本拠地奈落406Fで行われたありたま戦
先発ザコテリがジョーカーアート暴発で死亡、助けに入ったプレイヤーも勢いを見せず惨敗だった
たまり場に響くリングメンバーのため息、どこからか聞こえる「実家に帰らせていただきます」の声
無言でログアウトを始めるリングメンバーの中、昨年の自称最強釣りマンざこてりは独りベンチで泣いていた。
ECOを始めて手にした栄冠、パートナー、経験値、そして何より信頼できるフレンド達・・・
それを今のECOで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「(パートナーが全員消えてしまって)どうすりゃいいんだ・・・」 ざこてりは悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、ざこてりははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って新しいパートナー入手の金策をしなくちゃな」 ざこてりは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、ざこてりはふと気付いた
「あれ・・・？第三期アルマ達がいる・・・？」
ベンチから飛び出したざこてりが目にしたのは、スキルだけ見て残された第三期アルマ達の姿だった。
千切れそうなほどにカッカランが庭に配置され、地鳴りのようにざこてりの応援歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とするざこてりの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「司令官、ありたま装備無しバフ無しで釣るのよ、早く行きなさい」 声の方に振り返ったざこてりは目を疑った
「ブ・・・ブリキングさんコーチ・・・！？倉庫に半年置かれていたはずじゃ」
「ざこてり、勝手にブリキングを引退させてはいけませんよ？」
「ア・・・アルケーさん？」
「ハゲさん、またセクハラですか？今度はロシアの収容所に行くのですか？」
「ステラさん・・・」 ざこてりは半分パニックになりながら奈落のキャラクター欄を開いた
ざこてり：ジョーカー
A氏：グラディエイター
N氏：アストラリスト
E氏：アストラリスト
狼氏：アストラリスト
Y氏：フォースマスター
E氏：イレイザー
Q氏：イレイザー
L氏：イレイザー
S氏：イレイザー
C氏：ガーディアン
T氏：ガーディアン
グラサン仲間氏：鷹
R氏：鷹
O氏：ソウルテイカー
D氏：ソウルテイカー
お酒氏：ソウルテイカー
E氏：カーディナル
モモンガ氏：カーディナル
P氏：ストライダー
R氏：ストライダー
☆氏：農家
暫時、唖然としていたざこてりだったが、全てを理解した時、もはや彼の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ！」
Pちゃん氏から装備を奪い取り、奈落ロビー２へ全力疾走するざこてり、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、たまり場で冷たくなっているざこてりが発見され
吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った
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