劇団イン・ノート「KAN・KON・SOU・SAI」新潟公演、観てきました。

12/21(木)、22(金)、新潟県民会館小ホールで、東京の劇団イン・ノートという劇団の公演が開催。
こちら、僕はたまたま万代シテイでチラシを見つけて、なんとなく気になり、しかもまさかの無料だったので、12/22(金)に観に行ってみました。

チラシにまさかの演劇のタイトルすら載っていなかたのですが、サイトによると「KAN・KON・SOU・SAI」というタイトル。
一体どんな演劇だろう？と思って観ていると、4人の俳優さん達が登場し、舞台上だけではなく客席にまで飛び出してくる。

すると次第に音楽が流れ出し、次第にノリノリのビートと「KAN・KON・SOU・SAI」という掛け声に合わせて元気に踊り出す4人！
なんかよく分からないが、楽しい始まりだ！

さて、内容は一本の物語ではなく、それぞれ冠婚葬祭にまつわる4つの異なる短編集オムニバスといった内容でした。
ただ、4つの物語を順番にやるのではなく、それぞれの物語を少しずつ同時並行的に描いていて、そして途中の物語と物語の繋ぎがダンスっぽくなっていたりと、演劇的な面白い工夫が感じられました。

それぞれの短編のタイトルはチラシに載っていたのですが、「冠」の物語「コバルトブルーの丘をぬけて」では、成人式の直前なのに穴を掘る仕事に熱中する人物と、それを穴の上から見守る人物の2人演劇。
ハイテンションな掛け合いはコントのようですが、次第に成人式に対する不安と現実逃避、そしてそんな彼を優しく受け止める友情の物語になっていきます。

「婚」の物語「ギブ・ミー・ブーケ」では、結婚式の二次会の予行練習で、新婦の友達代表の女性が結婚する2人に複雑な感情を抱き、新郎の友達代表の男性がツッコミを入れ続けるという、漫才のような2人演劇。
しかし、次第に彼女の複雑な気持ちの奥には、本気で彼らの幸せを願う気持ちがあると分かり、感動的なラストを迎えます。

「葬」の物語「むこう」は一番下らなくて、入院中友達の死ぬ前にAVを見たいという夢を叶えるために、男子高校生3人組がレンタルショップのアダルトコーナーに入る入らないでひたすらバカなやり取りを繰り広げます。
しかし、そんな本当にバカで下ネタ満載の物語のラスト、突然の友人の死に際し、彼らが取った行動が、本当にバカバカしいんですが、不器用な彼らの精一杯の優しさって感じがしてぐっときます。

「祭」の物語「きゅうりの停車場」は、お盆にあの世からきゅうりの馬に乗って帰ろうとする幽霊4人組を描いた、唯一のファンタジー。
きゅうりの馬に乗って帰れるのは1人だけだと分かり、誰が帰るかで争うやり取りがコントのようなのですが、次第にそれぞれの生前の背景が浮かびあがり、さらに4人中唯一の女性が生まれたばかりの子供が生きたままあの世に付いて来てしまったと語り、なんとかその子をこの世に送り帰そうと本気で送り出す…という、人間の死というテーマを描き、唯一の4人揃った演劇だったので、一番力が入っていたかもしれません。

というわけで、4つの物語どれも、最初はコントみたいなやり取りに笑えるのですが、最後は人間臭くてぐっとくる、そんな内容でした。
何より最初から最後まで俳優さんの元気が伝わってきたし、初めて見たはずなのに自分の仲のいい友達が演じているような、親しみを感じる演劇で、そこが大きな魅力だったと思います。

ところで、どうして東京の劇団が新潟公演を行ったかというと、この劇団の中川大喜さんという俳優さんが新潟市の出身とのこと。
それで初めての地元新潟での公演だったということですが、無料で県民会館なんて借りて大丈夫だったのだろうか…しかもわざわざこんな大雪の日に…と、とにかくお疲れ様でしたという気持ちに。

とはいえ、彼が新潟で公演すると言ったら、家族や親戚、地元の友人達がたくさん観に来てくれたそうで、愛されている人なんだなあと思いました。
是非また新潟に来てくれたら嬉しいです！今度は雪のない時に！





そんな新潟出身の中川大喜さんと初対面で挨拶をして、記念撮影をさせていただきました！ありがとうございます！
そして、届いていたお花は観客に配っていて、僕もいただいたら、なんか僕も出演して花束をもらったみたいな写真になってしまった！





あまりに大きな花束だったので、帰ったら花瓶に生けて玄関に飾ることに。
きっとこの花が、年末年始の我が家を明るく照らしてくれるでしょう…というわけで、劇団イン・ノートの皆さん、面白い演劇をありがとうございました！