デ某の「ひょっこりポンポン山」

腎がんのメモリー(術後10年クリアーし"卒がん")、海外旅行記、 吾輩も猫である、人生の棚卸しなど。

ローマ法王の配ったカード 「焼き場に立つ少年」

2018-01-03 17:48:57 | 新聞・TV・映画・舞台・書籍etc.
 大阪は、元旦も二日も良いお天気でした。今日も!と思っていましたら、先刻から陽射しを縫うように小雪が舞い始めました。近くの里山で狐ならぬ狸の結婚式でも行われているのでしょうか。ともあれ狐も狸も人間の皆様も新年明けましておめでとう存じます

    
                                Painted by QP

 私の旧いブログ記にたくさんアクセスがありました。なぜ?と思っていましたら、「ロ-マ法王が異例のカード配布を指示」のニュース。カードには「焼き場に立つ少年」の写真とともに「戦争の結果」とするメッセージと法王ご自身のサインが記されている由。

 このニュースを検索された際、私のブログ記※①②を訪ねられたようです。1945年、被曝した長崎で、妹の亡骸を背負って現れた少年を撮った従軍カメラマンJ.オダネルさんの「焼き場に立つ少年」について、その写真とともに拙ブログに記していたのでした。

   ※① http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/254c93859161c923703907411d940366
   ※② http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/27ce93bf6bcbff0c2bba60d12aa3dfd8
  

 以下、ブログでご紹介した J.オダネルさんの言葉(抜粋)を再掲します。
 『少年は焼場までくると、硬い表情で立ち尽していました。5~10分 立っていたでしょうか。ゆっくりとおんぶ紐を解き、焼き場の熱い灰の上に横たえました。まばゆい炎がさっと舞い上がり、直立不動の少年のまだあどけない頬を赤く照らしました。その時です。炎を食い入るように見つめる少年の唇に血が滲んでいるのに気づきました。余りにきつく噛みしめたため、下唇に赤く血が滲んでいました。夕日のような炎が静まると、少年はくるりときびすを返し、沈黙のまま焼き場を去りました。背筋が凍る光景でした』

    

 2017年のノーベル平和賞を受賞した「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」。その授賞式に招かれスピーチしたのは、広島で被爆し現在カナダ在住のサーロー節子さん。「被爆者に贈られた平和賞」とも言われ、ICANを代表し被爆者として初めてスピーチしました。

『授賞により核兵器の時代を終わらせることは可能であり、人類と核兵器は共存できないのだということに大いなる希望が湧きました。燃えるたいまつを掲げて行進し核の恐怖という暗い夜から脱け出しましょう。どんな障害にも私達は進み続け、多くの人々とこの灯りを分かち合い続けます。この灯りはかけがえのない世界を存続させるために私達が掲げる情熱であり誓いです(スピーチを一部抜粋)』

 被爆者が世界の共感を得る一方、核兵器禁止条約に参加(批准)しない被曝国日本。政府が北朝鮮の核の脅威を世界に訴えても、米国が「緊密な連帯」を表明するだけで、世界の世論は容易に同調しません。その最大の理由が日本の核兵器禁止条約不参加にあります。

    

 これも前記旧いブログでご紹介しました。生後6か月の幼な児とそのママを撮ったケイトリン・ドミニコさんの「赤ちゃんを抱くママの肖像」です。若いママさんの慈しみ、気高さ、輝き、そして母と子の醸しだす愛しさは・・・平和な世界であればこそ!と。・・・ 

 国庫の巨大債務1千兆円は、破綻すれば米国も含めて日本を救う国はありません。リーマンショックの比ではない世界大恐慌を招くでしょう。そのツケは子ども達に覆い被さります。しかし核の脅威から世界中の子ども達を救うことは可能であり間に合います。 

      改めてサーロー節子さんのノーベル平和賞授賞式におけるスピーチ全容をご覧下さい。



【過去ログ目次一覧】
人生の棚卸し http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/ddab58eb8da23a114e2001749326f1f1
新聞・TV・映画etc. http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a7126ea61f3deb897e01ced6b3955ace
吾輩も猫である~40 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/58089c94db4126a1a491cd041749d5d4
吾輩も猫である~80 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/dce7073c79b759aa9bc0707e4cf68e12
吾輩も猫である81~140 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/f9672339825ecefa5d005066d046646f
吾輩も猫である141~ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/b7b2d192a4131e73906057aa293895ef
かんわきゅうだい(57~) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/20297d22fcd28bacdddc1cf81778d34b
かんわきゅうだい(~56) http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/a0b140d3616d89f2b5ea42346a7d80f0
閑話休題 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/c859a3480d132510c809d930cb326dfb
腎がんのメモリー http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/bee90bf51656b2d38e95ee9c0a8dd9d2
旅行記 http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/23d5db550b4853853d7e1a59dbea4b8e
ごあいさつ http://blog.goo.ne.jp/00003193/e/7de1dfba556d627571b3a76d739e5d8c

