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パリ同時テロ 主犯格の男、残忍な素顔 ネット上で過激プロパガンダ

2015-11-18 10:01:06 | 健康・暮らし
パリ同時多発テロの主犯格として浮上したベルギー国籍のアブデルハミド・アバウド容疑者(27)は、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」で、インターネット上のプロパガンダを行ってきたといわれる。シリアから今回のテロを指揮したとみられ、テロを実行・支援したフランス人の兄弟とも、イスラム系が多く失業率が高いベルギー・ブリュッセルのモレンベーク地区で接点があったようだ。あぶり出される「ベルギー・コネクション」を欧州メディアの報道を基に探った。

 「当局者に足止めされたが、刑務所への収監歴もあるのに何も起きなかった」。アバウド容疑者は2月、イスラム国のネット機関誌「ダービク」で語った。武器調達などテロ準備のため、ひそかにベルギーに渡航できたと豪語した。
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 モレンベーク地区で育ったモロッコ系。イスラム教徒や貧困層が多く、過激派の「温床」と呼ばれる環境ながら、有名高校に通い、将来は明るいようにも見えた。だが、2013年にイスラム国に参加した。

 イスラム国の活動には、13歳の弟を説得して勧誘したほど熱心だったことで知られる。その残虐さが衝撃を広げたのは、昨年明るみに出たプロパガンダ用ビデオだった。

 「神のおかげだ。運んでいるのは背教者らだ」。そう語るアバウド容疑者が乗ったトラックには、いくつもの死体が積まれていた。

 このビデオを昨年、入手したフリージャーナリストはAP通信に、「何かカリスマ性がある若者だ」と印象を語った。

 アバウド容疑者は今年1月、ベルギー当局が阻止した同国内の大規模テロ計画に資金提供したとされるほか、4月のパリの教会に対するテロ未遂や、8月にオランダからパリへ向かう国際列車で起きたテロ未遂に関わったとの情報もある。
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 「2人は普通の若者だった。洗脳されたのだろう」。モレンベークの一角のレンガ造りの建物。閉鎖された1階のバー近くで地元の青年が語った。

 「2人」とは実行犯のブラヒム・アブデスラム(31)、犯行に使われた車を用意したとされるその弟のサラ・アブデスラム(26)の両容疑者だ。

 アブデスラム兄弟とアバウド容疑者の接点も判明しつつある。アバウド容疑者は、サラ容疑者とともに2010年、強盗容疑で刑務所に収監されたという。イスラム国の活動に積極的なアバウド容疑者が、サラ容疑者を誘った可能性がある。

 兄弟が営んでいたバーは最近、閉鎖された。違法な麻薬が店内で使用されていたためだ。8月には家宅捜索も行われていた。

 パリの同時テロでは兄弟2人を含むフランス人らが過激思想に染まり、犯行に及んだ疑いが強まっている。知人らによると、2人はモスク(イスラム教礼拝所)に通うこともなく、たばこを吸っていた。そもそも2人のバーは宗教上、禁じられた酒を提供する場だった。