Rising斬 the侍銃士

音楽のこと、時代小説、映画を中心にしていくと思います。タイトルは自分のHNの由来になったゲームから

セッション(whiplash)

2021-06-03 23:31:25 | 映画
怖いんで後回しにしていた映画「セッション」ですが、吹き替え版見てなかったんで勇気出して見た。
言葉が分かる方がより強く打ちのめされる。
ただテンポ速いか遅いか問題の時に声が口と合ってないんで見ててイライラする。
やっぱりおすすめは字幕版です。

しかしこの映画、タイトルに原題の「whiplash」必要だったんでは。セッションしているとも言えないし。
全然違う邦題付けるのなんなんでしょうね。

見直して見ると主人公と先生はロッキーとミッキーの師弟コンビを彷彿とさせる見た目。

フレッチャー先生突然優しくなったと思ったらすぐ怒声飛ぶの本当に怖い。
優しい時ですら怖い
でも先生が大切に育てたショーンの事故に悲しんでるのにその後事故ってる点でニーマンには残念な思いもあったろう。
と、思ったらショーンの事故っていうのも裏があったんで俺の同情返してほしい。

「この世の中で何より危険な言葉を教えてやる。『上出来だ』だよ」
「次の(チャーリー)パーカーは何があっても挫折しない」
この辺の極端なストイックさはとっても好きです。

青春グラフィティ物の友達とワイワイやったり異性に振り回されたりそういう映画と違って、女の子とも周りとも上手くいかず鬱憤を全て楽器にぶつけ身も心もボロボロになってそれで何かが残るわけでもない。そういう青春にはずっと共感できました。

だからラストの「Caravan」、本当にあの緊張感とか情熱が最高
あれで教師と打ち解けたのか全然わかんないけどそれがいい。
先生も本当に育てたのか内心いい人だったのかとか思っちゃうんですけどおそらくそういう駆け引きをする人ではなかったんだろうなとも思う

なんの思惑もない全力と全力がぶつかってどちらも狙ってなかった化学反応が起きたっていうのが最後の演奏の良さなんだろうなと思いました。
結局フレッチャー先生の育て方が良かったんではなくて多くの失敗を経てたまたまいい化学反応が起きた例を映画にしただけと言う物でしょうね。

でも自分がフレッチャー先生に「その育て方間違ってますよ」って言おうにも自分の音楽への情熱も実績もまだまだ先生にはかなわいと思うし自分が生徒だったらまず潰れてただろうしという風に自分を見返してしまう点でやはりこれは一番怖い映画。

でもやっぱりこの映画、映画館で見た時の息を忘れた緊張感が忘れられません。
また上映するなら観に行きたい。
プライベートで大画面で見るとかじゃなく映画館という環境でしか得られない何かがある。


コメントを投稿