2005年8月13日(土)12:00~15:30
新橋演舞場
井上ひさし 作
木村光一 演出
出演
筒井道隆
田畑智子
柳家花緑
横山めぐみ
池畑慎之介 ほか
22年振りの再演!舞台は明治の浅草。
お目当てはもちろん、柳家花緑さんですが、私が密かに注目してしまったキャスト、それは乞食役の押田佐代子さんです。
女乞食役なので、ほとんど顔を上げません。
通行人に金を無心したり、豆腐屋からあぶらあげをくすねようとしたりで、当然のごとくけむたがられます。
その迫真の演技に思わず休憩時間に
「この人誰?」とパンフレットを確認してしまいました。
乞食役はもうひとり、佐藤太三夫さんがいました。基本的には、乞食はけむたがられています。でも、完全には嫌われていないのです。
お金を恵んでもらったとき「よかったね」と声をかけてもらったシーンがありました。
彼らも下町の住人として認められているのです。人情ですねぇ。
印象的だったので、こんなに長く書いてしまいましたが、乞食の話ではありませんので。念のため。
花緑さんの役は、久松菊雄という書生です。かつて、古今亭志ん朝師匠が演じた役だそうです。
花緑さんの前座時代はこんなだったのかなぁなんて思いながらみてました。
花緑さんの登場シーンは、かなり派手です。
志ん朝師匠もこんなことしたのでしょうか?だとしたらかなり驚きです。
花緑さん演ずる菊雄の主人役は筒井道隆さんです。やっぱりかっこいいですね。
作品は、演劇の品の良さを残しつつ、大衆演劇の楽しさ、わかりやすさをも持ち合わせています。
無理矢無シェイクスピア作品に当てはめるならば、『間違いの喜劇』と『真夏の夜の夢』を足して2で割った感じ。
劇中の茶番劇も、出演者の違う一面が見られて楽しい!
色っぽい池畑慎之介(ピーター)さんもステキでした。
明るい人情話を見た。そんな気分です。
PS 今回、花緑さんの登場シーン、かなり多いです。「鴻巣寄席」の欠席も納得。
花緑ファン必見です!