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ロボメカ2011メモ

2011-05-30 22:42:33 | 研究

ロボメカ2011のメモ

公開シンポジウム「東日本大震災へのロボット研究者の取り組み」
田所先生:レスキューロボットは災害前から消防等に配備しておかないと役にたたない.災害が起こってからこのロボットを使ってくださいと言っても,「訓練された隊員をヘリから一人降ろしてそのロボットを乗せる価値があるか?」という話になる.

松野先生:要救助者がいる可能性が高ければ消防の判断でロボットを投入できるが,低いと所有者の許可が必要になる.このため今回の震災ではあまり投入できなかった.
--これも田所先生の話と同じで災害前に配備しておけば状況が変わってくるのだろう.
水中ロボットによる捜索について.ダイバーが10m以上潜るときは減圧が必要になり,また体力も消耗するため作業時間が短くなる.深い水深での捜索が可能なロボットがあれば有益だ.

田中孝之先生(北大):復旧現場で使用中の「パッシブ筋力補助スーツ」について.アクチュエータを使わずにゴム材で筋力を補助する.後背部にゴム材があり,腰をかがめたときに腰にかかる力を分散することで楽になる(2A1-E07).


1A1-G08超磁歪材料を用いた発電システムの試作
圧電素子は変形で発電するが,超磁歪材料は磁界が変化する.磁界の変化を周囲のコイルで電気に変換する.センサに使うことがあるかもしれないのでメモしておく.

1A1-I02流動体を用いた受動変形柔軟ハンドによる接触圧評価
イチゴのように傷つきやすく形がいびつなものをつかむなら,これまでの柔軟指よりももっと柔らかく,対象に合わせて変形するものが良いだろうということでグリセリンと水を入れた袋を使ってみたという研究.対象物が限定されているならそれに最適化したものを作るのは当然ですな.

1A1-I06ワイヤ型空気圧ゴム人工筋肉内蔵型ロボットハンドの開発
空気圧アクチュエータをワイヤとして使うのではなく,ワイヤのように細いという意味.勘違いしていた.

1A1-J08全方向包み込み式なじみグリッパ機構
1A1-J09全方向包み込み式グリッパ機構による複数物体の連続把持動作
重たいものをつかんで固定するときにHot-Ice現象を利用している.水や液体の合金を固めるよりかはずっと速いと思うけど,もっと速くならないものかね.

1A2-B09オンチップビオトープ
珪藻をつかんで刺激する装置.つかむ力の精度は100μNくらい.これまであまり見てこなかった分野なので細かさに感心した.

1A2-H09中空マイクロカプセルによる光硬化樹脂の軽量化
磁性体を入れただけの光硬化樹脂は重たくて重力と反対方向に動かしにくい.中空のマイクロカプセルを適量混ぜることで比重を水と同じにし,どの方向にも動かしやすくした.デモでは水中に入れた螺旋状の樹脂を外から磁石で操ることで自由に動かしていた.

1A2-H17空気旋回流のアレイ構造を用いた非接触吸引デバイス
シリコンウエハーの移動などで使われる吸引デバイス.旋回流をノズルから噴き出すとその中心部分には吸引力が発生する.従来技術ではシリコンウエハーを持ち上げることはできるがウエハーが揺れてしまい良くない.ノズルを小さくたくさん配置し,噴き出した空気の逃げ道を作ることで安定した吸引を実現した.つい最近まで吸引研究をしていた者としてはこんな吸引方法もあるのかと感心した.異分野の研究を見るのはためになるなぁ.

1P1-F08 1μmが測定できる微小変位可視化シールの開発
モアレを使うこの方法は電気的なセンサがいらないので場所によっては便利なんだよなぁ.なおこの研究では画像処理することで1μmを実現している.

2A2-I09内径センサ内蔵型ゴム人工筋の開発
フォトリフレクターをチューブ内に入れて内径変化から伸縮を推定する.

2P2-H06 ESD手術のための吸着式鉗子の開発
患部を保持するのにべローズ型の吸引管が有効という報告.実験では内径8mmと太いから安定して接触させるにはべローズ型が有効だっただけではなかろうか?もっと細くなると角度の影響は小さくなるような気がする.


P1020788
後楽園から見た岡山城


SI2010

2010-12-26 21:22:00 | 研究

24日午後から降り出した雪は25日になってもやまず,ホワイトクリスマスの中のSI2010@仙台となった.

Si2010 Tohokuu

はやぶさ講演会とか

  • はやぶさのサンプラーホーンが中心にない理由
    分離カプセルははやぶさ本体の側面にあるので中心には置きにくい.
    接線方向速度を0にして接地することは難しいから中心だろうが,端っこだろうが接地時に傾く.どのみち制御しないといけないから中心にある必要はない.
  • はやぶさのサンプラーホーンの設計では接地時のstick slipを考慮していた.
    まさか宇宙工学でこの単語を聴くとは思わなかった
  • 人工衛星を打ち上げるのに適したロケットと宇宙探査機を打ち上げるのに適したロケットは異なる.どう違うかは聞けず.H2Aは探査機向きじゃないらしい.固体燃料と液体燃料の違い?
  • 青葉城資料館で上映しているた青葉城再現CGのナレーターはあなごさん
  • 宮城の芋煮はみそ味.うめぇ.牛タンより気に入った.
  • 来年は京都で,またクリスマスに開催.

論文リスト20101226

2010-12-26 13:49:15 | 研究

国際特許追加

論文

論文(ショートペーパー)

  • 多田 泰徳, 玉城 史朗, 金城 寛, 山本 哲彦. モデル予測制御系のロバスト性に関する実験的検証. システム制御情報学会, Vol. 10, No. 7, pp. 391-393, 1997.

