デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

かんわきゅうだい 38(The Sound Of Silence)

2016-07-19 01:34:24 | かんわきゅうだい
     

 わが家にある二つの風景画。左は Ju meiki「ポントワース風景」、もう一つは亡き叔父の「出雲半島風景」。前者はある百貨店の展覧会で妻が「こころ救われ」て手に入れた絵、後者は叔父の形見分けに貰った絵。いずれも思い出深い貴重な作品です。

 叔父の絵は、小さい頃から毎日、自宅からも小・中・高校からも見た風景です。この風景も、今はかなり趣が異なりますが、私の郷里の原風景の一つです。叔父から「好きな絵をもって行け」と言われ、ためらいなく選んだ風景画でもあります。

     

 シマジロウが愚息の家からわが家に来て7年余・・・年を追ってかけがえのない存在感を醸しています。人生、否、猫生のすでに半分を過ぎ、お互いに何もかもお見通しです。何もかも見通してなお、お互いの暮らしを眺め、お互いの心を見つめています。

 上中の刺繍は母の作です。器用な人ではありませんから、立体感も色彩のメリハリもなく上手とは言えません。それでも額に入れてわが家の二階の廊下に架けています。先月から父と同じグループホームに入り、落ち着いた日々を過ごしています。



 このブログは、量的にも質的にも心許ないながら「腎がんのメモリー」を軸としています。その心許なさとは何なのかは兎も角、Simon & Garfunkel「The Sound Of Scilence」を聴き、その深い歌詞に「がん」があることに今にして気づきました。

 わが友は暗闇 また君と話したくてここに来た 眠っている間に 不思議な光がそっとしのび寄り その種から生まれた光は 僕の脳裏に埋め込まれた 夢を見ながら 石畳の狭い道を 街燈に照らされ 寒さに思わず襟を立て 独り歩いていた その時 僕の眼を射たのは 夜の闇を切り裂くネオンの閃光だった 
 その閃光を浴びながら 僕は沈黙の響きにそっと触れた そして僕は見た 1万人をこえる人々が ともに語り合うでもなく ともに聴きあうでもなく ただ耳を澄ましている光景 そこに音楽が生まれ 誰ひとり その沈黙の響きを かき乱すことはなかった
 
 君達は知らないのだ 沈黙の静けさは がん細胞が増殖するように社会に深く浸透するということを 
 ・・・それは雨粒のように音もなく降りしきり 音なき井戸の中でこだまする 人々は頭を垂れ 自らが造った神に祈っている 一瞬にして形を整え 世を諌める言葉となり 輝き始める 地下鉄の壁にアパートの廊下に 沈黙の響きとなって 囁かれ駆け巡る 
   
     
                               Painted by QP  

 父は少し前から流動食(ゼリー)も摂取が難しくなりました。適宜、点滴で栄養を補給して貰っています。この夏が越せるだろうかと、姉と話しています。「人生の黄昏」に色彩があるとするなら、淡い黄色の風景ではなく燃える落日であれと思います。

 明日から帰省します。ブログ・・・些か疲れました。休む潮時かなぁと思いました。それでもそう長い休みにはならないと思います。ではでは・・・ご機嫌よう。  

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21 コメント

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おはようございます (うらら)
2016-07-19 06:23:55
某医さんのお疲れが少しでもとれますように。
おもしろいこと言ってまた私をコメント返しで困らせてくださいねぇ。
青春映画「卒業」のテーマ曲で有名な♪サウンド・オブ・サイレンス♪にはそういう内容だったんですね。
胸に染みる曲と菓子(すみません)いえ、歌詞なんですね。

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絵画 (リーのママ@電車)
2016-07-19 09:02:02
いい絵ですね。心が救われる、そういう絵に出会えるって素敵です。
我が家のリビングには、卒業制作で描いたテンペラ技法のボッチェルニの聖母の模写がかかっています。
訪ねて来た友人に、何かの宗教?と言われましたが、今後こんなに手の込んだ絵を描くこともないと思い、飾っています。
忙しいと、絵を描かないで過ごしてきましたが、多分時間があっても絵は描かないと思います。
叔父さんを尊敬します。
お母様、落ち着かれていらっしゃるとのこと、何よりです。
お二人に会いに行かれるのですね。
暑い折、気を付けて行ってらっしゃい。
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燃える落日であれ (sachi)
2016-07-19 09:54:06
デ某さん

私も、そのように思います。
御母様も御父様も近くで、嬉しいく過ごされていることでしょうね。。。

奥様の『こころを救われた』絵画。
叔父様の絵画。
絵や歌は、こころを穏やかにしてくれることを、病気になり知りました。
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素敵な作品 (moka)
2016-07-19 11:28:30
デ某さん、こんにちは。

