主人公である車寅次郎は、孤児として、叔父夫婦に育てられる設定となっているが、ここには戦後の混乱期に親を失った(または、親と離れた)子供たちの悲しい思いが色濃く投影されている。
孤児たちの多くは、育てられた家庭で冷遇され、地域社会からも疎外されて、がまんできなくて、家出同然のように自立していったのだが、それ故に、彼らは、いつも愛情に飢え、やさしさを求めてさ迷うような、そんな人生を送ることとなる。
映画の寅さんは、やさしいおじちゃんとおばちゃんに育てられ、兄思いの妹までいるが、寅さん自体の考えや行動は、こうした孤児たちのものであり、その悲しいリアリティがベースになって、泣き笑いの喜劇が成立している。
寅さんが恋をし、ふられるたびに、観客は孤児の悲しみを同時に味わうのである。
孤児たちの多くは、育てられた家庭で冷遇され、地域社会からも疎外されて、がまんできなくて、家出同然のように自立していったのだが、それ故に、彼らは、いつも愛情に飢え、やさしさを求めてさ迷うような、そんな人生を送ることとなる。
映画の寅さんは、やさしいおじちゃんとおばちゃんに育てられ、兄思いの妹までいるが、寅さん自体の考えや行動は、こうした孤児たちのものであり、その悲しいリアリティがベースになって、泣き笑いの喜劇が成立している。
寅さんが恋をし、ふられるたびに、観客は孤児の悲しみを同時に味わうのである。