ECO エミルクロニクルオンラインまったりブログ

ガンホーECOルピナス鯖に生息
ジョーカーをメイン、ハゲの人。
メインキャラ:ざこてり
リング:『花と石』に在籍

悪魔の青ポータル

2017-12-09 15:59:30 | 雑談
「玉藻おねえちゃ~ん早く行こうよ」

ここはアクロニア幼稚園、元気いっぱいの園児が通う幼稚園だ。
そこに一人の大人の女性……獣耳と尻尾を九つ生やした美しい女性だ。
玉藻と呼ばれた女性の周りには子供たちが囲み彼女の手を引っ張っている。
これから彼女達はどこに行こうとしているのだろうか?

「近くの公園に早く行こうよ~ねぇねぇ」
「(まずいどうすればいいどうすればいいどうすればいい???)」

早く遊びたい園児たちに囲まれた玉藻は悩んでいた。
青ポータルに入ると幼稚園の外に出る事ができる、そこまではいい。
入ったら解除されてしまうのだ……メタモルフォーゼの解除条件はスキルをもう一度使うかマップ移動。
あの青ポータルに入ったが直後、園児たちの中心にいる玉藻という少女は消え別の人間になっている。
何故それがダメなのだろうか……?話は数時間前に遡る。




「ゴホッゴホッ」

とある飛空庭、一つ屋根の下に一組の男女がいた。
顔を赤くし横になり咳をする女とそれを心配そうに見る男だ。
女は銀髪に狐耳を生やした美しい女性、男は頭がハゲておりサングラスを装着し黒服に身を纏った男性だ。
女は布団を被っており体温計を咥えている、それがピピピと音を鳴らした、体温計が女の体温を測り終えたらしい。
女から体温計を受け取り男は数値を見た。

「37.8だ」
「……やっぱりダメかなぁ」
「ダメだ寝てろ」

悔しそうな表情の女性は玉藻・ロアと言い、寝てろと命令した男はザコテリという冒険者だ。
玉藻とザコテリは付き合いが長い、二人で行動する事も多く共に支えあった。
そんな二人だが玉藻が用事がある日に熱を出しダウンしたのだ。

「今日はアクロニア幼稚園を訪問する約束だったのにお姉ちゃん情けないね」
「(そういやロアって風邪ひくのか)」
「うぅぅ~!」

本当に悔しそうだ、子供たちとの約束を破ってしまったと思っているのだろう。
玉藻を行かせる訳にはいかない……方法は何か無いだろうか?
彼は考えた、方法は……あるな一つだけ。

「玉藻安心しろ」
「え?」
「お前の代わりに俺が行く」
「へ?」

スッと彼は黄色のバッジを取り出した、ブリーダーブローチだ。
これを装備しメタモルフォーゼを発動させた。
ぼふんっ!と音を立てそこには玉藻と瓜二つの少女がいた。

「よーし問題ないなアクロニア幼稚園だっけ?」
「ご主人様そこまでしなくてもいいんだよ?」
「たまにはゆっくり休んでろそこにお粥を作ってる食べたくなったら食べてくれ、それじゃ行ってくるよ」
「……ありがとね」

こうして彼は玉藻にメタモルしてアクロニア幼稚園に行き子供たちと交流しハッピーエンドになるかと思われたが……?





「はやくいこうよー玉藻おねえちゃん」

子供たちが何か言っているが今の彼にその言葉は脳に入ってこない。
何としても青ポータルに入らずに済む方法はないだろうか?まずい、もしも……もしもあのままポータルに入ったら……?

アクロニア警察前にたくさんの報道陣とシャッターの音が鳴り響いていた。
ニュースキャスターらしき女性がマイクを片手にカメラの前に立つ。

「出てきましたザコテリ容疑者です!幼稚園に不法侵入し子供たちを誘拐しようとした容疑で逮捕されました!ザコテリ容疑者はこれからアクロニア警察署に連行される所です!」

シャツを頭から羽織り顔を見えないように下に向け連行されているザコテリの姿があった。
住居不法侵入と誘拐未遂で逮捕されたのだ、これから彼の尋問が行われるという。

「我々は彼をよく知るという方たちにインタビューをしてみました」

A・ロア氏「私はあの人に三回も売られましたわ、いつもパートナー相場がどうだか取引がどうたかブツブツ呟いてましたの」
L・アルマ氏「ついていけなかったのじゃ……」
子猫少女B氏「演習専用毒ガスマンとかいわれた、ひどい」
W・アルマ氏「『おら!早くオーラ撒くんだよ』とか言われ奈落でコキ使われました過労死ドリンクとかいう訳のわからないものをガブ飲みさせられて死ぬかと思いました」
O氏「隙あらば女の子をとっかえひっかえしていた、残当」
P氏「私は彼と同じリングにいますが隣にいる女の子がいつも違う子でした」
N氏「唯一変わらなかったのはT・ロアとL・アルマの狐パートナーだけ、彼とは奈落に時々行っていたがいつも隣の女の子が違っていた」
モモンガS氏「児童販売鬼という称号を授かるくらい彼は有名でした、誘拐に手を出したと聞いて特に驚かなかった」
某五歳児氏「しってた」
Q氏「いつも募集コメント欄をクリック連打していた、クジ発売日は血眼になってトレードを繰り返していた」