20 コメント

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あけましておめでとうございます (kao)
2018-01-03 18:56:27
旧年中はお世話になりました。
今年もよろしくお願いいたします。
スピーチ、泣きながら拝聴しました。
実体験のかたのことばはなんと
激しく心を揺さぶるのでしょう。
会場の方もみなさま泣かれておられましたね。・
やはり、みなさまおなじおきもち
だったのだと思います。
また核を使うことは絶対にあっては
なりませんね。でも今の国家のとっている
やり方では促進するばかりと思います。
絶対にやめてもらわねば。。。と
国民のひとりとして 強く思いました。
このスピーチ載せていただきありがとう
ございました。
Re. kaoさん「あけまして・・・」 (デ某)
2018-01-03 22:08:19
kaoさん
早々のコメントありがとうございました

> 旧年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。
昨年 kaoさんと知り合い 「大丈夫」ブログをお訪ねし 本当に嬉しく思っています
こちらこそ本年も宜しくお願い申し上げます

> スピーチ、泣きながら拝聴しました。
> 実体験のかたのことばはなんと激しく心を揺さぶるのでしょう。
言葉であれ音楽であれ・・・出遭い 心を揺り動かされる その瞬間!
いま 人として生きている!ことを 心底 実感いたします。

> 会場の方もみなさま泣かれておられましたね。
> みなさまおなじおきもちだったのだと思います。
このスピーチを通じ 自身そうであったように 更に共感と人の輪が広がることと思います
それが巨大な壁を動かす力となることを願ってやみません。

> 核を使うことは絶対にあってはなりませんね。
> 今の国家のとっているやり方では促進するばかりと思います。
しばしば『(核)抑止力』という言葉が使われます
その言葉(論理)が罷り通るかぎり 核兵器は広がりこそすれ永久になくなりません。
そして ひとたび誰かが!何かで!暴発すれば

> 絶対にやめてもらわねば。。。と国民のひとりとして強く思いました。
国民の多くが願っても核廃絶は容易ではありませんが
少なからぬ国民が「核は必要悪」と思うその現実をやるせなく思います

> このスピーチ載せていただきありがとうございました
偶々ラジオを聴いていてローマ法王のメッセージとサーロー節子さんのスピーチを知りました
少しでも共感の輪が広がれば!と願っています
今年もどうぞよろしくお願いします! (moka)
2018-01-03 23:25:10
デ某さん、
あけましておめでとうございます

その時間、ちょうど休憩室から窓の外を見ると雪が散らついていました。太陽の光が反射してキラキラと綺麗でした。私にとっては初雪でした

なぜ?どうした?何かあった?
突然のアクセスアップ…
ブログあるあるですね。

でも、デ某さんの綴られるブログは、デ某さんの多彩な知識が詰まっているからこそ、世の中のニュースと共に振り返って読まれる方がたくさんいらっしゃるのだと思います。

デ某さんが書かれた「焼き場に立つ少年」についてのブログ記事…しっかりと覚えています。
ギュっと食いしばった彼の口元と背中にいるお人形のような妹さんの姿は絶対に忘れる事はありません。

まだコメント欄に書き足りませんが、今日はこの辺で…

デ某さん、今年もどうぞよろしくお願いいたします〜
Re:mokaさん「今年も・・・」 (デ某)
2018-01-04 01:04:47

mokaさん
コメントありがとうございました

> その時間、ちょうど休憩室から窓の外を見ると雪が散らついていました。
> 太陽の光が反射してキラキラと綺麗でした。私にとっては初雪でした
お近くとはいえ やっぱりおんなじ空の下!と ちょっと嬉しく思いました
年賀状の返信を出そうと家を出ると ひとひら ふたひら やがて肩に薄くつもるほどに!
私には今冬二度目の そして今年初めての 雪の降る街でした。

> なぜ?どうした?何かあった? 突然のアクセスアップ…ブログあるあるですね。
ちょっと嬉しく かなり気色悪い アクセスUPでした
理由がわかって「なあんや、そうやったんか」とスッキリ(笑)

> デ某さんの綴られるブログ・・・世の中のニュースと共に振り返って読まれる方が・・・

今回は「焼き場に立つ少年」のインパクトによるものですが、
「シャツの店」(2013.12.17)も しばしばアクセスがあります。
鶴田浩二さんと八千草薫さんの昭和の!ドラマですが、再放送されてもいないのに 不思議!
「見えざるSNS」特有のことかもしれませんね。

> デ某さんが書かれた「焼き場に立つ少年」のブログ記事…しっかりと覚えています。
> ギュっと食いしばった彼の口元と背中にいるお人形のような妹さんの姿・・・
覚えていてくださって嬉しいです
2年前、3年前のブログ記ですが、私自身 胸いっぱいの思いで記したように思います。

> 今年もどうぞよろしくお願いいたします〜
こちらこそ! 
いつも心強い存在」のmokaさんに 心から感謝しています
平和 (遠音)
2018-01-04 10:37:14
引き締まる思いでブログを読みました。
この少年と自分が重なります。
そのご この少年はどう生きたのでしょう?

