23-003「殺人美容師 頭の皮を剥ぎ取ります」（アメリカ）

彼女の邪魔よ
　孤独な美容師クレアは別人になりたいという強迫観念から、客を羨望のまなざしで見つめていた。そして、見るだけに留まらず、あることに手を出してしまう。
　そんなある日、クレアは常連客のオリビアから、結婚式のヘアセットを依頼されるが。（「作品資料」より）


　邦題だけ見ると、次々と美容師が殺戮を繰り返し、しかもちょっとコメディ要素も入っているホラーなのでは思ってしまう。

　美容師のクレアは、別人になりたいという強迫観念があるようで、その気持ちが募り過ぎると、美容院の客などを狙い、頭の皮を剥ぐ。

　そして剥いだ頭の皮をウィッグのように頭に被っている。

　そこには、その人物の頭の皮、髪の毛を被ることによって、その人物になれるかもという気持ちがあるのか。

　クレアは常連客のオリビアから結婚式用のヘアセットを頼まれ、それを了承するが、オリビアに対して特別な感情を持つようになる。

　それは、憧れなのか。

　自分の強迫観念を押し込め、オリビアの役に立とうと考えるクレアであるが、様々なことが彼女の心に襲い掛かり、どんどん気持ちが追い詰められていく。

　自分をバカにした発言をしたオリビアの友人を、殺人の対象にするような行動を見せるが、すんでのところで思い止まったりする。

　オリビアへの気持ちが最高潮に達しようとした時、果たしてクレアはどのような行動に出るのか。

　クレアの危うい心を描いた作品で、どちらかと言うと、サイコ・サスペンス的な感じの作品であった。

　話の行き着く先が読みづらく、また事件も意外と立て続けに起こるような展開でもなかったので、若干間延びした感じも受けなくもなかったが、最終的にクレアの取った行動が興味深い作品ではあった。

/５

監督：ジル・ガヴァーギジアン
出演：ナジャラ・タウンゼント、ブレア・グラント
於：シネマート新宿