「などと様々な方面からザコテリ容疑者の普段の生活がわかりました。
誘拐だけではなく人身売買オークションを極秘裏に行ったり自ら人身売買もしていたとのことです。
ザコテリ容疑者は過去に行っていたオークションとは一体どういうものなのか?CMの後詳しく追及していきましょう!」





などという事になってしまう。
ここはどうする……落ち着け、子供たちに囲まれ手を引っ張られているこの状況、青WPまで後数歩、うまく逃げるか隠れる事はできないか?
ハイディングだ、ハイディングを使え……ダメだ今のデュアルはソードマン系統のJo/Glだデュアルチェンジでハイディングは時間がかかりすぎて間に合わない。
クローキング札なら……今は無い、次だ、時空の鍵でセーブポイントまで帰るのだ。
手持ちアイテム欄から鍵を探せ……無いっ!何故無いっ!そういえばこの前奈落から帰ってきたとき最後の鍵を使った記憶がある。
この際有料アイテムだとかなんだとか関係ない、鍵Eだ!びっくりの残骸で余りまくった鍵Eで帰還するのだ。
鍵E発動っ……!さらばアクロニア幼稚園ウェルカム無限回廊前。

『このマップでは使用する事はできません』

がっ……!駄目っ……!
ふざけんな、ふざけんな何で使用できないんだワープできーる鍵Eだぞ!?お前の鍵E(多分エクストラ)とはなんなのだ。
課金アイテムだぞ!?課金だから普通はどこでも使えるはずだろ!
また一歩進んだ、まずい後二、三歩歩けば青ポータルへGO、まさに地獄の門だ地獄(警察)にGOしてしまう。
何か手は……?あった!一つある、一つだけ、たった一つだけある。


――ジョーカーアート。

威力4800%、自身9x9のアナザー並の破壊力を持ったジョーカー最強の神スキル。
演習も(たまに)やる彼にとって必須の神スキルがある。
このスキルはとてつもない破壊力の代償に70%の確率でHPがゼロになるリスクを持ったスキルだ。
これを使って強制的にHPをゼロにしセーブポイントへ帰るのだ。
選ばれしジョーカーのみが手に入れるこのスキル、他職の人間には決して真似できない境地、それがジョーカーだ。
彼は神に感謝した、ジョーカーであることを誇りに思ったありがとうジョーカー、彼はこの恩を一生忘れないと心に誓った。
だが欠点はある、キャストが長くCSPDを上げてもなお発動に三秒ほどかかるのだ。
三秒もあれば地獄の門を潜ってしまう……だが彼は仮にも演習民、演習民にほぼ必須と言われる殺界札があった。
殺界札を使えば殺界レベル5と同じ効果を得られる、こうすればジョーカーアートのキャストがゼロになり即時発動が可能。
勝った……!彼の脳内にはこの言葉だけが流れ続けていた、そう彼は勝ったのだ。
迷わず殺界札を発動っ……!よし今だいっけえええええええええええええええええええええええジョーカーアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァト!!!!!!!!!!!!!!!

ドーンという音がアクロニア幼稚園に木霊した。
幼稚園児たちは敵MOBではないから当たる心配もない、周囲の建物にも被害は及ばないだろう。
フハハ後はセーブポイントに戻るのみ。

ざこてり 110/110
HP1/18738
MP0/1536
SP0/2530


……幼稚園児たちと玉藻は青ポータルを潜った。



〇月×日 アクロニア新聞
大物逮捕!アクロニア幼稚園に侵入し園児を誘拐しようとした容疑。

某日、アクロニア幼稚園に不法侵入し園児達を誘拐しようとしたザコテリ容疑者が逮捕された。
ザコテリ容疑者は黒い噂が絶えない男で警察が捜査を続けていたが証拠を掴めず捜査は難航していた。
だが園児達を誘拐しようとした所をアクロニア東軍隊員が偶然発見し現行犯逮捕された。
逮捕されたザコテリ容疑者は「死にたくない時に死んで死にたい時に死なない本当に70%なのだろうか問い合わせをさせてくれ」と訳のわからない供述をしており警察は余罪が無いか追及を行っていく方針である。

~END~







あとがき

ECO終わってはや四ヶ月が経ちました……早いものです。
11月のECOケット2参加しましてサービス終了後もあるのかECOのブースはすさまじかったですね。
あまりの多さに私も驚きましたしゲーム内で共に遊んだ仲間とも出会えてホント楽しかったです。

色んな方たちが思い思いのECOグッズを作ってるのを見て私も何かやってみようと思いこのような小説を書かせて頂きました。
ブログでSS的な文章は作った事ありますがこうやって小説風に書くのは初めてかもしれません、いつものブログのような感じで書けてる……かも?
イラスト描いてくれた某氏には感謝の言葉しかありません、何気にECOのイラスト頼むのも今回が初めてかもしれない。