トムです。
愛娘が産まれて以来、あまりスポーツ少年団の練習に参加できていないトム。週3回の練習の内、一日のみの参加でした。そんな、スポ少の最後の大きな大会が昨日開かれました。6年生にとっては最後の大会。トムのチームには4人の6年生がいます。しかし、低学年の勢いに負けるほどの子達。いつも、表彰台に上るのは低学年。今年初の決勝も低学年の団体チームでした。6年生4人と5年生1人で形成するわがチーム。補欠はいません。
今年の新チーム結成以来、一番の心配が高学年のメンバー。本気で剣道をする気があるのか?勝ちたいのか?と迷うほどの練習態度。これまでの6年生たちとは違った雰囲気のメンバーでした。結果も、ほとんどが1回戦負け。団体戦で3位になったこともありますが、準決勝ではコテンパンにやられてました。このままで終わってしまうのか?そういう学年もあるのかとも思いました。6年生4人のうち女の子が3人。5年生も女の子なので、高学年は4人が女の子。男の子の気持ちはわかるけど、女の子はねぇ。
そんな6年生の中でトムが一番気にしていたのが、実力はあるものの、気持ちが弱い女の子。わがチームの大将です。おじいちゃんが、トムの中学時代の剣道の指導者でした。今では、一緒に指導にあたっている先生の孫。頭もよく、運動センスもある子。本当は、チームを引っ張って行ってほしいのですが、みんなの影に隠れているような、いい意味で優しすぎる子です。しかし、わがチームでは大将。前回の大会でも、勝負どころでいつも回ってきます。相手は勿論そのチームで一番強い子。なかなか勝てません。チームが負けても自分を責めるかのように目にいっぱいの涙をためていました。おじいしゃんの為に剣道をやっているのかと思った時もあったのですが、中学に入り剣道を続けるかもしれないとのうわさを聞き、トムは鬼となりその子を強くする事に徹してきました。トムが自分にだけ口うるさく叱ることを、たぶんその子もその意味をよくわかっていたと思います。昨日の試合では、初めはだらし無かった高学年チームでしたが、リーグ戦の1位を決める試合で優勝したチームと引き分け。決勝リーグでも2位のチームにわずかの差で負けてしまい、3位でした。大将の女の子のところにチームの勝敗がかかるというトムが予想した通り。優勝チームの大将は、個人戦で3位に入った子。その女の子が個人戦で負けた相手でした。絶対気持ちで負けるな。気持ちで負けなければ、間違いなくお前の方が強い。個人戦の借りを返してこい。トムは試合前にそう言って送り出しました。勝てば、うちのチームが決勝進出。トムの審判をしているコートで行われたので、審判の先生方と並んで試合を見ました。試合の終盤で先に相手に小手を取られ、後がない状況でしたが、得意の面を取り返し、引き分けでした。次の試合も引き分け。勝てば、チームの勝利という難しい状況の中、攻める剣道をしてくれました。
試合後、高学年メンバー全員が悔しくて泣いていました。トムも涙が出ました。それは、子供たちと違ってうれし涙でした。いつもなら、簡単に負けて来る子たちが、必死に食らいつき、みんな120%の力を出してくれました。実力は相手が上。でも気持ちは負けていなかった。相手は、うちのチームと当たると分かった時、勝てると楽観視したはずですが、結果はどちらが勝ってもおかしくない紙一重の状況でした。
試合後子供たちに、一生懸命がんばっても叶わない物もある。でも、頑張ったからこそ分かったものもあるはずだと伝えました。この経験を次の人生にいかそうと。5年生の女の子には、6年生の涙を忘れるなとも言いました。4月からは、今の実力のある低学年の子たちが4人加わり、新たな高学年チームがスタートします。
正直、今年のこのチームで優勝なんて無理かなと思っていたトムでしたが、昨日の試合の途中でもしかしたらと優勝を意識しました。結果はそんなに甘くないですが、指導者が諦めたら終わりですな。今年の6年生にはいいものを教えて貰いました。大将の女の子は中学ではみんなと別の学校に行く予定らしいです。試合後、泣きじゃくる彼女に、今日の試合内容は最高に良かったことを伝えました。気持ちが入っていた。自分を責めずに、5人全員で胸を張って表彰台に上りなさいと言いました。おとなしすぎる子ですが、少しは変わるかな?
HANABI - Mr.Children - Tour 2011 SENSE
昨日は、剣道を指導していて一番良かったと感じました。WBCも興奮したけど、その数十倍もの感動をもらいました。指導者として出来れば、優勝させてあげたかった。トムが諦めたら終わりですな。これからは新たな気持ちで稽古に励みます。厳しい指導ばかりのトムでしたが、6年生を送る最後の稽古ではまた泣くんだろうな。弱い自分は見せたくないけど、この子たちにはそうなりそうです。みんな、ありがと!