落語見聞録 改め 仙台落語案内

落語界に愛を込めて・・・
仙台市近郊で開催される落語会情報を掲載していきます。

8月の勝手にMVP!

2005-08-31 23:57:15 | 落語
私にとっては、当たり前なのですが、あえて言います!
柳家花緑さんです!!
特に、東京では新橋演舞場での舞台『もとの黙阿弥』と映画『ヒナゴン』がみられ、高座とは違った顔をみせていただきました。

来月は京都・南座で『もとの黙阿弥』の舞台があります。(9/3から11)。
京都周辺の方はぜひ!

『分署物語Ⅳ』

2005-08-28 22:00:49 | 演劇・映画
2005年8月28日(日)14:00~15:50
下北沢『劇』小劇場
作・演出 古屋治男
出演
三田村周三
宮島健
大出勉


今日が楽日とあり、客席はほぼ満席。

本当になにもない、のんびりとした消防署の分署の物語。
そこにあまりにも個性がはっきりしすぎた7人の消防士が勤務している。
彼らは、救命に対する使命感はあるものの、緊張感がない。
静かに、のんびりとした空間で消防署分署のたわいない日常が描かれている。
この物語のヤマ場は、私が思うに多分、ない。
役者8人。一人ひとりが主人公。
でも、これに近い雰囲気の分署ってホントにありそう。
終演後、出演者に一言二言、感想を言ってる光景が劇場の外で見られる。
こんな距離の近さが小劇場の「売り」なんでしょうね。
個人的には、満足です。



ヒナゴン

2005-08-14 22:46:54 | 花緑さん一門関係
2005年8月14日(日)
渋谷 イメージフォーラム

原作:重松清
監督:渡邊孝好

出演
伊原剛志
井川遥
上島竜兵
柳家花緑 ほか

見てきました!「ヒナゴン」。
撮影は、ちょうど去年の今頃。
花緑さん、落語会の合間を縫って撮影に参加。広島と東京を何回も往復したそうです。

この作品のテーマは「信じる」。
「信じる」力を持っているかつての子供と「信じる」事を忘れてしまった今の子供たちが比奈町の美しい自然の中で交差します。
そして、町村合併問題。ロケ地となった広島県の西城町もこの4月に庄原市に合併されたそうです。
つまり、「比奈町」の問題は、西城町の現実でもあったのです。

この作品の見所は、「比奈町」の美しい自然。役者さんたちの演技も、もちろん素晴らしかったのですが、個人的には、オーディションで選ばれたという広島の子供たちの素朴な演技です。
本当に30年前にタイムスリップしたような感じを覚えました。
そして、画面には、写っていない、西城町の人たちの温かい気持ちが伝わってきました。
私が好きなシーンは、大人になった「いっちゃん」たちが、小学校時代の恩師に会いに行くシーン。せつなすぎます。
そして、やはり花緑さん演ずる西野が市長に立候補して演説するシーン。
迫真の演技!何度でも見たくなります。

帰りにパンフレット(600円)と公式ファンブック(1400円)を購入。
いかに町を上げて撮影に挑んでいたかがわかります。
渋谷では、26日(金)まで上映しています。


もとの黙阿弥

2005-08-13 18:47:35 | 花緑さん一門関係
2005年8月13日(土)12:00~15:30
新橋演舞場

井上ひさし 作
木村光一 演出

出演
筒井道隆
田畑智子
柳家花緑
横山めぐみ
池畑慎之介 ほか

22年振りの再演!舞台は明治の浅草。

お目当てはもちろん、柳家花緑さんですが、私が密かに注目してしまったキャスト、それは乞食役の押田佐代子さんです。
女乞食役なので、ほとんど顔を上げません。
通行人に金を無心したり、豆腐屋からあぶらあげをくすねようとしたりで、当然のごとくけむたがられます。
その迫真の演技に思わず休憩時間に
「この人誰?」とパンフレットを確認してしまいました。
乞食役はもうひとり、佐藤太三夫さんがいました。基本的には、乞食はけむたがられています。でも、完全には嫌われていないのです。
お金を恵んでもらったとき「よかったね」と声をかけてもらったシーンがありました。
彼らも下町の住人として認められているのです。人情ですねぇ。

印象的だったので、こんなに長く書いてしまいましたが、乞食の話ではありませんので。念のため。

花緑さんの役は、久松菊雄という書生です。かつて、古今亭志ん朝師匠が演じた役だそうです。
花緑さんの前座時代はこんなだったのかなぁなんて思いながらみてました。
花緑さんの登場シーンは、かなり派手です。
志ん朝師匠もこんなことしたのでしょうか?だとしたらかなり驚きです。

