僕の細道

【となりの山劇】第113話

<アサイチ の巻>

 アサイチとは世間一般的に「朝一」と記します。ですが、その意味は各人によってかなり感覚的に差があるようであります。

 フツー。極めてまとまな方がこの用語を使用した場合には、時刻的には会社が始まる時刻。もしくは会社営業開始時刻間もなく。という感覚であると想像いたします。

 ところが、現在仕事をしている業界ではアサイチというのは概して『10時位』という感覚があります。ですから、気軽にアサイチで物を頼みと仕上がり時間にイライラくる事至極でありま的な時間の約束をしてはいけません。きっちりと時刻指定するべきです。

 それでは時刻指定すれば安心かと言えば、それもとんでもない大間違いであります。そもそもその時刻の感覚が各人大幅にルーズであります。大体において30分位の遅れはあたりまえ。1時間くらい遅れても「少し遅れました~」っていう言い訳が通用してしまいます。
 ですから、優秀な編集者は各クリエーターの性格時間感覚を性格に把握しなければなりません。例えば3人のクリエーターを集めて打ち合わせをしたければ、その3人の時間感覚に合わせて、それぞれに集合時刻のサバを読み、各人に合った時刻を伝達する必要があるのです。これは編集者の管理能力の基本中の基本であります。

 さて、先日のこと。某クライアントのA君と打ち合わせをした時のこと。

 「・・・という事で、この仕事をお願いします。」
 「んで、これは明日の何時までに仕上げればいいんだい?」
 「明日のアサイチでいいですよ。」
 「チョット待て。アサイチというのは何時だ?ウチは10時頃だが。」
 「その時間は出社時間ですよ~~~~。」
 「んじゃ11時頃か?」
 「いや~~~~~。多分12時過ぎだと思います~。」
 「おいおい。それって昼じゃん。結局昼でいいのか?」
 「いいですよ~。それではアサイチでお願いします。」
 「だからそのアサイチって何時だ?・・・」

 このように、全然話が合わないって事など、実は日常茶飯事だったりするのであります。はい。


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