が寄せてくる

土用波のように

高まってくる

視界いっぱいに

夏が寄せて来る


  ◇
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子雀

2015-05-07 11:40:15 | 童詩


◇子雀



親雀が餌をとって帰ると、

子雀は親を呑みこむほど大きく口を開く。

親雀はその度に、惨めな思いにかられる。

捕ってきた虫があまりに小さく、

子雀の大きな口との落差に傷つくのだ。

子雀の口が大きければ大きいほど、

頻繁に餌運びをしなければならない。



人間の母親は子供をブランコに乗せて、

遊ばせているというのに。



   ◇
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シャボン玉

2015-05-07 10:51:37 | 童詩


◇シャボン玉



シャボン玉は

この世に生まれたとき

小さな町をそっくり

自分の表面に焼き付けて

持って行こうと思った

そうやってシャボン玉は

みるみる上昇し

青い空に吸い込まれていった



それからというもの

晴れ渡った真昼時

空の深みに

小さな町が蜃気楼のように

浮かび出ることがある



   ◇
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糸蜻蛉

2015-05-07 07:25:20 | 童詩


◇糸蜻蛉


糸蜻蛉は

一日じゅう

同じ草と木の周辺を

漂うように

揺れ動いている



   ◇
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春の海

2015-05-07 06:54:26 | 童詩



◇春の海



たゆたいの

果てはあるのだろうか

春の海よ

それはどのあたり?



  ◇
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2015-05-07 06:39:26 | 童詩
◇鷲


辺りがひっそりしたと思ったら

古木のてっぺんに

鷲が来て留まる

鷲の翼の収め方といったら

ゆったりとしたなかに

アクセントまでついている


  ◇
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2015-05-07 06:13:16 | 童詩

◇燕


燕がやって来た

彼らの素早さときたら

驚くほどだ

しばらく静観なんてことはない

飛びながら決めていく


蛇の出そうな旧い家など

あっさり棄てていく


  ◇
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黄色い蝶

2015-05-06 14:16:53 | 童詩



◇黄色い蝶



暗い山道を

通り過ぎるとき

鮮やかな山吹の黄を

目にした気がした



帰りに寄ってみると

一輪の山吹もない

では あの黄色は?

夢? 幻?



瞼に焼き付いているのは

うつつだ



うつつなら

あれは黄蝶だ!



あのとき黄蝶が生まれて

飛び立ったのだ



  ◇
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蛍の灯

2015-05-06 14:13:31 | 童詩


◇蛍の灯



行くでなし

来るでなし

闇にさまよう

蛍の灯がある



   ◇
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せせらぎ

2015-05-06 14:09:26 | 童詩



◇せせらぎ



せせらぎは

覆う緑の

葉裏を返し

夏が揺れる



  ◇
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旅情

2015-05-06 14:04:52 | 童詩



◇旅情



ローカル線の旅をしている

寂しい思いになるのは

夜行列車の窓に

一つ揺れていた

烏賊釣り舟の灯が

消えてしまったとき…



   ◇

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細い道

2015-05-06 13:59:26 | 童詩



◇細い道



蝸牛の通った跡は

埃ひとつない

細くて綺麗な道になっている

そこを蟻が通る

細い道でも

蟻には十分な道幅だ



ただ蝸牛の歩みが

あまりにも遅いので

蟻の行列に

渋滞が起こっている



   ◇
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