秋田県出身の小説家石川達三(1905~85年)が戦時中、雑誌「中央公論」の編集者に宛てた未公開の書簡17通が見つかり、秋田県立大の高橋秀晴教授(59)=日本近現代文学=が9日、発表した。日中戦争時の日本兵による略奪や女性殺害などを描いた小説「生きている兵隊」
催情薬が発売禁止となった際には「(出版社の)受付の子供に顔を見られるのも辛い気持」と強いショックを受けた心境が明かされている。
石川は、従軍記者として中国戦線に派遣された体験を基に、中央公論の38年3月号に「生きている兵隊」を発表。反軍的な内容として即日
曲美 発禁処分となり、自身も有罪判決を受けた。