口頭発表(査読あり)

口頭発表(査読なし)

書籍(分担執筆)

  • 多田 泰徳. 伸縮性のある触覚センサ. 下条 誠, 前野 隆司, 篠田 裕之, 佐野 明人(編), 触覚認識メカニズムと応用技術-触覚センサ・触覚ディスプレイ-, 第3 章第2節[4], pp.199-209, サイエンス&テクノロジー, 2010. (ISBN 978-4-86428-001-3 C3058)
  • Yasunori Tada, Masahiro Inoue, Toshimi Kawasaki, Yasushi Kawahito, Hiroshi Ishiguro, and Katsuaki Suganuma. A Principle and Characteristics of A Flexible and Stretchable Tactile Sensor Based on Static Electricity. Jose Gerardo Rocha and Senentxu Lanceros-Mendez (ed.), Sensors, Focus on Tactile, Force and Stress Sensors, Chapter 19, pp.341-352, I-Tech Education and Publishing, 2008. (ISBN 978-953-7619-31-2)

特許

  • 多田 泰徳, 佐野 明人, 藤本 英雄. 病変組織摘出装置. 国際特許出願 PCT/JP2010/070430, 2010.
  • 多田 泰徳, 佐野 明人, 藤本 英雄. 病変組織摘出装置. 特願2010-13214, 2010.
  • 多田 泰徳, 佐野 明人, 藤本 英雄. 病変組織摘出装置に用いる吸引管. 特願2010-36210, 2010.
  • 菅沼 克昭, 多田 泰徳, 石黒 浩, 井上 雅博, 河崎 俊実, 川人 康. 物体検知センサ. 特開2008-190902, 2007.

ペタリハンド

2010-10-28 20:08:13 | 研究

スラドよりThe University of Chicagoの指のないロボットハンド.

http://slashdot.jp/articles/10/10/28/0116214.shtml
操作されたロボットハンドには指がなく、コーヒー豆や小さなガラス玉を詰めた薄手のゴムの袋である。このゴムの袋は、対象物の形に合わせて収縮し変形する。対象物が硬く乾いていて、複雑な形をしている場合は簡単に操作することができるそうだが、プラスチックの円盤のように平たかったり、綿のように多孔性の物は上手く握ることができなかったようだ。

http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/10/robot-hands-write-without-finger.html
スラドの元記事

http://www.pnas.org/content/early/2010/10/18/1003250107
Universal robotic gripper based on the jamming of granular material.
Eric Browna, Nicholas Rodenberga, John Amendb, Annan Mozeikac, Erik Steltzc, Mitchell R. Zakind, Hod Lipsonb, and Heinrich M. Jaegera.
Proceedings of the National Academy of Sciences, 2010: 1003250107v1-6.

http://news.uchicago.edu/news.php?asset_id=2140
大学広報

http://home.uchicago.edu/~embrown/
ファーストオーサーのページ.論文PDFもあり.


ロボット学会一人反省会

2010-10-05 23:58:12 | 研究

運営の一人として自分のかかわった部分で反省点を挙げてみる.

Img_4463

懇親会
・料理の量
-有料客,招待客合わせて500人の予定で頼んでいたところ,有料客だけで500人を超えてしまった.
-料理の量を少なく見積もっていたこともあり大幅に料理が足りなくなってしまった.

→対策
--学会受付での申込数を確実に把握する.
--招待者などチケットなしで入場する人,無効なチケットで入場する人(シリアル番号が入っているから誰だかわかるのになぁ)がいるので懇親会場での入場者数をカウンタで把握する.
--懇親会担当者にある程度の予算権限を与えておき,入場者数によって実行委員長の許可を求めずに料理の追加を頼める体制にする.

・初めの挨拶
-4人で30分近くかかり,長すぎた.

→対策
--どーしよーもない.
--講演会で使うベルを持ち込んで鳴らしたろか.
--イグノーベル賞の授賞式みたいに子供に引きずり降ろさせるとか.

はやぶさ関連展示
・展示位置
-壁側に寄せたため展示物背面を見せることができなかった.

→対策
--中央に配置した方がよかったか?
--少人数ならよいが人が多い時には危険か.
--久保田先生が解説される際は壁際にまとまっていた方がよかったはず.

・解説
-アルバイトスタッフのはやぶさに関する知識が少なかった.

→対策
--予め資料を読ませて概略を教育しておくべきだった.

-久保田先生の解説時間を案内した方がよかった?

→対策
--先生のご都合もあるし難しい.

はやぶさ講演会
・広報
-新聞が事前取材したということで安心し,広報の手を抜いていた.
-今回はJAXAシンポジウムでチラシを置かせてもらえたことで一気に申し込みが増えた.
-また申し込んだ人がネットなどで広めてくれたことでぽつぽつと申し込みが増えた.

→対策
--いつ掲載されるかわからないマスコミに頼りすぎず,もっと派手に動くべきだった(取材は8月下旬,掲載は学会開始日).

ロボット展
・からくり
-見せ方の準備が不十分.直前になってビデオケーブルを探したり,マイクが入っていなかったり.

→対策
--メインスタッフが事前に十分確認した上で,アルバイトスタッフを確実に教育しておく.

・施設使用許可
-体育館やプールの使用許可申請にたびたび変更が生じ,担当部局の不興を買った.

→対策
--初めての行事とはいえもう少し計画を練ってからお願いするべきだったのでは?>○○


以下,Youtubeで見つけたロボット展のビデオ.