徳流河の生い立ちについては漫画「闇っ子」のシナリオを踏襲しますが、そこではかなりドロドロした男女関係が描かれています。
まず「性奴隷」として売られる所だった流河を救ったのは金持ちの御曹司で、彼は流河を大事にして彼女も彼を慕いますが、その父親は少女趣味で無理やり妾にされてしまいます。
それに嫉妬した母親によって流河は片目を奪われてしまい、御曹司はそうした暴虐に激しく怒りますが、親と絶交して流河と駆け落ちをするほどの度胸はなく、手切れ金を渡して彼女を捨て去ります。
漫画で彼はそこまでしか描かれませんが、この物語ではその後の二人の展開も描きます。
彼の名はとりあえず胡(フー)とし、彼は両親の会社を引き継いでそれを成長させます。 しかしコロナ禍とアメリカからの経済制裁のダブルパンチを受け、過剰投資が祟って会社は倒産してしまいます。
これは実際に沢山起きていて、特に半導体を扱う先端企業はアメリカからの技術封鎖によって立ち行かなくなりました。
中国の大企業はみんな「党」との太いパイプを持っているので、ピンチの時は救済してくれると株式市場は期待していたのに、「党」は私営企業を切り捨てる方針に出ました。
これは「毛沢東時代」のみんなが平等に貧しかった社会に回帰する政策と言え、貧富の格差から来る不満を解消すると共に、特別な力を持つ民間人を減らす狙いがあると思われます。
しかしフーの様な没落企業家達は「党」に対して強い反感を持ち、その中から一党独裁を打ち破ろうと画策する人物が現れてもおかしくありません。
フーの名前を胡錦濤から取ったのは、彼が「経済第一主義」の上海閥に属するからで、それは「政治第一主義」の北京閥と強く対立しています。
上海の経済力は北京を上回っているので、「党」も上海人にはあんまり無茶なコトは出来ないのも現実です。
落ちぶれたフーはドゥルーガ(徳流河)の活躍をネットで知り、その革命運動に参加します。
彼は借金を踏み倒して逃げる身ですが、会社の資金を持ち逃げしていてまだ大金を握ってるとします。
闇社会に落ちて来たかつての恋人を流河は拾い上げ、共に打倒「党」の道を歩みますが、果たしたこの二人は結ばれるのかどうか、これから検討する予定です。