こちら の続きです。
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「無作為な運命を受け入れる ― クリストファー・ノーラン&ジョナサン・ノーラン対談 ― 」
title:Allowing Fate to be Arbitrary
― A conversation between Christopher Nolan and Jonathan Nolan ―
via:Introduction ~ DUNKIRK Screenplay by Christopher Nolan (pp.ix-xxxvii)
C:僕が「 シン・レッド・ライン 」をブルーレイで最後に見た時 ― 君も知る通り、僕の好きな
映画のひとつだ ― 、クライテリオン・エディションに収録されている、原作者ジェームズ・
ジョーンズのエッセイも見た。彼は戦争映画について述べている ― それら全てを、まさしく
滅多切りにして。
J:(笑)
C:文字通りズタズタにしたんだ。彼は概ねこう言っている、「 西部戦線異状なし 」以降、戦争に
ついて話すことはあるか? 戦争は人間を残忍な獣に変える、長期にわたり、より酷く。それが、
戦争について語るべき一切だ。彼はそれから、あらゆる異なった物語の雛型を一つずつ吟味した
― まるで慈悲深い軍曹のように、彼は全てを調べ、只々粉砕した、戦場にいる人間かのように。
僕はちょうど脚本を書き始めるところだったから、彼の言い分にすっかり目も覚める思いだった。
実際、僕が気に掛けていたことについて伝えていた。君は、これらのことに苦労してきた、その
只中にいる人たちと話すことになると思うよ。
J:君は、調査することと、話をすることに、多くの時間を費やしたね?
C:僕はとにかく、直接の体験者の目撃談をたくさん読んだ。それから、ジェームズ・ジョーンズに
部分的に触発されて「西部戦線異状なし」を見た、これまでに見たとは思っていなかった。
J:僕は見たことは無いよ。
C:無声版を出してから、音声版もリリースされたんだ、サイレント映画からのまさに移行期だった
から。僕は子どもの時に断片的に見ていた。サイレント時代の驚くべきカメラの動きがあって、
全てが非常に静的になる以前に、音声がそれこそ内包されていた。そして、完全に無慈悲だ。
塹壕での砲撃の場面が、ただ続くんだ、君が想像するよりも長く、君が受け入れられる以上に。
終いには、スゴイ、これは大方言い尽くしている、みたいな ― 戦争の恐ろしさという意味でね。
そして、「ダンケルク」冒頭のギブソンの場面には、この映画への賛同がある、死体のブーツを
脱がす、それからブーツの紐を結ぶ ―「西部戦線異状なし」での、ブーツについての全てだ。
J:なるほどね。
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映画「 ダンケルク 」の具体的な場面やキャラクターについて触れてあると、読んでいてニヤリとしてしまいます。
しかし、本でもwebでも、英語で何かを読む時は "拾い読み" が最近の常なので、
あらためて通しで読み、それを文章に書くとなると、いかに "読めていない" かが丸わかりですね。。