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防災講座(DIG) 指導者用マニュアル

防災講座(DIG) 指導者用マニュアル

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2005年10月04日
「DIG講習」(講師:石原)
於:天白区平針北小学校
WMV型式:256kbps/640*480/151MB/1時間19分  
[講師] 1名
[助手] 2~3名
[参加者] 1班が6~7名で、4~6班が望ましい。
[用具]・学区地図(1万分の1以下の地図が望ましい。)
         ←大きければ大きいほど皆が見やすく、作業し易くなります。地図によっては、個人宅名が掲載されている物がありますが、参加者に各種情報を書き足してもらう予定なので、道路、公共施設が掲載されていれば、使用可能です。
・学区地図の上にのせる透明ビニルシート←地図が隠れるくらいが好ましいですが、繋げて大きく使う方法もあります。
・ポストイット←各色があれば、使い分けできて好ましい。大きさは、正方形タイプがメモ書きし易いので好ましい。
・色付きシール←小さい丸で、赤、青、緑、黄、白の五色でワンセットの物が市販されている。
・水性色ペン←各色を使い分けします。
・タオル(雑巾)←水で濡らし、水性ペンで書いたのを修正したりする時に用います。
・セロハンテープ←地図、ビニルシートを机に固定する際に使用します。
・名札← 参加者の皆さんの胸に掲げられると、より親近感が増し、早くコミュニケーションが可能となります。

[DIG] Disaster(災害) Imagination(想像力) Game(ゲーム)
・地図を使った机上防災訓練。
・地域の危険度が判り、いざという時に冷静な対処をするための心構えも身につく訓練。

[課題]
イ:お住まいの自宅周辺の環境を認知、把握(見直し)してもらう。
ロ:避難経路の危険個所を浮き彫りにし、その対処法を考えてもらう。
ハ:避難所へ何を持っていくのか?(持てる重量、持ち出し袋三態、日常携行、非常用、避難所用の違いを把握)
ニ:避難した場合、連絡方法は、どう行なうのか?(171の災害伝言ダイヤルを覚えてもらう)
ホ:避難所が遠ければ、どうするのか?(近くにある公園、広大な駐車場などを第二避難所として考えてもらう)
ヘ:避難所へ向かうことが困難な、要援護者(赤ちゃんを育児中の方、幼児を何名か抱えられている方、高齢者、障害者の方)は、どうするのか?
ト:その避難途中に上記の要援護者宅があれば、どうするのか?
チ:避難所へ向かうことができないならば、家屋、家具の耐震対策はどうなっているのかを問う。
リ:隣近所(地域コミニュティイ)の大切さを考えてもらう。

[構成]
1.自己紹介(依頼先、講師、助手、他)
2.分けられた班の主リーダー、副リーダーを決める。
3.地震が起きた時、よく知られている机の下に隠れる避難行動の盲点を理解してもらい、地図を広げた机の下に隠れる団子虫をして、参加者の関心を惹く。
4.避難所のマークの話に進み、地図上におけるマークの説明をし、当日の講義の流れを説明。(2002年3月、全国統一された日本工業規格JIS標示の避難所マークを紹介)
 これまでのマークと新しいマーク


5.避難所である公共施設と各自の家にシールを貼り、そこから避難経路における危険個所などを見つけ出す作業を行ない、問題点を取り上げます。
6.途中休憩前に、地図に落とし込んだ内容の確認。各班に感想を述べてもらう。
7.避難する際の持ち出し袋についての内容を日常、緊急、避難所などに分けて説明。
8.避難先での連絡方法として伝言ダイヤル、携帯電話の災害伝言版の活用を紹介。
9.避難先が遠ければ、近隣に第二次避難所となる公園、または、大きな駐車場、施設はないか検討。
10.第二避難所になりそうな場所があれば、事前に避難できるよう承諾を得られるか、検討。
   (承諾を得られたならば、その場所を関係機関に報告しておくことの大事さを覚える)
11.避難所への支援物資は届くかどうかを検討。(誰が届けるか?誰が取りに行くのか?)
12.地域コミニュティイの大切さを検討。
13.各班の発表。一班1~2分程度。
14.各班の落とし込んだビニルシートを、互いに見ることにより、各班の危険個所の相違を確認する。
15.各班の透明ビニルシートを重ね合わせ、行った作業状況を見てもらい、話し合ってもらう。
16.質疑応答。
17.総評。

