「おじさん、この魚、わかる?」
この前教えてもらった魚を描いた。
チェックしてもらう。

「お、ブリの子!」
「うん!」
よかった~。さすがおじさん。
ワカシ、またはツバス、
この大きさならハマチ?それか・・・
とにかく何度も名前を変えながら
大きなブリになる魚。
魚に夏でワカシ。
夏が師になるとブリ。師は師走の師。
これから寒ブリだ。
「甘鯛、赤いね」
いつも赤いけど、
今日はひときわ赤い。
「朝はもっと赤かった」
おじさん、声のトーンが変わった。
「目ももっと生き生きして・・・」
そう 口にするおじさんの目には、
どんな赤が見えるんだろう。

「甘鯛のな、」
おじさんが言う。
「冬の北陸のお造りは一番うまい!」
「一番な!」
へえ・・・
そこでしか味わえない味なんだね。