CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

23-308「サタデー・フィクション」(中国)

2023年11月20日 00時21分34秒 | 中国映画
私が演じる最後の役
 日中欧の諜報員が暗躍する魔都・上海。
 真珠湾攻撃7日前の1941年12月1日、人気女優ユー・ジンは新作舞台「サタデー・フィクション」に主演するため上海を訪れる。かつてフランスの諜報員ヒューバートに孤児院から救われた過去を持つ彼女は、女優であると同時に諜報員という裏の顔をもっていた。
 ユー・ジンの到着から2日後、日本の暗号通信の専門家である海軍少佐・古谷三郎が、暗号更新のため上海にやって来る。
 古谷の亡き妻によく似たユー・ジンは、古谷から太平洋戦争開戦の奇襲情報を得るためフランス諜報員が仕掛けた「マジックミラー作戦」に身を投じていく。(「作品資料」より)


 1941年の上海を舞台に、日本に対し、中国、ヨーロッパの諜報員たちが仕掛ける諜報戦を描いたスパイ・サスペンス。

 全編モノクロ映像で描かれており、時代感覚そしてどこかしら怪しげで切ない雰囲気がよく出ていたな。

 冒頭、タン・ナーが演出し、主演も務める舞台のリハーサルの様子が映され、女優であるユー・ジンもその舞台に出演するため上海にやって来る。

 もしかして劇中劇か、と思ったりしたが、そうではなかったよう。

 やがてユー・ジンはスパイだということが判り、果たして彼女の目的がなんであるか、気になる展開。

 古書店を営むヒューバートという男もフランスの諜報員であり、ホテルの支配人も彼に協力しているよう。

 更に中国国内の南京政府や重慶政府の諜報員も現れ、それぞれの思惑を持って動く。

 そこに日本海軍少佐の古谷が暗号更新のため上海にやって来る。

 ユー・ジンの目的が最初は判らなかったが、やがて標的は古谷であり、〝マジックミラー計画〟なるものを実行しようとする。

 果たしてマジックミラー計画とはいかなるものか、そしてその顛末は。

 タン・ナーの演出する舞台劇の内容が、多少現実とリンクしているのも興味深かった。

 12月1日から7日までの1週間の話であるが、それは太平洋戦争開戦の前日まで。

 日本がどういう行動に出るかを知りたかったようだが、最後に何故ユー・ジンは嘘を吐いたのかが判らなかったな。

 スパイものだが、どこか哀愁を感じさせるものがあり、面白い作品だった。

/5

監督:ロウ・イエ
出演:コン・リー、マーク・チャオ、パスカル・グレゴリー、トム・ヴラシア、ホァン・シャンリー、中島歩、ワン・チュアンジュン、チャン・ソンウェン、オダギリジョー
於:シネ・リーブル池袋

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