今日はお彼岸です。我が家のお墓には30年前に亡くなった父の他、祖父母や幼くして亡くなった伯母などが埋葬されていますが、実は父以外骨壺に入っているのは墓土です。丘の上にあった一族の墓からお寺の墓地に改葬したのは父が50歳頃だったでしょうか?横浜の見晴らしの良い山の上、墓地からは新横浜プリンスホテルやみなとみらいの高層ビル群もよく見えます。でも、コロナが蔓延した2020年の春以降、お墓参りに行っていません。2021年には息子夫婦がお墓の掃除に行ってくれて伸び放題になっていた雑草を抜いてくれたようです。
父のふるさとは、横浜・・・といっても横浜ニュータウンが出来る前は本当に山の中でしたが・・・
父は復員後埼玉に職を得て結婚もしたため私のふるさとは現在住んでいる地になりました。日本橋から20キロ圏。私鉄沿線のため東京駅からは乗り換え込みで45分程度。乗り換えのない上野までなら30分。
少年時代は平らな土地に田圃が広がり、地平線も見えた?まあ流石にそれはありませんが富士山も秩父の山々、男体山、筑波山が遠くに見えるし、小学校の屋上に行けば北千住のお化け煙突、東京タワーや東京の街並みも見えました。
でも、昭和30年以降、地方からたくさんの人々が東京周辺にも押し寄せて、シジミを捕った川は日本一汚い川に、きつね・狸・イタチが跋扈していた田圃やちょっとした森は巨大な団地になり、団地に住む数万人の人々は周辺地区とは交流もない独自の自治会を作って完全に市民は分裂してしまいました。
テレビの朝ドラでは、主人公達はふるさとの「山原」に帰るんだそうです。良いですね!帰れるふるさとがあり人も自然も豊かに残っていて・・・。火野正平が自転車に乗ってふるさとを巡っていましたが、もちろん東京や埼玉、千葉、神奈川の人口の多い地域など見向きもされません。
全国的な医療福祉団体の仕事をしている時、九州のある病院長が「なんで東京なんかに住んでいるのかね?空気も野菜も魚も実に不味い!人間の住む所じゃないよ・・・」と言っていました。その病院長の地元は、それはそれは良いところです、魚が美味いし!
でも、私のふるさとは今住んでいる東京近郊の特徴もない町。有名な毒舌タレントの「A」に言わせると「あの辺は、ただ人が沢山居るだけなんだよね」ということになります。
私の少年時代。それはそれは豊かな自然の中で思いっきり遊んでいましたが、今は何も残っていません。全部消えました。誰が消したのでしょうね。
今や、日本は何処も荒廃しています。帰るふるさとをお持ちの方は、自分が捨ててきたふるさとを再建してください、出来たら帰っても良いのではないでしょうか?コロナ以来働き方も変わりましたから。そうでなければ、今住んでいるところを「ふるさと」として再建してください。あなた方の子供達のふるさとは、あなたたちやあなたたちの親が捨ててきた懐かしい山や海ではなく、「ここ」なんですから!