花緑さん演ずる菊雄の主人役は筒井道隆さんです。やっぱりかっこいいですね。
作品は、演劇の品の良さを残しつつ、大衆演劇の楽しさ、わかりやすさをも持ち合わせています。
無理矢無シェイクスピア作品に当てはめるならば、『間違いの喜劇』と『真夏の夜の夢』を足して2で割った感じ。
劇中の茶番劇も、出演者の違う一面が見られて楽しい!
色っぽい池畑慎之介(ピーター)さんもステキでした。
明るい人情話を見た。そんな気分です。

PS 今回、花緑さんの登場シーン、かなり多いです。「鴻巣寄席」の欠席も納得。
花緑ファン必見です!


樽平寄席~第一夜~

2005-08-10 08:13:04 | 花緑さん一門関係
2005年8月9日(火)
19:50頃~21:00ちょうど
居酒屋 樽平(東京・江古田)

柳家初花さんの勉強会です。

演目
『強情灸』
『子別れ』

『強情灸』には、二つくらい流派のようなものがあり、初花さんのは、古今亭志ん朝師匠流だそうです。
この噺は、仕草が見せ場。灸の積み上げ方、やせがまんの表情…。
熱い灸を振り払った時、本当に煙を上げている灸が落ちてきたように見えて、一瞬ビックリしました(^_^;)。

『子別れ』。よっぱらった亭主とおかみさんが話している場面を見て「口でなんだかんだ言っていても、お互い好きなんだなぁ。」と感じました。
今まで、師匠の花緑さんを含め、色んな噺家さんのを聞いてきましたが、こういうふうに思ったのは初めてかも。
一度は、おかみさんにも、吉原の女にも、そして、おそらくはお得意さんたちにも、愛想をつかれるが、酒をやめたとたんに、また愛されている。よほど根がいい人なんでしょうね。
初花さんの高座を聴いてそう思えたのも、演者自身がそうだからだと思います。
特に今日のような小さな空間だと、よく伝わってきます。
初花さんは、亀の父親にしては、ちょっと若いかもしれません。
でも、今現在の等身大の『子別れ』に、会場にいた全員大満足!でした。

これからも定期的に聴きたい噺です。
初花さんが父親になった時、どんな『子別れ』が見られるか!?
今から楽しみですo(^-^)o。

次回は、10月の予定。
お店と初花さんの都合が合えば、来月あるかも知れません。

終演後は、名酒「樽平(たるへい)」とともにもうひと盛り上がりするのも、また楽しいものです。

ps 次回は10月11日(火)とのことです。

天下たい平vol.10

2005-08-07 20:28:11 | 落語
2005年8月7日(日)14:00~16:50
横浜にぎわい座

林家たい平さんの隔月の独演会。記念すべき10回目です!

演目
春風亭べん橋 『強情灸』
林家たい平 『青菜』
林家たい平 『明烏』
伊藤夢葉 マジック
★☆★お仲入り★☆★
林家たい平 『唐茄子屋政談』


開口一番は、二つ目の春風亭べん橋さん。
不思議な雰囲気を持った方です。
正直なところ、決して上手くはないのですが、人をつなぎとめておく「何か」を持っています。雰囲気は春風亭柳好さんに似ています。
見掛けがひょろりとしていて、「強情」とは程遠い雰囲気を持ったひとがやると、また面白いですねぇ。

たい平さん一席目。『青菜』。
植木屋さんが超おしゃべり!また、あんなに斜に構えていたおかみさんが、結局だんなの「ままごと(真似ごと)」に付き合ってしまうのがまたオカシイ。
本当は二席の予定だったらしいですが、「開口一番を聞いていたら、もう一席やらなきゃダメかなと思って…。」
演目は、お得意の『明烏』。
たい平さん演ずるベテラン「巫女」さんたち、いろんな意味でちょっとコワい。化け物屋敷に入ったような…そんな感じ、

ゲストは、私が以前「ロケット団定例集会」で初めて見て衝撃を受けたマジシャン、伊藤夢葉さん。
この方のステージを一言で表現すると「ズルい」。
アサダ二世さんやマギー司郎さんも「ズルい」のですが、またひと味違うものを持っています。
寄席演芸としてのマジックは、客席とのやりとりもポイントなのですが、夢葉さんは、ボケてあやまります。そして、おじさんなのにキュートです。
私の表現力不足で、褒めているように聞こえないかもしれませんが、最大の敬意を持って書いています。
まだ、ご覧になったことのない方は是非!