今頃は、ご両親とご一緒にお過ごしでしょうか?
絵や作品、歌などは後々になって、
それぞれに触れる度、思い出が蘇りますよね。

我が家のリビングには、
娘が幼稚園時代に書いた絵が飾ってあります。
あの頃の娘は素直で愛らしかったのに…
今では、クソ生意気(失礼!)に成長しました。

お忙しくお過ごしとの事…
ご無理せず、時には立ち止まる時間も
必要ですよね。

また、
デ某さんの楽しいコメントで楽しませて下さいね。
その日が来るまで、
気長〜〜〜に待っています
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ブログ疲れましたか? (六花)
2016-07-19 15:38:45
そのお気持ちいまは理解できるような
状況にいます。

二枚の絵に癒やされました。
大切な絵ですね。
そしてお母さまの刺繍 ステキ!です。
フランス刺繍を少し習いましたが
立体的にという要求は先生からききませんでしたが。。
多分もっと時間が経ってからデ某さんに
とってかけがいの無いものにきっとなります。

お父さま そうですか・・
出来るだけともに過ごして下さいネ
思いの丈を尽くしても相手の死から
残されるものは・・
後悔と 深い喪失感だけです。

時間と共に消え去る哀しみは無く
乗り越えるすべもないのが
愛する人の死です。

デ某さん 奥さまと仲良くね!
(アッ・・余計なことかぁ~)
したっけネ~  六花
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こころ救われ (お母ちゃん)
2016-07-19 17:33:41

帰省長旅 梅雨明けの暑さのなか
お帰りお疲れ様でした
お父上の状態この夏を乗り越えられるか・・・・
この夏気が抜けませんね

>ブログ・・・些か疲れました。休む潮時かな
デ某様そのようになさるが宜しくないでしょうか
コメントの細部にまで繊細で優しさの深淵
を綴られジョークも交えながらも
自分を律してブログへ向かっていらっしゃいました
>腎がんのメモリー」を軸としています
原点に戻られてお命をいたわり
ストレス軽減でお過ごしください
暫らく「こころ救われ」の絵を訪問し癒されることと致します
失礼致します
返信する
暑中お見舞い申し上げます。 (Rarudo)
2016-07-19 23:21:13
お昼寝中(?)のシマ君のなんと愛らしいこと!
それをレンズ越しに見つめるデ某さんの暖かくて優しいまなざしを感じます。

奥様が買い求められた穏やかな絵にも
お母様が一針一針心を込めて完成された色鮮やかな刺繍にも
その人らしさがにじみ出ていてびっくりしています。まだお会いしたこともないけれど私が抱いているお二人のイメージ通りの作品なのです。

サウンドオブサイレンスの歌詞は私もつい最近知りました。
曲の美しさと歌詞の空虚さが、あの名作「卒業」を生み出したのですね。
彼と花嫁とその母ミセス・ロビンソン、
ラストシーンはあまりにも有名ですが、彼らに未来はあるのでしょうか。重いストーリーと歌詞でしたね。

心許なさ・・・
私も術後いつまでも続く身体の不調に不安や焦りを感じ始めています。
手術の後遺症だとしてもいつかは良くなるんじゃないかと希望を持っていたんですけど、もうあきらめる潮時なのかなあ・・

お父様の体調も心配ですが
デ某さんもおつかれのご様子なので、しばし夏休みをとられて鋭気を養ってくださいね。また元気になって戻ってこられるのを待っていますから。
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Unknown (こん)
2016-07-20 09:00:57
ことりと、木の葉と、木の実と、
何を思いながら一刺し一刺しされたのでしょう。
見ればその頃のご自分を思い出しておられたことでしょうね。
高槻は暑いですね。
梅雨も明けていっぺんにセミも鳴き出して…時の移ろいは止みませんね。
私も流動食もままならない父の介護に通ってます。離れてると気になって仕方がありません。順番ですね。
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ドウゾゆっくりなさってください (沙羅)
2016-07-20 15:50:00
お父様のことが心配ですね。。
どうぞご両親の介護に集中さなってください。
このブログの素敵な記事を書くのにどれだけのエネルギーが要るのか、一人ひとりへの返事を丁寧に書くエネルギーも相当なもの。

しばらくブログはお休みされて鋭気を養ってください。



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こんばんは。 (SORA)
2016-07-20 21:48:16
今頃は、故郷のお父様、お母様のところでしょうか・・。

ブログ・介護・私生活?色々とありますからお疲れが溜まりましたか?
あらゆる場面で色んな事を考えさせられますね。ゆっくりしてくださいね。

デ某ワールド炸裂するまで
静かに待っています。


Rarudoさんへ
希望、捨てないでくださいね。
術後の不調・・・辛いですね。
私も日を追うごとに小さな不調が増えています。まぁ、仕方ないのかなぁ・・と思いますが希望は捨てずに元気はつらつな自分をイメージしています。お互い焦らずぼちぼち行きましょうね。
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