現在、世界では、約6,000の言語が存在するが、これら言語の大半が死滅する危機にあり、これから200年から300年の間に一国家一言語程度に減り、最終的には全世界で一言語しか残らないと予測する学者もいるという。これを換算すれば、2週間に一言語が消滅していることになる。
著者は、こうした言語の危機的な状況と優生的言語による均一化・単一化の方向は、人類の文化の多様性を否定するもので、知的遺産の喪失につながるとし、また、言語間の相互関係が失われることで、人類の精神的豊かさや適応力を奪いかねないと、生態学的立場から論じている。
また、このことから、危機言語の消滅を防ぎ、再生させることが重要であるとし、二言語主義を唱えて、危機言語をいかに救うのか、具体的方策を展開している。そのポイントとして「共同体の肯定的な姿勢を育てること」や「共同体全体が主体性を持つこと」、「言語を文化の一部と考えること」などが重要だと言っている。
著者は、一方でグローバリゼーションの進展により、言語の均一化は避けられないと考えつつ、他方、言語の多様性の消滅がもたらす文化的損失を防止しようとしているのだが、その予防と再生への方策は、付け焼刃的であり、実効性に乏しいものと言わざるをえない。
ことは言語の問題にとどまらず、マイノリティや途上国の自立支援をいかに行うかという問題であり、そうした総合的な視点を持たないかぎり、危機言語の救済や再生も実現できないと思う。
著者は、こうした言語の危機的な状況と優生的言語による均一化・単一化の方向は、人類の文化の多様性を否定するもので、知的遺産の喪失につながるとし、また、言語間の相互関係が失われることで、人類の精神的豊かさや適応力を奪いかねないと、生態学的立場から論じている。
また、このことから、危機言語の消滅を防ぎ、再生させることが重要であるとし、二言語主義を唱えて、危機言語をいかに救うのか、具体的方策を展開している。そのポイントとして「共同体の肯定的な姿勢を育てること」や「共同体全体が主体性を持つこと」、「言語を文化の一部と考えること」などが重要だと言っている。
著者は、一方でグローバリゼーションの進展により、言語の均一化は避けられないと考えつつ、他方、言語の多様性の消滅がもたらす文化的損失を防止しようとしているのだが、その予防と再生への方策は、付け焼刃的であり、実効性に乏しいものと言わざるをえない。
ことは言語の問題にとどまらず、マイノリティや途上国の自立支援をいかに行うかという問題であり、そうした総合的な視点を持たないかぎり、危機言語の救済や再生も実現できないと思う。