仲入りをはさんで、たい平さん三席目『唐茄子屋政談』。
この若旦那がひたすら世間知らず。事の重大性に気付いているような、いないような…。
そして、この若旦那を預かったおじさんの情の厚いこと!
私個人として好きなシーンは、倒れた先の長屋の人たちが、次々に唐茄子を買っていくところ。江戸っ子の人情を感じます。
今回のたい平さんの高座は、身投げしようとしてから、唐茄子を売りに歩くまでが丁寧に描かれていて、貧乏長屋のおかみさんを助ける部分からは、あらすじを語って終りました。
それでも、ここまでで約40分!
ひと味違う『唐茄子屋政談』でした。

今日は、当日券で入ったら、2階席でした。
1階席の様子が全部見えてまた違った味わいがあります。
そのうち、「前売り完売」なんてことにもなるんだろうなぁ。
ここのところ、色んな事情で行く予定だった会に行けなくなることが多いのですが、『天下たい平』だけは皆勤賞なのです。
よって、2ヶ月に一度、元地元に戻り、「定点観測」をするという私にとっても大事な会になっています。
今回の「観測」は…
「やっぱりこの世界が好き!」

次回は、10月2日だそうです。


今日は…

2005-08-07 12:44:21 | 落語
円朝祭り!
行こうと思っていたのですが、今日は、林家たい平さんの独演会「天下たい平」の10回目でもあります。
かけもちしようとも思ったのですが、朝起きられなかったので、断念。
今、横浜に向っています。
「円朝祭り」は、噺家さんたちがいろんな屋台を出しています。
谷中・全生庵にて。
お時間ある方は是非!
(横浜方面の方は、横浜にぎわい座へGO!)


ぼくの国立記念日

2005-08-07 12:36:41 | 落語
2005年8月6日(土)18:30~21:10
国立演芸場

立川志の吉さんの独演会です。

演目
立川志の春 『つる』
立川志の吉 『桃太郎』
立川志の輔 ( 八五郎の妹、おつるがお世継を産んで会いに行く噺。
演目名わかりません。)
☆★☆お仲入り★☆★
立川志の吉 『死神』

立川流の噺家さんが国立演芸場で独演会をやるなんてなかなか出来ません。しかも二つ目で。
会場は、真打披露興行並のお祝いムードでした。


開口一番の志の春さん。確か一年半ほど前に初高座を見たような気がします。
いずれにしても、以前拝見したときより堂々とした高座。
ちょっとエラそうですが、同一人物とは思えないほどの成長振りでした。


本日の主役、志の吉さんの登場!
「ひとりの男の夢が叶った瞬間をみていただきました。」
志の吉さんの高座はまだそんなに拝見していませんが、同い年として、うれしく感じました。
『桃太郎』は、ちょうど4歳の息子さんのパパらしく、生意気な子供にキレながらも、かわいいと思ったり、成長に驚いたりする様子が印象的でした。

師匠、志の輔さんの登場!「弟子の独演会のゲストに出演するなんて想定してなかった。」
一番弟子の独演会に出るのは、やはりうれしそう。お祝いムードたっぷりの演目。
志の輔さんの高座は、みなさんご存じの通りです。
座布団一枚の世界が、長屋になったり、屋敷になったり。登場人物が本当に見えてくるから不思議です。

志の吉さん二席目は『死神』。
導入と落ちが演者によって違うので、この時期に楽しみにしている演目のひとつです。
立川流らしく(?)時事ネタっぽいものも入っていたりして。
今まで聞いたのとは、異なる箇所が多く、新鮮でした。
落ちまでの流れも好きです。
落語会の前に行った講演会で偶然「落語の面白さは、演者の持っているものにある。」という話を聞きました。
(落語とは全く関係のない講演会だったのですが…。)
志の吉さんの高座を見て、まさしくそれだ!と思いました。
もちろん、師匠の志の輔さんとは経験値が違います。
それが全く気にならなかったのは、志の吉さんの「今」を出し切った高座だったからだと思います。

「今度は、自分の力でこのような会ができるように頑張ります。」
と言ってました。
志の吉さんが真打ちになった頃には、このような独演会を全国でできるようになっているのではないでしょうか。
楽しみo(^-^)o。