チベット革命軍と中国政府との和平交渉はネット上で大きな波紋を呼び、それは世界中の独裁国家での革命機運を高めます。
近未来のロシア革命については「十六戦旗物語」として前に描きましたが、その指導者であるパール-ソルジェニーツィンはモンゴルで遊牧民として暮らしています。
今回はまず、そんなパールがモンゴル草原で描き出した「動物と子供たちの詩」について語り、カーペンターズの名曲をそのモチーフとします。
この歌が非常に感動的なのは、カレンの動物と子供たちに対する愛が伝わって来るからで、AIにこんな愛は決して唄えないような気がします。
パールが描く「十六戦旗物語」からもロシア人への愛が伝わって来て、祖国の人達を愛するが故に彼女は独裁政権と闘います。
彼女が担うのは主に「言論戦」で、祖父譲りの鋭い剣のような言論をもって戦争国家と対峙します。
また一方で彼女は、戦争から逃れて来た亡命者にシェルターを提供する活動も行っており、それは自由主義圏から多くの支援金を集めます。
亡命者はウイグルの「再教育中心」から脱走して来た人達が大半を占め、その脱走を助けた「女子鉄道突撃隊」も追われる身となって敦煌からモンゴルへ拠点を移しました。
この拠点では多くの「闇っ子」の面倒も見ており、その大半が女子でした。 これは「一人っ子政策」のせいで、中国では出生届された男女の比率に差が生じてしまいました。
パールの遊牧キャラバンでは、そうした「女子」たちが動物と一緒に元気に暮らしており、教育もきちんと受けられます。
教師を務めるのは亡命者たちですが、その中には知識人も多く居り、もちろんパール自身も教育に情熱を注ぎます。
この「ロシア革命の指導者」はパールワティーのペンネームでブログを書いており、それは世界のソフィスティケート(洗練された階層、文壇など)の間で特に注目れていたので、SFF(インドの諜報機関)は彼女の力を借りようとし、リタメイを使者として送ります。
物語の背景を描くだけで長くなりましたので、二人の邂逅についてはまた次回に語らせて貰います。