新聞、雑誌、地下の電子掲示板、
などで腕時計を見るとわくわくする。
デジタルじゃなくて、アナログのね。
小さな文字盤の中に、
針、歯車、ぜんまい、テンプ、
といったもっと小さなパーツを
職人が一個一個つまんで、組み立てていく。
そこには職人の夢が詰まっていて、
小宇宙を見ているように思うのだ。
7×7センチのキャンバス。
最初は、魚一匹、花一輪、
大きな紙に描くほどでもと思うものを
ここに描いた。
猫一匹、とか。

今はもっと大きなものも描きたい。
例えば、夕方の広く大きな海。
人がすみっこでこんなに小さい!

車道を走っていて
突然、両側に壁が現れると、
一瞬で別世界に入ったように感じる。
時空の密度が濃くなって、
ギュッと、そう、詰め込まれる感じ。

夢を、詰め込む。
夢を、ここに。
掌にすっぽりとおさまる
7×7センチのキャンバスは、
絵描きにとっての小宇宙。
そういうと大げさだろうか。
