法曹には常識ですが、LRAの原則ってのがある。
Less Restrictive Alternative。
人権の制約は最小限に。
より制限的でない手段(必要最小限の手段)を探しましょう。
必要でやむを得ない制約だけを課しましょう。
これはすべての人権問題の基本。
憲法の一丁目一番地。
懲役5年が相当の人に、7年の罪を与えてはならない。
無期懲役が相当の人に、死刑の罪を与えてはならない。
人権制限は謙抑的に。
小学生でも分かる法理。
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だから、家庭連合問題も、「ほんとうに、解散命令が必要最小限なのか」を論じないといけない。
でも、安倍元首相暗殺から2年近く、だれも「家庭連合とLRA」を論じていない。
◆ (過去の)被害者救済のためなら、解散はむしろしないほうがいい。解散すると法人がなくなっちゃいますからね、、
東京地方裁判所も、平成29年に、「被害者救済と解散は別」的な判決を出している。被害者救済は不法行為。解散はそれとは別の話。ってね。
・平成29年東京地方裁判所判決(こちら)
◆ 将来の被害者救済のためなら、以下の4つの法改正がある。
これらの4つの法改正で十分ではないのか?
これ以上に、宗教法人を解散させることが「必要でやむを得ない」のか?
(1) 平成30年の消費者契約法改正で、霊感商法が禁じられた。こちら
(2) 令和4年の消費者契約法改正で、さらに厳しく霊感商法が取り締まられた こちら
(3) 同じく令和4年の被害者救済法で、不当な献金も禁じられた。
(4) 昨年12月、さらに、被害者救済特例法ができて、法令違反で解散命令を請求された宗教法人で、被害者が相当多数と認められる場合は「指定宗教法人」に指定し、法人の財産管理を強化した。
精神的自由の中でも、信教の自由は最も重要。表現の自由よりも。学問の自由よりも。
だからLRAの原則があてはまる。
LRAの原則からすると、今の政治で、たっくさん、家庭連合の権利を制限する法律が出来上がってますが、こういう法律を作れば作るほど、「これらの新法で十分だから、解散までは必要ないんじゃない?」ということになる。
つまり、新法を整備すればするほど、LRAの原則からすると、解散は遠のく、という皮肉なことになる。
この「皮肉」に、気づいている識者はほとんどいないはずだ。
大事な人権制約となる「法人の解散」を、だれもLRAから論じない。
日本のメディアと法曹会のリテラシーを思う。
◆ 過去記事
・法曹はLRAなのに、霊感弁連だけMRA(こちら)