[要点]
・一つの作業を3~5分間に区切り、進めていき、その作業の合間に地震のメカニズム、地震と震災の違いなどの話題を余談形式で話す。
・指示内容をポストイットに書き写し、机の上に貼っていく。(指示内容、注意書きなどは、刻々と変化するため、ポストイット形式にして貼る。これらは状況変化における情報収集訓練も兼ねている)
・水性ペンで塗った色をビニルシートに記載しておくことにより、第三者が見た時に一望でき、誌面を把握し易くする。(地図上での建造物はシールで、道路、河川、鉄道など普遍物を水性ペンで色分けする。これは変化しないモノを意味する)
・指示内容を聞き取る人、書き留める人、地図上で検索する人、地図に書き込む人、作業確認をするため全体を把握する人、 発表内容を作る人、発表する人など各班で役割分担をし、作業進めていく。(リーダー以外にも作業をしてもらい、各々の役割作業が机上で導線が絡むことにより、親密度を深める)

[指示]
1.地図に自宅と最寄りの避難所の位置をマーキングします。
1)机の上に広げられた学区地図に、透明ビニ-ルシートを貼り、縁をセロハンテープでとめる。
2)各自の自宅にシールを張る。(赤色シール)
3)避難所となる学校施設、コミニュティーセンターなどにシールを張る。(緑色のシール)
2.市街地の位置や山の境界線、河川や湖沼、水路の位置などチェックします。災害の発生や被害に大きく影響する地域環境を確認します。3.各種ポイントをマークします。
1)鉄道(例:黒色ペン)
2)主要道路。(国道無き場合は幹線道路を色分けする。例:茶色ペン)
3)路地や道幅が2M以下のせまい道。危険度の高いルートを色分けする(例:黄色ペン) 
4)水路・用水・小河川を色分けする。(例:青色ペン)
5)公園や学校・神社・空き地など避難場所になりそうな場所を色分けする。(例:緑色ペン)
6)官公署や医療機関など災害救助に関わる機関や施設(例:青色のシール)
4.休憩(5~10分間)
5.図上大作戦を決行します。
1)例としてサブリーダーの家から最寄りの避難所までの経路を辿ってみる。
2)道中の危険箇所(転倒、落下、倒壊の恐れのある建物、コンクリートプロック塀、崖、ガラス窓など)を
赤色ペンで印をつけていく。(ポストイットに説明書きする)
・ 危険と思われる個所を、参加者に問い、ポストイットに書き出してもらう。
3)近隣に第二次避難所となる公園、または、大きな駐車場、施設はないか検討してみる。
・避難できそうな場所を、参加者に問い、ポストイットに書き出してもらう。
4)延焼の盾になりそうな建物を色分けする(例:橙色ペン)
・ 火災が起きたら、どのような状況になるかを想像してもらう。
5)要援護者の住む家に(幼児が居る家、高齢者が居る家、障害者が居る家)マークする。
・要援護者を、避難所へ連れて行くにはどうするのか、考えてみる。
・連れていけない場合は、どうしたら良いのかを考えてもらう。
6)各班でまとめた内容を、一班2分程度で発表してもらいます。
・何が問題で、その問題をどうすれば改善されるのかを考えてもらう。

