7/21(日) 曇り、28℃。今日はお目当てのコケを見にいきます。チャツボミゴケ公園です。
ホテルを9時に出発。道幅が狭いので大型バスでは行けません。やや小ぶりなバスです。10:30に公園入口に到着。ここからさらに公園内バスに乗り換えて群生地の穴地獄まで進みます。
途中の車窓から見える白絹の滝。露出した岩肌は鉄鉱石のせいか赤く見えます。
穴地獄とは草津白根山の噴火によって生まれたすり鉢状の穴に硫酸酸性泉の鉱泉が噴出して、落ちた動物が死んでしまうことから名付けられたようです。戦前、戦後は鉄鉱石の露天掘りで国内生産量第2位を誇りました。鉱山が栄えた当時は太子線(貨物専用線)が開業し、旧太子駅まで索道で繋ぎましたが昭和46年(1971)に廃線となっています。
チャツボミゴケ公園は平成24年に中之条町、平成25年に群馬県、平成29年に国の天然記念物に指定されています。また公園を含む一帯「芳ケ平湿地群」は生態系の希少性と重要性から平成27年にラムサール条約にも登録されました。遊歩道を源泉に向かって歩いて行くとトラノオを見つけました。
せせらぎに沿って進みます。遊歩道から木道に変わります。
酸性泉が湧出する源流付近。チャツボミゴケは強酸性の温泉水が流れる場所で育つ珍しいコケで、日本国内ではここと熊本県阿蘇でしか見られません。
鮮やかなグリーンが特徴ですが、このモフモフ感がなんともたまりません。
最奥部から左に回り込むようにして流れの反対側を歩きます。
この群生地の規模は2,000㎡で日本最大級だそうです。
ツレアイも私もすっかり見入ってしまい、カメラを撮るのに夢中でした。
ふだん見慣れたスギゴケはここではほとんど見かけませんでした。
湿原の奥にも入って行けそうでしたが、こわくなって戻ります。全長12Kmのハイキングコースがあるそうです。
湿原群なので、こうした池が多くあるのでしょうね。
この辺りでもトラノオを見つけました。
こちらはホタルブクロです。
園内専用バスで受付口に帰りました。冬場は閉鎖されますが、自然に溶け込んだ公衆電話がおしゃれで冬はどうかなと気にかかります。元々は群馬鉄山と呼ばれる鉱床でしたが昭和41年に閉山、その後日本鋼管(現JFE)の保養所として利用されました。そして2012年に中之条町に譲渡されたそうです。そのせいか、公園入口付近にはいくつものバンガローがありました。
昼前にチャツボミゴケ公園を出発、大仙の滝に向かいます。
30分で到着の大仙の滝は直下型で落差20m、巨大な滝つぼがあります。
鉄の階段と通路で近くまで行けるので、迫力の音と滝しぶきの冷気に包まれます。
付近の滝八つを巡るコースもあるようですが、付近に駐車場もお土産屋さんもありません。現在見られるのはここ「大仙の滝」と「仙の滝」の二つだけとのことでした。(遊歩道のアップダウンが厳しくて困難)
世立八滝(ヨダテハッタキ)は滝ファンには魅力的な水量豊富な優秀な滝がそろっているとの高評価です。この付近の崖の地層に天狗のあとかたは見えますか?
さて中之条ガーデンズ(旧花の駅美野原)にやって来ました。全面改修中で完成は2020年春です。それでも5つのガーデンや町民花壇など広大な敷地に、花と花を愛する人の思いが込められています。まずはローズガーデンから。NHK趣味の園芸の講師、河合伸氏が植栽デザインした300種、1,000本のバラを6つの異なるエリアで表現しています。
不思議な空間です。白いフォトフレームのような先に見える景色に突き出された水と映り込む風景、バラの花、、これはシュールな絵なのかしら? ドキドキする。
花は花。バラはバラ。でもこれは写真や絵ではなくて今、動いてる、生きている。自然を相手に演出を施した、舞台をつくった、そんな豊かな想像力に圧倒されました。
ガーデン内を歩き回ります。なぜだかわかりません。アオカエルが花のつぼみにやたらいます。
最初は気づきませんでしたが、水のモニュメントにはお腹の大きな金魚がたくさん泳いでいました。
丹精こめて咲かせた花を見てまわります。
少し遅くの昼食はガーデンレストランでいただきました。
これで今回の旅はおしまいです。バスに乗って中之条駅に帰ります。
帰りも「リゾートやまどり」です。15:23発でした。
中之条の方からお別れの声援を浴びます。
そしてまた来た日と同じように太鼓で別れのご挨拶です。きっとまた来ますよ。
大宮には17:29着。魔法にかかっていたみたいな素敵な2日間でした。