CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

19-203「工作 黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」(韓国)

2019年08月14日 09時58分23秒 | 韓国映画
常に敵が必要だ
 1992年、韓国軍の将校パク・ソギョンは国家安全企画部のチェ・ハクソン室長に呼び出され、スパイとして北に潜入し、核開発の実情を探るよう命じられる。
 黒金星(ブラック・ヴィーナス)というコードネームを与えられたパクは、やり手の実業家になりすますと、北の重要人物とされる北京駐在の対外経済委員会所長リ・ミョンウンへの接触のチャンスを窺う。数ヵ月後、ついにリ所長が餌に食いつき、面会の機会を得るパク。
 以来、リ所長の数年間にわたる厳しい試験を綱渡りでかいくぐり、次第に信頼を得ていくパクだったが。(「allcinema」より)


 北朝鮮の核開発を巡って朝鮮半島が緊張状態となった1992年。

 北朝鮮の核開発の実情を探るために、工作員として潜入することとなったパク・ソギョン。

 パクは実業家として北朝鮮の重要人物と接触するため活動を進めていく。

 こうして北の対外経済委員会のリ所長や国家安全保衛部のチョン課長らと接触することに成功する。

 疑いの目を向けられながらも何とか活動を進めていくパク。
 そのあたりの駆け引きは、なかなか緊迫感のある展開であった。

 果たして、その素性を知られずに目的を達することが出来るのか気になるところであったが、途中から話の方向が変わっていく。

 北朝鮮に入り込むため、広告事業を提案し、北朝鮮で韓国企業のCMを撮るという事業を考え出すパク。

 その事業の承認を得るため、パクはキム・ジョインルに接見する。

 さすがにキム・ジョンイルに関しては声だけの登場かと思ったら、しっかりとその姿を見せていたな。

 やがて、広告事業は単なる工作活動の一端ではなく、南北交流の礎、希望となっていくが、1997年の韓国大統領選挙で野党のキム・デジュンが優勢となると、韓国官僚、安企部は思いも寄らぬ行動を取る。

 実在した工作員を題材とした作品ということだから、この大統領選時に韓国が起こした行動は本当なんだろうな。

 これまでの歴史から考えると、驚くべき真実だな。

 そして、パクの運命もここで変わっていく。

 工作の行方、パクの運命の行方もさることながら、パクとリ所長の関係にも心惹かれる展開となっている。

 スパイとしての駆け引きによる緊迫感に加え、南北の人物それぞれの想いを描いた作品として惹き込まれる一本だった。

/5

監督:ユン・ジョンビン
出演:ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、チュ・ジフン
   パク・ソンウン、キム・ホンファ、チョン・ソリ、キム・ウンス、イ・ヒョリ
於:シネマート新宿

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 19-202「パラダイス・ネクス... | トップ | 19-204「守護教師」(韓国) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

韓国映画」カテゴリの最新記事