ほろ酔い日記

 佐佐木幸綱のブログです

斎藤茂吉の書簡

2013年06月20日 | 日記
 秋葉四郎さんの好意で、『童馬山房主人来書』なる1冊を送って貰った。斎藤茂吉から佐藤佐太郎への葉書・書簡等を写真に撮って1冊とした大判の本である。昭和2年~同26年までのものが200余ページにわたって収録されている。
 昭和初期の「アララギ」内の付き合い方の現場、茂吉・佐太郎の師弟関係の実際が、雰囲気として見える、読める1冊で、楽しんで眺めている。

 中には、こんなものもある。
「口上 雨中何とも申しかねますが 八時半でもよろしうございますが一寸御いで願ひませんか  茂吉山人 佐藤兄侍史」
 たぶん、佐太郎宅に電話がなかったので、だれかにこの「口上」を佐太郎宅に持参させたのだろう。連絡メモである。
 言葉は丁寧だが、断りにくい呼び出しだ。似たような「口上」が折々にある。


       
 写真は、昭和2年8月の葉書、昭和26年7月の葉書。収録されている最初と最後の葉書である。
 前者は、新作短歌への批評らしい。「少々気が利すぎてゐる ○細かすぎる ○しかし 歌つくりもいろいろの処を通過するゆゑ 気長にやり玉へ。○観方 もつと本物を観玉へ」
 茂吉46歳、佐太郎18歳。「アララギ」に出した新作への感想だろうが、行き届いた個人指導が葉書等でもなされていたことが分かる。


▼前回の訂正 来宮神社にあるのは「古い椎の木」と書いた。小生の思いちがいで、正しくは「楠の木」それも2000年の楠の木。これが心霊スポットになっている。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