火曜日は長く続いている読書会の日でした。といっても、最近は緑内障に苦しむ先輩が、もう本は読めないんだ・・・と言っていますし、本を読むこと自体はどうでも良くなって、2~3ヶ月に一度くらいのペースで一杯飲みつつ食事をしてそれぞれの無事を確認する会合になっています。
元々、余り重い読み物では無く、ベストセラーや自分の興味のある本を紹介したりなど、余り高望みしない「サラリーマンの読書会」。しかも、大学の同窓生・・・ここがミソかな?東京都などには沢山の同窓生がいてそれなりの勢力だと思いますが、こちらの地方ではごくごく少数派なので職場の情報交換会も兼ねていました。
第一回は昭和56年(1981年)2月でした。題材は司馬遼太郎のの「土地と日本人」なぜか?多分、先輩諸氏が昇任試験を控えていて、小論文のネタにしようという下心もあったかもしれません。
その後も先輩達は「苦海浄土」「満蒙開拓少年義勇軍」「東京に原発を!」「北朝鮮データブック」など新書版で安く手に入るもの、問題意識が明確なものなどを取り上げ、私は堀田善衛の「スペイン断章」、上野千鶴子の「スカートの下の劇場」あるいはアラゴンの「イレーヌ」など他のメンバーは絶対に読んでいない本を選んだりしていましたね。
先日は一番上の先輩が瀬戸内寂聴の「般若心経」を選んできましたが、50代になる頃から先輩達の選ぶ本に仏教系の本が増えました。几帳面なその先輩は、これまでの記録を全部一覧表にしてあります。30歳前後の若手職員から定年、その後の再就職からも10年以上経た今、気分は学生運動の活動家に戻る先輩もいて必ずしも穏やかな飲み会ではありませんが、まあ、皆さんご健勝で気炎を上げられるのは本当に幸せなのかもしれませんね。