語り継ぎましょう。私も・・。
Unknown (Lunta)
2018-01-04 14:00:49
あけましておめでとうございます。

という挨拶が間抜けに感じるほど重い記事です。
少年の写真に関する過去の記事は拝見していなかったようですが、カメラマンのコメントを読んで泣きそうになりました。
このカードを配られた現法王猊下も素晴らしい方です。
この世界にはまだ希望はあるのか。

あると信じたいですね。
今年もよろしくお願いいたします。
Re:遠音さん (デ某)
2018-01-04 21:57:43
遠音さん
コメントありがとうございました

> 引き締まる思いでブログを読みました。

遠音さんのコメントにも 心が引き締まる思いがいたしました。

> この少年と自分が重なります。そのご この少年はどう生きたのでしょう?

その後、この少年を探す努力がつづけられたものの、わからなかったようです。
生きていらっしゃれば80代半ば、
この少年も被曝し長く生きられなかったのでしょうか、後の世にこの一枚の写真を遺し・・・。

> 語り継ぎましょう。私も・・。

私たちにできること、
語り継ぐこと、「ノー!」と言う勇気、そして何ができるのか自身に問う心・・・でしょうか。

寒い日がつづきます。
くれぐれもお身体たいせつにお過ごしくださいね
Re:Luntaさん (デ某)
2018-01-04 22:15:02

Luntaさん
コメントありがとうございました

> あけましておめでとうございます。 という挨拶が間抜けに感じるほど重い記事です。

法王が配られたのは「新年のカード」・・・世界の人々への新年のメッセージでした。
新年を祝いつつ新しい年への法王の思いを受けとめてまいりたいと存じます。

> カメラマンのコメントを読んで泣きそうになりました。

仰るとおり 少年の写真に、カメラマンの言葉に、法王のカードに・・・
そしてここに寄せていただきました様々なコメントに 胸がいっぱいになります。

> このカードを配られた現法王猊下も素晴らしい方です。

一枚の写真が法王の心を動かし、法王のメッセージに世界が動く・・・。
奇蹟というものがあるとすれば、これもまた法王が為された奇蹟なのだと思います。

> この世界にはまだ希望はあるのか。あると信じたいですね。
> 今年もよろしくお願いいたします。

リーダー達の多くに希望を託せないのは悲しいですが、
「この世界」には希望がみちていると思います。
Luntaさんの世界に広がる旅にも様々な希望を託したいと存じます。
ますますのご活躍を心よりお祈りします。
こちらこそ今年も宜しくおねがいします
子どもの喧嘩のような (風のフェリシア)
2018-01-04 23:21:02
デ某さんの「焼き場に立つ少年」の記事は覚えています。
ローマ法王の今回の行動はカトリック国のみならず、世界の人々の心に訴えたと思いたい。
でも北のかりあげクンとどこかの金髪じいさんの胸には届いていないようで、
子どもの喧嘩のようなやり取りが哀しいです。
Re:風のフェリシアさん「子どもの喧嘩のような」 (デ某)
2018-01-05 08:42:01

風のフェリシアさん
コメントありがとうございました

> デ某さんの「焼き場に立つ少年」の記事は覚えています。
もう2~3年前のブログ記ですのに、よくぞ覚えていてくださいました

> ローマ法王の今回の行動はカトリック国のみならず、世界の人々の心に訴えたと思いたい。
今朝の朝日新聞「天声人語」でこのことを取り上げていました
法王の配った新年のカードに記された
『少年の悲しみは、かみしめている血のにじんだ唇に表れている』との言葉も紹介し、
このカードを「米国・北朝鮮両首脳の執務室の壁に掲げる手立てはないか」と結んでいます。

> 北のかりあげクンとどこかの金髪じいさんの胸には届いていないようで、
> 子どもの喧嘩のようなやり取りが哀しいです。

核のボタンを執務室に置いていると、まるで張り合う!ように公言して憚らない両首脳、
首脳ではありましょうが、脳タリン!で想像力のタリン!やつらでありましょう。

新しい年を迎え 
新しいフェリシアさんが元気いっぱいでいらっしゃることがとても嬉しいです。
さらに体調を取り戻され、ますますご活躍されますよう心よりお祈りします