【円高環境下に必要なのは高付加価値の新産業の創出です】
高木 よしあき氏、ブログ転載 2011/11/2
◇先日のこのブログで、政府の現状の政策では
日銀の円売り介入後も円高のトレンドが続く
可能性が高いと述べました。
こうした円高の流れを受けて、大企業のみならず
中小企業も海外へ進出する動きが強くなっており、
自治体も条件付きでその動きを支援しています
(※1)。
こうなると、円高が日本の産業の空洞化を招き、
国内の雇用を守れなくなるとの懸念が現実化してきます。
※1:10月31日付日本経済新聞
◇その一方では、「円高による商品価格の上昇により
物が売れなくなる」というのはビジネスの一面でしかなく、
「他に取って代わるものが無い商品は円高でも売れる」
という側面もあります。
従って、円高環境下で日本が取るべき戦略は、
高付加価値の新産業の構築が考えられます。
海外シフトで生じた失業者を新産業で吸収する
というものです。
実際、「海外進出で国内雇用は増やせる」との
分析があります(※2)。
生産拠点が海外に移れば、製造業の就業者数は減りますが、
企業が生産拠点をグローバル展開するほど、本社
機能は高度化し、その分、国内本社を支える業務
が増えるからです。
※2:10月24日発売の週刊エコノミスト
◇ただ、こうした産業の大転換は、転職する個人の
レベルでは今までのスキルが生かせないという、
雇用のミスマッチが起きることが問題となります。
従って、「社会人の再教育」や「学習し続ける個人」
が重要となり、政策的に、転職市場と社会人の
再教育市場の整備が必要となります。
震災後に特に注目されている新エネルギー産業分野、
日本が世界から立ち遅れていますが潜在能力が高い
航空・宇宙産業分野、野菜工場や内陸での海水魚の
養殖などの先端農業分野、更には、防衛産業や
ロボット産業やリニア新幹線など、日本の新たな産業
として育っていく可能性のある分野はたくさんあります。
円高を悲観的に考えるのではなく、イノベーションの
機会ととらえ、前向きに考えることが大切です。
そうすれば日本経済はまだまだ拡大することが可能です。
今の民主党政権には、こうした高い理想を国民に
指し示す姿勢が欠けているのではないでしょうか。
http://takagi-yoshiaki.net/2521.html
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