[抽入] 各作業の合間に、口頭で解説
1) 震度とマグニチュードの解説
・震度は揺れの大きさ
  震度は機械による震度計と、体感による計測しています。しかし、新潟県中越地震の震源地近くの新潟県川口町では、役場自体の電源が無くなり、震度計は役に立ちませんでした。震度は揺れ具合を指す指標値となります。(別紙参照)
・マグニチュードは地震の力を示す指標値を言います。 マグニチュード2の30倍の力が、マグニチュード3となります。マグニチュード4クラスの地震は、マグニチュード3クラスの地震が30回必要となります。大地震と言われるマグニチュード7以上となると、マグニチュード4クラスの地震が、2万7千回起きないとその力は失われないことになります。
2) 直下型地震とプレート型地震の違い
・阪神/淡路大震災や新潟県中越地震は、直下型地震(内陸型地震)と呼ばれます。直下型地震は真下で地震が発生するため、震度は大きくなりますが、被災範囲は小規模となります。
・北海道奥尻島沖地震・インドネシア地震は、プレート型地震(海溝型地震)と呼ばれ、海岸部では液状化現象が起き、津波が広範囲に発生し、被害が増大になります。私たちが想定している東海地震、東南海地震、南海地震はこれに当たり、被害が甚大となる予想がされ、行政だけでは対処できなくなります。それらの理由で、ボランティアなど市民の協力が不可欠となっています。最近の単発地震は、プレートのきしみにより、日本全国へ及んでおり、いつどこで起きても不思議ではありません。
3) 地震名と震災名の違い。(震災とは地震における被災状況を呼ぶ)
 ・阪神・淡路大震災の「震災」とは、災害の呼称であり、それを引き起こした兵庫県南部地震とは区別されます。「震災」とは、私たちの社会の防災力を上回る強い地震外力に襲われた結果として起こる災害のことを呼びます。現在、新潟県中越地震と呼ばれていますが、災害の影響が大きく長引く場合は、新潟県中越震災と呼び名が変わる可能性もあります。
・関東大震災 ・阪神/淡路大震災  ・濃尾地震(根尾谷) ・長野県西方地震(御岳山)
4) 持ち出し袋
・常時携帯:笛 携帯ラジオ 小型ライト(生き残る為の装備)
・非常用:靴 懐中電灯 ラジオ 笛 10円玉 保険証(コピー) 常備薬(生き延びる為の装備)
・避難用:非常食など、基本的に72時間(三日間)を生き抜くための装備。
・育児用:子供用の非常用、避難用装備。(水、お菓子、着替えなど)
・入院用:奥さんが入院した時に、そのまま持ち込める装備。
5) 家屋、家具の耐震対策
・家具の耐震(消防署、区役所に見本有り)
・家屋の耐震(名古屋市の耐震無料診断―名古屋市住宅都市局建築指導課)
6)避難所について
・広域避難敷地:火災が広がらないような大きな敷地。大きな公園やグラウンドなど。
・広域避難路:そこへ至るまでの主要な道路。災害発生時には車両通行止めになります。 ・収容避難所:被災者が水や食料、光熱、トイレ、安息の場所を得る拠点。 ライフラインが機能停止し、自分の家で生活が出来なくなっても、被災者は地元を離れることなく生活していくため、借りの生活場所が必要となり、公共施設、特に学校施設などが活用されます。
・避難者:
・避難者には災害救助法が適用されます。
・避難者に配る弁当に掛かった経費は、最終的に国の負担となります。
○ 一次避難所(小中学校、コミニュティイセンター) 
○ 二次避難所(最寄りの公園、大きな空き地) 
○ 避難所の生活 ⇒ 小中学校の体育館 ⇒ 各教室へ(町内会、学区が運営し、ボランティアはサポート)
○ 避難所のトイレ、支援物資の個数について(役所の住民票でカウントするのでなく、町内会名簿が目安)
7)避難所を捜索(ローラー作戦)
・過去、バイクボランティアなどによるローラー作戦を被災2週間後の週末に実施している。東海豪雨ではローラー作戦を行った結果、独り暮らしの老婆を濡れ鼠状態で発見。・新潟中越地震では、小千谷市にて200箇所の私設避難所を確認。
(一度も支援物資を配布されていない避難場所もあった。例:友人の家に集団で避難していた)
・個人宅、私的避難所などは行政側が指定避難所と認識、把握していないので、第二次避難所とした場合は、行政など関係所管へ指定避難所登録をしておく。
8)第二避難所の設置・高知県では津波が2分程度襲われる為、対策として、学校などの公共避難所へ避難することが難しい人に対し、近隣のビル、高台の建物のある民間施設を指定避難場所としている。行政は、それらの避難場所への避難経路を整備するのに支出している。
9)災害伝言ダイヤル
・171をダイヤルし、指示に従い伝言を録音し、他者は171ダイヤルに録音された伝言を聞くことにより、安否確認できる。追加録音も可能です。
・各社の携帯電話のWEB画面から、安否確認サイトを開き、指示に従い、情報を記載することにより、他者へ安否確認の連絡が可能となります。
10)避難所における生活とボランティアの関係
・避難所とは?(公共施設、広域避難所、公園)
・ボランティアとは? (災害ボランティアコーディネーターとは?ボランティアセンターとは?)
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